2008/03/09発信 二十一世紀企業研究会

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二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

教育問題

昨日はNHKで「日本のこれから、どうする学力低下」という番組がありました。私は別用がありほんの一部しか見ませんでしたが、「勉強は強要すべきか否か」、「教育にもっとお金をかけるべきか否か」などという設問自体が的外れだと思いました。最初の問は「生徒が勉学意欲を出すにはどうすべきか」、二番目の問は「限りあるお金を如何に効果的に教育に使うべきか」であるべきでしょう。その前に「授業がおもしろくない」という問題が議論されていましたが、これこそ由々しい問題だと思います。番組でどういう議論があったのかは知りませんが、私の意見は授業が面白くない原因は対話の欠如だと思います。「受験のための」授業や「学習指導要領に従った」授業が面白い筈がありません。「生徒のための」授業を対話形式で行う事が教育の目的と方法だと思います。そのためには生徒の個性と状況に応じた創造的な授業が必要だと思います。アドリブと話の脱線、偶発的な要素無しには授業がおもしろくないのは

型どうりの芸をこなすのが精一杯の音楽、舞踊、落語などがおもしろくないのと同様です。芸術であれ、運動であれ、真に素晴らしい作品や演技は二度と同じものは作れない創造の産物ですが、学校の授業も同じですね。

生徒が学校を卒業して世の中に出て自立して行くための最小限の基礎知識を与えることが学校教育の使命であると思います。

 

義務教育で十分

この意味では9年間の義務教育で十分という気もします。西澤純一さんの言われる「長く学び過ぎることの害」は確かにありますね。その害は「物まね」と「現状を直線的に延長して人より先を行く」競争心ばかりが強くなることです。その一例が一昔前の第五世代コンピュータ計画です。アメリカに勝つ意気込みばかりが喧伝されましたがいつのまにか雨散霧消してしまいました。その間米国で進展していたインターネットの意義には私は全く気づきませんでしたが、多くの技術者も同様だったと思います。

日本の高度成長を推進したのは松下幸之助、本田総一郎、豊田佐吉など小学校しか行けなかった人々が創始した企業でした。それらの創業者世代が亡くなり、高学歴が特長の我々団塊の世代が会社の中心となった頃にかえって技術開発力は弱まり、「日はまた沈む」という本の通りに所謂失われた10年を招来してしまいました。

なまじ学校暦が高いため西澤さんの指摘される害が出たと思います。即ち10年前の日本と今日の米国が直面しているバブルの崩壊です。何故バブルが生じるかと言えばそれは「皆が人のする事をする」からです。とかく流行ばかり追いかける傾向が独創を旨とする技術者の間ですら強いのではないでしょうか。

 

生涯学問システムが必要

上の義務教育で十分というのは「人が働きながら学べる生涯学問のシステム」が確立されているならばの話です。そのためには従来の硬直的な教育制度の抜本的改革が必要になります。現在大都市ですら救急患者が多くの病院から搬入を拒絶され手遅れになる事例が頻発しています。ましてや遠隔地や離島の無医村の問題は深刻です。

また病院の勤務医の長時間労働も大きな問題になっています。明らかに医者の倍増が緊急に必要です。歯科医、獣医、看護師の再訓練や他学部の卒業生が入学して4年程度で医者の資格がとれる医学校制度の創設が必要だと思います。

また医療システムは医学ばかりでなく通信網、情報処理、交通網も重要であり多様な分野の技術者も寄与できる仕事が沢山あります。

 

大学の改革は一朝一夕にいきませんので今私たちができるのは人が働きながら勉学を続け、必要なら大検と入学試験を突破して既存の大学に入る手助けをすることだと思います。何よりそういう風土を作る事だと思います。

 

学問と人生

学問は人が自ら行いて

問学するより他に道無し

人生は人が自ら行いて

精進するより他に道無し

 

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*  市吉 修   

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

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