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送信日時: 2010125日曜日 0:00

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件名: 二十一世紀企業研究会 ; 江戸の学びに学ぼう

 

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江戸の学び

現在新宿図書館より「図説江戸の学び」(河出書房新社)という本を借りて読んでいます。江戸時代の教育は圧倒的に寺子屋が主でした。その特長は生徒の特性と目的に応じた個別教育であり現在の学校制度の一斉教育とは対極にあるものでした。

また各地には若者宿や娘宿があり若者はそこで寄り親という年長者から日常生活の指導を受けていました。

江戸時代はまさしく地方の時代であり、黒船の来訪に象徴される海外勢力の進出に対して国難を克服して近代への変革を達成した原動力は九州、四国の辺境の地にある外様藩の下級武士や平民でした。この前NHKドラマシリーズが終わった坂本竜馬や岩崎弥太郎は学校教育は受け

なかったし、受けたとしたらあのような偉業は成しえなかったと思います。

 

画一的な学校制度の弊害

江戸時代の生徒本位の個別教育は明治になると政府管理の下の学校教育に呑み込まれて消えて行きました。現在では教育と学校とは殆ど同義語であり、教育を受けるためには学校に行くしか道が無い状況です。この偏狭な制度の弊害は学校における陰湿ないじめの横行と甚だしい時にはそれを苦にした幼い子の自殺すら起きています。

近世における日本の勃興期は明治時代だと思いますが明治時代を作ったのは江戸時代に教育を受けた人たちです。それに対して学校教育が確立してから第二次世界大戦の破壊に到る最も愚劣な時代を指導したのは何れも学校秀才達でした。

画一的な学校教育の弊害は

[1] 個性の抑圧

[2] 自主性の喪失

[3] 思考力のまひ

だと思います。アインシュタインはドイツ軍国教育にはどうしても合わせる事ができなくて高校生の時にとうとう学校を飛び出してスイスに逃げました。

 

大学の改革が必要だが不可能

マリー・スクロドフスカはポーランドの片田舎から先ず姉を大学に行かせるため住み込みの家庭教師として働いたため自分がパリの大学に入った時にはもう24歳にもなっていました。当初はフランスの正規の高校教育を受けて入った生徒に比べると足りない部分がありましたが猛勉学により直ぐに一番になってしまいました。二度もノーベル賞を授与された偉大なキュリー夫人の人格の基礎はあの苦しい雌伏の時代にできた事はまちがいありません。

私が感心するのは当時のパリの大学の門戸の広さと夫ピエールの亡き後幼子二人を抱えたマリーを夫の後任に就任させたフランスの度量の広さです。

それに比べたら日本の大学の器量の狭さは息苦しいほどです。米国の大学とは反対に入りにくく出やすい構造で、どんぐりみたいに似たものばかりの小物を大量生産しているのではないでしょうか。湯川秀樹は助手になってもなかなか論文が書けなかったが、書いた論文でノーベル賞をもらいました。日本の大学は米国の悪い点だけ取り入れて論文の質を疎かにして量で評価する傾向があるため湯川秀樹は今だったら学問をあきらめていたかも知れません。

日本の学校教育の弊害の元は大学にあると思いますが、大学による自主改革は不可能です。それは江戸幕府の自己改革により近代国家への脱皮ができなかったのと全く同様です。

 

現在の日本の問題の根は教育の閉塞にある

と思います。900兆円近い財政赤字、年間三万人を越える自殺者、学校は出たけれど就職できない若者の測り知れない機会損失などは根本的な解決を必要とする問題でありその原因は前記の学校教育の行き詰まりにあると思います。

 

寺子屋精神に基づく教育のしくみを作りませんか。

学校制度にとって代わるものではなく現在の学校から落ちこぼれる生徒、現在の学校では飽き足らない生徒から社会人に到るまで各人の必要と境遇に応じて自主的に参加できる教育システムです。インターネットを駆使して学生も教師も在宅でも活用できると共に必要に応じて集合研修、研究発表、共同研究もできる拠点も各地にある、大検を通じて既存の大学に入る道もあるが肩書きの要らない人はM.Faraday, T.A.Edison, G.Stevenson, 松下幸之助、本田総一郎、A.Lincoln, A.Carnegie,牧野富太郎、岩崎弥太郎その他の先達のように我が道を歩む助けになるような共同研究もできる学問大道の仕組みです。

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*  市吉 修

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

* URL; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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