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送信日時: 平成 21年9月21日月曜日 3:23

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件名: 二十一世紀企業研究会

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二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

動物と人間

子猫を拾ってもう40日になりました。当初メスに間違いましたが今は紛れもないオスです。ただし市の補助金ももらえる事になりましたので去勢手術を受けさせようと思います。可愛そうですがこの猫は昼間は地域を出歩く地域猫でもありますので同じように不幸な迷い猫を出さないためには仕方ありません。

この猫は朝夕餌をやり、すこし遊んでやれば日中はどこかに出かけています。数百メータの範囲を徘徊するようです。その意味では我が家の猫だけではなく地域の猫でもあるわけです。私はほんの少しおせわしているだけですが反対に得るものもあります。日本人はよく以心伝心と言いますが人間の間でそれは成り立ちません。それを信ずるのはとんでも誤解のもとになります。人間の意志の疎通はあくまで以言伝心です。

ところが人と動物の間の通信は以心伝心しかありません。言葉は意思を表すだけでなく隠すのにも使われますので誤解を避けるために人間関係は実に気を使いますが動物とは完全に以心伝心ですので安心です。現に動物療法もあるように言葉を獲得したために病んでいる人間の心を癒してくれるのは言葉を持たないが故に以心伝心しか無い動物との交流ですね。犬や猫の家畜化は文明の発生のはるか以前に起こったようです。人間と動物は共に進化して来たのかも知れません。

この猫には毎月約2,000円の餌代と去勢手術の費用がかかります。私はこの猫、雪のように白いのでシーロと呼んでいますが、シーロの一生の面倒をみるつもりです。仮に私が面倒を見れなくなったらまたあの恐ろしい迷い猫の境遇に落ちてしまいます。何とも不安定な存在です。

我々人間の存在はどうでしょうか。当市にも何人かホームレスの方がおられます。ガード下に敷かれたダンボール紙を見ると迷い猫にも似た境遇の人間がいることには深い同情を禁じ得ません。しょっちゅう電車を止める人身事故、毎年三万人を越える自殺者の数は我が日本が世界の二流国に成り下がっていること、社会全体が病気に

なっている事を明確に物語っているのではないでしょうか。

人間社会は人間のために存在する。これは自明の原理ではないでしょうか。北米インデアンの段階の氏族社会まではその通りでしたが、文明と共に生じた社会の階級分裂と国家という権力構造の出現以来それが正反対になってしまいました。国の民草は高貴な国家を支える為にあるというのが歴史時代を通じた支配者の思想でそれにつける理屈らしき神話を捏造したのが所謂御用学者です。租庸調の人頭税は上の思想の具体的な現れです。何とも人間に残酷な国家権力ですがその思想的残骸はいまでも根強く残っています。

学校では競争意識ばかり植え付け人が協力する教育を怠っています。人間社会の第一原理は人は共に助け合えという事です。その上に人は自立せよという第二原理が成り立ちます。学校では皆が同じ事をやるので何でも優劣がつきますが社会に出れば全く同じことをやる人はいません。人が特定の専門職に専念できるのは他の事は他の専門家がやってくれるからです。社会的分業の基は社会的協業です。その順番を間違えた教育をするから世の中がおかしくなるのだと思います。実は支配者が最も怖がるのは被支配者の横の連絡です。江戸時代の法度では「徒党を組むものは死罪」でした。絶望的な状況から起こった農民一揆は常に残酷に弾圧されたことを忘れてはならないと思います。

今日のNHK日曜討論で藤井財務相が子供は社会からの預かりものなのだから貧富の差に関わらず社会が立派に育てる責任があると言われていましたが正に同感です。これは氏族社会の段階までは自明の原理でした。厳しい自然のなかでの原始生活では人間の死亡率が高かったので人は助け合う事無しには生存が困難でした。孤児を氏族が皆で育てるのは当たり前で北米インディアンのある氏族では叔父、伯母は単に父、母と呼ばれていました。高崎山の猿ですら親を亡くした小猿を他の猿が面倒を見て育てた例があります。

人間は地球の歴史で初めて物に即さず抽象的な意味を表せる言語能力を獲得し飛躍的に思考力を高め、ついには未曾有の文明を創造しました。それと共に職業の分化が生じさらに社会の階級分裂と権力構造の国家が発生しました。原始民主制の地域共同体は国家の権力構造に組み込まれ、氏族は崩壊して家族が社会の単位となりました。今やその家族も核家族を経て崩壊し人は個人となりました。今日の社会の構成単位は個人です。英語でIndividualというように個人はそれ以上分かれようがありません。上の社会の展開は個人の自由を増す方向への発展ですがその間失ったものもあります。様々な事情からホームレスの境遇に落ちても誰も助けてくれる人もありません。先の戦争では旧満州や中国、国内でも各地の大空襲によって何万もの戦争孤児が生じました。国家によって始められたにも関わらず、国家は戦争孤児の本格的な救済は行わず放置されました。多くの戦争孤児はこの世の地獄を生きました。公式文書では「知人、親戚に引き取られた」とされる場合も大半は虐待され悲惨な子供時代でした。他方国民と国家の破滅をもたらした軍人や役人は遺族年金、軍人恩給で厚く遇せられました。これは共同体が崩壊し国家権力の支配する文明社会の本質を明確に示していると思います。

社会の階級分裂と御用学者が捏造した神話の残骸を一掃して人が本来の人間社会を回復する事が二十一世紀の今日の課題だと思います。私がこう言うのは実はそれが可能になる条件が整ってきたためです。印刷技術の発明による書物の普及はアメリカ独立革命とフランス革命に代表される封建社会の打破と近代の共和制社会への移行をもたらしました。新聞やラジオなどのマスメディアは国家の宣伝と思想統制に悪用されて帝国主義を推進し遂にそれは二度の世界大戦を引き起こしました。

現在の世界もまだ大方この段階にあるようです。ただインターネットと直接衛星LANに代表されるマスイメディア(Mass Immedia)段階に到達した現在は世界が「呼べは聞こえる」一つの村に収縮し、「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける」二十一世紀型産業によって人の互助と自立を推進し、均衡の取れた国土の発展と直接民主制による共同体の復活により前述の人間原理に基づく社会の確立を可能にすると考えています。

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* 市吉　修

* 二十一世紀を楽しく生きよう会

* URL; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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