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件名: 福岡、広島旅行報告
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福岡と広島旅行
先週は仕事で福岡と広島に旅行しました。
ご興味があれば故郷振興 http://heartland.geocities.jp/osamu_ichiyoshi/
をご覧下さい。
中村哲氏講演
5/30九州大学伊都campus椎木講堂で行われました。おそらく千人を越える聴衆が階段教室で中村氏の講演を聞きました。講演に先立ち中村氏の九大医学部専任教授任命式がありました。ペシャワル会の活動については簡単には語りつくされませんが、中村氏達の30年にわたる努力により内戦で住民が逃げ、砂漠化していた大地が運河を掘って水を引いて来る事により、広汎な田園地帯が再生し、住民が続々と帰ってきているという奇跡が現実に起きています。中村氏はもともと九大医学部出身の精神科医ですが、アフガニスタン現地では内科外科なんでもこなして医療に従事するばかりでなく運河の建設においては土木技師としても活動しておられます。運河の取水口においては故郷の筑後川に先祖が築いてきたななめ堰の技術を応用して見事な成功を収めておられます。ペシャワル会の活動については下記URLをご覧下さい。
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/
広島 6/3
何といっても原爆ドームと平和公園が印象深いです。物言わぬ原爆ドームや原爆記念館の展示が如何なる言葉よりも雄弁に原爆の悲惨を語っています。平和公園の慰霊碑には「安らかにお眠り下さい、過ちは繰り返しませんから」と刻まれていますが、私達はこの言葉をどれだけ実践しているか反省すべきだと思います。日本国憲法第12条には「この憲法が国民に保障する自由および権利は国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」と書いてありますが、選挙の投票率が50%を下回る現状はまさに私達の怠慢、民主主義の危機ではないでしょうか。
中沢啓治「はだしのゲンはピカドンを忘れない」
という冊子を買って一気に読んでしまいました。中沢さんは小学生の時原爆を受け紙一重の差の運で生き残りました。まんが「はだしのゲン」は中沢氏の実体験に基づいた作品であり当時の恐ろしい状況とその中での人の生き様をありありと伝える優れた作品です。これは全ての日本人に読んでもらいたい本です。
この中で中沢氏が指摘している重要な点は最初の偵察用B29が来た時には鳴った空襲警報が次に爆撃B29機が来た時には鳴らなかったと言うことです。このため広島の人々は屋外で作業中であったため原爆をもろに受けて甚大な被害を生じました。もし空襲警報が鳴っていたなら多くの人は防空壕に入っていて人的被害は遥かに小さかったはずです。これは国の怠慢ですね。
原爆孤児
中沢さんの本で特に胸を打つのは原爆孤児の哀れな状況です。大日本帝国ばかりか日本国も原爆孤児の救済は全く行わず、小さな子は餓死、病死、衰弱死したようです。中沢さんは父と弟を原爆火災でむざむざ死なせてしまったけれども母は生き残ったので幸運でしたが母も亡くなれば自分も原爆孤児の仲間入りをしたであろうと特別の関心をもって原爆孤児の事を書いています。中沢さんはそういう哀れな子供を助けるどころか食い物にした大人を見て日本人として深い絶望感を感じておられたようです。その一つの例は暴力団が原爆孤児を他の組との抗争に使った事があったそうです。富裕な家に生まれた子が不幸にも原爆孤児になり生きるために結局暴力団員になった例を直接ご存知だったそうです。
蛍の墓
以前に野坂 昭如の「蛍の墓」のアニメ映画を見て次の詩を作りました。
かの丘に眠る妹いたましや
幼き命飢えに逝にけり
目印も無き小さな墓なりき
闇にほたるが乱れ舞いにけり
空襲に母も妹も失いて
残されし兄も野たれ死にけり
空襲に焼けにし街に日は落ちて
闇にほたるが乱れ舞いにけり
大空襲
3/10の東京に始まる空襲を思ひて
お国の戦争で人々は滅びぬ
大空襲の下、火の海の中
親を失いし戦争孤児が
残されし世は正に地獄なりき
か弱きものを見殺しにして
国が救いしは軍人と役人のみ
世界の民よ手をつながむ
国を越えてぞ平和を築かむ。
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* 市吉 修 Osamu Ichiyoshi
* 二十一世紀を楽しく生きよう会
* Human Network for Better 21 Century
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