共同研究に始まる遂行団方式の事業方法

                                                                                       市吉 修 

2008/06/30

事業の流れ

1. 研究会             特定のテーマについて発起人が研究会の結成を呼びかける。その呼びかけに対して関心を同じくする人が参加して会を結成し共同研究を行う。

2. 開発団          研究の結果事業になりそうなら開発団を結成して共同開発を行う。

3. 製品登録          製品化の目処がつけば開発団のHPに製品登録を行う。

4. 営業活動          登録された製品の開発責任者とその製品の市場開拓に関心を有する団内外の営業責任者が連携して営業活動を行う。

5.  応札団            引き合いがあれば開発責任者と営業責任者が応札団を結成して応札する。

6.  遂行団           受注が取れればお客に対して責任を持つ営業主幹と契約の実行に対して責任を持つ実行主幹が中心となり遂行団を結成して契約を遂行する。

7.  契約の完遂     契約を完遂したら遂行団は解散する。

 

遂行団とは

(0)    遂行団とはお客との契約に基づき事業を行う事業体であり、それは会社やNPO等の企業の中に結成される事もあれば独立した個人中小事業者、即ちSOHOが一つの仕事に対して一つの遂行団(Work Effort Group)を作って仕事を行う事もある。

(2)   遂行団は仕事の始まりと共に結成され、仕事の完成と共に解散する。

(3)   遂行団はお客に対して責任を持つ営業主幹と契約の実行に関して責任を持つ実行主幹が中心となって経営する。

(4)   営業主幹と実行主幹は遂行団の中心となる事務局を構成して仕事の管理を行う。会社やNPO等の企業内の遂行団の場合は事務局は企業が運営する。

(5)   契約によって受注した仕事は遂行団が責任を持って完遂する。

 

遂行団の費用構造

売り上げ(Sale) = 一般管理費(General management cost, 遂行団事務局)

+ 営業管理費(Marketing management cost)

+ 実行管理費(Program management cost)

+ 外注生産費(Outsourcing production cost)

 

装置およびシステム受注の場合の費用配分()

売り上げ

(管理責任者)

一般管理費

(事務局)

営業管理費

(営業主幹)

実行管理費

(実行主幹)

外注生産費

(実行主幹)

100(%)

10

20

30

40

 

教育研修の場合の費用配分()

売り上げ

一般管理費

(事務局)

営業管理費

(営業主幹)

実行管理費

(実行主幹)

外注生産費

(実行主幹)

 

100(%)

10

40

40

10

 

 

共同研究に始まる遂行団方式の利点

(1)    共同研究により目的とする事業の技術的および営業的課題を明らかにしその解決法を事前に探求する事ができる。

(2)    上の事業課題の解決法を確立する事により事業の成功の見込みを高める事ができる。

(3)    関係者が自発的に合力することにより大きな力を発揮できる。

(4)    遂行団はあらゆる仕事には始まりと終りがあるという思想に基づき、製品納入後の保守、アフターサービスまで含めて仕事の内容を契約により明確に規定するので関係者の事業責任を明確にすることができる。

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