差出人: O-ichi [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]

送信日時: 平成 2139日月曜日 2:14

宛先:

件名: 二十一世紀企業研究会

 

配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

学校に行けない不幸

昨日のNHK日本の現場では滋賀県のブラジル人学校の生徒が親の失業に伴い学費が払えなくなりブラジル人学校を退校せざるを得ない状況が報道されました。一時期は500人いた生徒が今は200人に減っている状況です。地域の普通小学校に転校した子も言葉が通じないために友達ができなくて学校に行かなくなる場合が多いようです。また現在の不況では一般の日本人でも親の失業のため進学を諦める子が多い。詳細は交通事故遺児や母子家庭の子供のあしなが育英会の調査をご覧下さい。http://www.ashinaga.org/index.php

更に日本に留学している外国人学生も円高と世界的不況のために家からの送金も日本でのバイトも困難で学業の継続が困難になっている人が多数います。教育は国家百年の大計という諺がありますが上述の現状は国家の危機とでも言うべき状況ではないでしょうか。

 

一時給付金を奨学資金に寄付しましょう

政府の説明では今回支給される一時給付金の目的は消費の活性化という事になっています。Bush政権下での米国の先例では1/3しか消費に回らず景気を活性化する効果は全くありませんでした。年収2,000万円以上の高額所得者に1.5万円の給付金はまるでゴミのようなもので麻生首相も高額所得者がもらうのは「さもしい」とか「矜持の問題」とか言っていました。最終的にはご本人も貰われるそうです。効果が不確実な給付金の給付作業に地方自治体には確実に800億円程度のコストがかかると記憶しています。ところが最も困窮している路上生活者には住所不定のため給付ができないそうです。こう考えるとこの一時給付金は景気のために努力していますという政府の単なる宣伝にしか過ぎないと思います。

給付金が仮に全額消費されてもその効果は今年度のGNPを2/500=0.4%押し上げるだけの事です。本来ならば国債の償還に使うべきものをばら撒きに浪費すれば国債の累積利子の分だけ将来の国民の負担は余計に重くなります。2兆円の消費は5%の消費税として国庫に戻りますが支出される2兆円の95%は国庫に穴を生じてしまいます。国債の利子を勘案すれば2兆円を越える損失が出る事になります。経済のプロを自認する麻生首相はケインズ経済学の乗数効果を鵜呑みにしているとしか思えません。乗数効果への盲信が今日政府の800兆円とも1000兆円とも言われる目の眩むような財政赤字を生じた原因です。こうして破綻した国庫から首相が5,000万円、議員が2,000万円もの報酬を得ているのは犯罪にも等しい行為ではないでしょうか。

私は経済学は土素人ですがフィードバック理論は専門家です。いわゆる乗数効果が生じるのは消費が有効な、即ち長く世に役立つ新たなものの創造に結びつく場合だけです。また政府の財政出動が必要なのは民間に資本や技術が無い時で、それは例えば明治時代に民間に資本がないため近代産業をまず国営事業として始めて後に民間に払い下げたのが典型的な事例だと思います。それとて地租改正による農民への重税の上に行われた事で元を正せば国民の血税ですね。現在は民間に膨大な資金も高度に発達した技術も生産設備もあります。欠落しているのは将来に対する国民の自信ですね。不況になれば即解雇されて住む所も失うという前近代的な、即ち国民に選挙権も与えられなかった明治時代と同じ状況が出現している現実が不況の真の原因だと思います。ある意味では国民の政治的無関心が社会福祉の欠落として

自分に降りかかっているのではないでしょうか。選挙に出るには多額の供託金を積む事が必要、選挙公約をインターネットで公開するのが不可、個別訪問禁止、団地の郵便受けにビラを入れる事も禁止では街頭で選挙カーからがなりたてるだけの選挙運動になり、選挙公約が不明瞭で国民の関心が低いのも無理も無いとは思いますが、選挙の投票率が50%以下というのは正に民主政治の危機だと思います。

社会福祉の拡充によって国民に将来への安心をもたせる事が政府の本来の仕事ではないでしょうか。社会福祉は社会の安定ばかりでなく生活と学問の向上によって社会の生産力の向上、即ち経済成長を実現する最も確かな道だと思います。特に社会の将来を担う若者に将来への夢と希望を与え、それを実現する条件を整えてやる事は社会人の第一の仕事だと思います。小泉元首相は「米百票」云々の宣伝には努めましたがそれが実効を挙げていない事は前述の学校教育の不幸な現状から明らかです。

そこで今回の一時給付金の使い道として前述の貧困のため学業の継続が困難な児童、生徒、学生のための奨学資金団体への寄付を提案します。そうすれば給付金が必要な所で確実に消費されるばかりでなく有用な人材を育てて国の将来を担う力を創造することができます。それによる効果は長く累積されて生きますので結局は投資の何倍にも増大して行きます。これこそ本当の乗数効果だと思います。

 

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*  市吉 修   

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

* URL; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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