国家存立の基盤

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2024/12/15 22:59

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世界の平和と安定のために。

先週はシリアのアサド政権崩壊と韓国のユン大統領弾劾と二つの政変がありました。

アサド政権の崩壊は真に突然の事でした。

1975年のサイゴン陥落、1986年のマルコス政権崩壊、1989年のベルリンの壁崩壊、チャウシェスク政

権の崩壊、1991年のソ連崩壊、2021年のアフガニスタンのガ二政権崩壊等も外から見ると突然の事で

した。

見かけは如何に強固な独裁国家も倒れる時は実にあっけない。今回のアサド政権の崩壊では政府軍が戦

わずに逃げ出しました。半世紀以上続いた親子二代のアサド政権は深刻な人権抑圧国家だったのですね。

反対者の逮捕、殺害、行方不明者も多し。2011年のアラブの春で民主化を求める民衆をアサド政権は残

酷に抑圧し、毒ガスまで用いました。これに対してオバマ米国大統領は「一線を越えた」とは言うが何

も行動は起こしませんでした。他方プーチンのロシアは徹底的な空爆によりアサドを助けて政権を存続

させました。

今回はロシアがウクライナに足を取られて動けないのでアサド政権の弱さが遂にさらけ出されたのでし

ょう。

1986年のマルコス政権崩壊では出動した戦車が人民の海に呑み込まれて立ち往生し、やがて兵士が頭を

出して人々の拍手と歓呼の内に戦車を下りて来たのをTVで見ました。それからあっと言う間に政権は崩

壊しました。

1989年のベルリンの壁崩壊では当日人々が壁によじ登っても警官が阻止しなくなりました。同年ルーマ

ニアのチャウシェスク政権崩壊の様子も私は良く覚えています。広場に密集した大群衆の前で始めたチ

ャウシェスク大統領の演説は群衆の反対の声で続行不可能となり、大統領はバルコニーの内側に引っ込

みました。大統領夫妻が銃殺されたのはそれから一日も経たなかったような記憶があります。

2021年のアフガニスタン、ガニ政権の崩壊の前にバイデン政権は

(1) トランプ前政権がタリバンと進めていた協定に基づき予定通り、米軍はアフガニスタンより撤退する。

(2) ガニ政権には近代兵器で武装した30万人の国軍がある。従って米軍が撤退しても1975年のサイゴ

ン陥落のような事は起らない。

実際にはガニ大統領は早々と逃走し、高々3万人程度のタリバンが二週間そこそこでアフガニスタン全土

を制圧しました。私はタリバンも多少は成長したかと期待しましたが、女子教育を制限するなど何世紀

も遅れた旧弊な思想により世界の笑いものになって孤立しています。国民はひどい人権抑圧と生活難に

苦しんでいます。

バイデン氏は正直な人だけど上にバカがつくのではないでしょうか。ロシアのウクライナ侵攻が迫って

いた時にも、ロシア侵攻があっても米軍は参戦しないと事前に言明していました。自ら抑止力を放棄し

たようなものです。

今回の韓国の戒厳令騒ぎにおいては大統領が戒厳令を発しても軍隊が従わなかったようです。明らかに

戒厳令が法的に許される状況にはありませんでしたから。韓国民主主義が成長した証ではないでしょう

か。

即ち大統領は全能では無い。その権限は政府の各部門の長を任命する事であり、直接政府の役人を動か

す権限は無い。大統領は公僕の長であり、決して主では無い。国の主権はあくまで国民にある。

以上の事から分かるのは国家の存立の基盤は畢竟人である事でしょう。その人は真実を知らされ、また

追求する自由な人民でくてはなりません。独裁国家は独善的な国家宗教を統制教育により子供に擦り込

み、報道、学問及び政治活動の自由を制限します。徳川幕府の「知らシムぺからず、依らシムべし」「徒

党を組む者は死罪」と同じです。

東ドイツの崩壊をもたらしたのは衛星放送だと言われます。政府の嘘が衛星放送を通じて国外の情報に

接していた国民には疾うにばれていたのです。

国家存立の基盤は自由にして平等な国民の不断の努力にあり。

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+ 市吉 修

+ 二十一世紀を楽しく生きよう会

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