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送信日時: 平成 21年11月15日日曜日 3:37
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件名: 二十一世紀企業研究会
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進歩とは何か
中国や韓国に行って日本の30年前の姿などと感ずる場合があります。例えばオリンピックの開催年などです。そこには社会はどこも似た経路を通って進歩するという考えがあるようですが本当にそうでしょうか。今回北京では日本では見る事もないようなぼろぼろになるまで使い古した自転車を多数見ました。他方日本では殆ど新品のような自転車があちこち乗り捨てられています。これを見て中国は貧しく日本は豊かな国だと言えるでしょうか。私はその逆だと思います。私たちが子供のころ、すなわち約半世紀前は日本でも自転車は貴重品でしょっちゅう手入れをしながら大事に乗ったものです。自転車の構造はすっかり頭に入り機械工学の初歩を実地で学び、それは今でも役に立っています。今回北京ではオートバイに箱をかぶせたようなのりものを沢山見かけました。二人乗りには十分で雨天を恐れずです。これはどんなに燃費の良い車よりもCO2の排出削減には有効だと思います。進歩とは線として伸びるのではなく面として広がるものであり、どちらが先か後かではなく、どちらがその時代の問題をうまくカバーしているかが本質的ではないでしょうか。
経済学の誤謬、
日本のGNPはもうすぐ中国に抜かれて世界第二の経済大国から第三位にずり落ちるなどという表現をよく聞きますが、それにどんな意味があるでしょうか。政府は病院の勤務医が激務なのに平均年収1,200万円では低すぎるので報酬額を引き上げる検討をしているようです。百年に一度の不況対策として国民に一時金が支給されましたがその効果はあったのでしょうか。以前インターネットでJALの株主割引というのが極端に安いので予約して飛行場に行き、株主でないと資格が無いことを初めて知り、泣く泣く普通切符を買った事を報告しましたがそのJALは今つぶれかかって政府に泣きついているではありませんか。経済を知らない経済学者、政治を知らない政治家、経営を知らない経営者が多すぎるのではないでしょうか。
まずGNPの意味をもう一度よく吟味しましょう。GNPが高くても軍事費の比率が高く、財政が赤字ならばそれは国民の生活を犠牲にして次世代につけを回していることに他なりません。仮にトルストイのイワンの馬鹿の国のように自給自足、軍備ゼロ、税金も無い国があるとしたらその国のGNPはゼロになるでしょう。GNPなどの数値はあくまでもひとつの指標であり大事なのはその中味です。GNPは低くても貧困、すなわち衣食住や医療、教育に事欠く人口が少ない国は実は豊かな国ではないでしょうか。
お金は便利なものですがそれはあくまでも生活の手段であると思います。しかし実際にはお金が目的化している場合が多いようです。泥棒や強盗はまさにお金が目的ですが、政府の予算分捕り合戦、企業経営者や勤務者もややもするとお金が手段から目的に変わってはいないでしょうか。長妻大臣は病院勤務医の激務に答えるため診療報酬を上げることを言明していますがそれは見当はずれだと思います。医者は一日24時間責任を問われる仕事がきついのですからその解決は診療報酬を増やすよりも医者の勤務時間を減らすことだと思います。そのためには医者の数を増やすことが解決の道だと思います。従来の医学教育は狭き門でかつ金がかかり過ぎるため医者の子供でないと行けない状況ですが、それは医学界の衰退につながるばかりでなく医者の家に生まれた人間の職業選択の自由を奪っていると思います。先日死体遺棄と殺人容疑で数年の逃亡生活の末に逮捕された市橋容疑者も両親が医者だそうです。本人は「医者にはなれませんでした」と供述しているそうです。医者の家に生まれたが両親の期待に応えられずに挫折した実例を私はいくつか聞いています。
手段から目的に変身したお金を物神といいますが経済学者、政治家、経営者、勤務者にいたるまで物神のために道を見失っているのではないでしょうか。
国の税収が40兆円しかないのであれば20兆円は国債の返還にまわし、残りの20兆円で事業予算を組むしかないのではないでしょうか。生活に困っているところを保障してやればそれでも経済が停滞する事はないと思います。なにしろ20兆円もの国債返還でお金が国民の手にもどるのですからこれが投資にまわって返って経済は成長すると思います。
豊かさとは何か
首相や国会議員その他の公僕の給料も財政規模に見合って半減すれば良いのです。インターネット時代には東京一極集中しなくても地方分散で政治、学問、事業、生活は十分できます。私の見る所では年収800万円もあれば十分生活は可能です。しかも今よりはるかに広い家に住んで。
豊かさとは何か今一度考えてみたらどうでしょうか。
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市吉 修
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二十一世紀を楽しく生きよう会
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