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送信日時: 2014921日日曜日 23:32

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件名: アベノミクスの検証 日本の貿易依存度

 

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アベノミクスの筋書きは正しいか

安倍氏自身がアベノミクスと称している安倍政権の経済政策はうまく行っているのでしょうか。第一に「異次元の金融緩和」、第二に財政出動、第三に成長戦略。異次元の金融緩和によって日本銀行が市中銀行から国債を買い取って市場に供給した通貨は各銀行の日本銀行口座に溜まっているだけで市場には出回っていません。それは上位100社が保有していた260兆円もの内部留保を考えれば最初から分かっていた事ではないでしょうか。国際通貨は当然ながら円安になりましたが、安倍氏等が主張していた輸出増加は起こらず、反対に輸入増加が起こって貿易赤字拡大しました。貿易赤字の原因は天然ガス等の化石燃料の輸入増であり、そのため電気料金が上がりました。

消費者物価もコストインフレで上がりましたが、これを安倍氏等はデフレ脱却と呼んでいます。春闘で賃金が一部の大企業では上がったようですが、全体としてはどうでしょうか。私達年金生活者にとっては過去の物価スライド制とかで支給が切り下げられ、かつ消費者物価が上がっているのですからダブルパンチです。消費税の引き上げは直接的には物価の人為的な引き上げに等しいと思います。消費税の引き上げによる税の増収が社会福祉に正しく使われているのか国民はよく監視する必要があると思います。

アベノミクスの第三の矢の成長戦略は私には全く分かりません。どなたか解説していただけませんか。

現在安倍政権が最重要課題としている「地方創生」、「女性が輝く社会」なるものも私には如何にも唐突な感じがしています。来年の統一地方選挙対策ではないでしょうか。

 

安倍政権の経済政策とは「アベノミクスにより円安になれば先ず輸出産業が伸び、その恵みが下請けに波及し「全国津々浦々に」及ぶ」というものですが、事は掛け声と違って期待された輸出は伸びず、逆に輸入増によるコストインフレが全国津々浦々に及んでいるのではないでしょうか。安倍氏の頭にある公式は「日本は貿易立国である。」という事のようです。これはおそらく多くの日本人の共通の認識だと思いますが、本当に正しいのでしょうか。

 

今日の東京新聞に福田邦夫氏(明治大学教授)が書いている記事「劣化する国家」によると日系自動車メーカの海外生産比率は64.2%, 日本の対外資産残高は800兆円だそうです。企業がGlobal化しているのだから日本はもはや貿易立国ではありません。現に昨年の貿易赤字137千億円に対して所得収支165千億円です。もはやGlobal経済、世界と一体化した日本ですね。日本の貿易依存度は28.4%(2012)で世界198ヶ国、地域の中で191番目だそうです。これに対して韓国は貿易依存度87.3%でありまさに貿易立国です。

福田氏の記事から判断するとアベノミクスは前提から間違っていると思います。

 

私は日本の貿易依存度がここまで低下している事に驚きましたが同時に喜んでもいます。半世紀前に日本が世界の殆どの国に対して輸出超過でJapan as No1なる本が売れていた頃日本は失業を輸出しているという外国の非難に心を痛めていましたので。今や日本は外国に雇用を輸出し、国際経済に多大な貢献をしているのですから喜んでいます。ただ海外に雇用が流失した分、国内の失業が生じ、実に日本的非正規雇用の増加による社会の格差が広がった事が問題です。その解決は安倍政権のように半世紀前の経済理論では既に時代遅れであり新たな経済理論が必要であると思います。皆様のお考えをお聞かせ下さい。

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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi

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