核兵器を無力化して平和を守る方法
市吉 修
2017-9-6,26
まえがき
核兵器はその運搬手段が無力化されれば兵器としての意味を失う。そこで何時でも何処でも発射されたミサイルの検知法を提案する。これは二個以上の衛星で警戒区域を常時観測しミサイルの発射を検知する方法である。ミサイルは噴出ガスが高温であるから赤外線カメラで衛星から取った画像でその位置が地表に投影された形で把握される。二個の異なる方向からの衛星画像によって二直線の交点としてその位置が特定できる。
1. 二衛星による飛翔体の瞬時位置検出
飛翔体の座標を r = (x, y, z)
衛星Aの位置を ra = (xa, ya, za),
その衛星画像で飛翔体が写っている地表の点A’の座標を Ra = (Xa, Ya, Za)
とし両者をむすぶvectorを a = ra - Ra
とする。
衛星B, についても同様にrb, Rb, b, を定義する。
すると飛翔体は次の二直線
直線AA’ ; ra + t・ a ( 0 < t < 1)
直線BB’ ; rb + u・ b ( 0 < u < 1)
の交点として求められる。
ra + t・ a = rb + u・ b
これを解いて
ta = (
rb- ra)・{ ( a x b ) x b
) } / { (a・b)・(a・b) - (a・a)・(b・b) }
ub = ( ra- rb)・{ (b x a ) x a ) } / { (a・b)・(a・b) - (a・a)・(b・b) }
但し a・bはvectorの内積、b x aは外積である。
これらを上のt, uに代入すると
r = ra + ta・a = rb + ub・ b
として飛翔体の位置を決定できる。
2. ミサイル位置検出システム
上記衛星は高速衛星通信回線により常時画像データを地球局に送信する。そのデータはミサイル迎撃システムに送られ上の方法でミサイルの位置が算出される。画像測定とミサイルの位置測定は頻繁に例えば秒単位で実行できる。
ミサイルの高度が航空機の成層圏飛行より十分高く、例えば30kmを越えればミサイルと判断し迎撃システムを起動する。
攻撃ミサイルの高度が十分大きくなると地上のレーダシステムでその位置と速度の測定が可能になる。例えば1500km遠方のミサイルの位置と速度を検知できるレーダシステムの設計例を下記URLに示す。http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/Nullify%20Nuclear%20Weapons%20Missile%20Systems.pdf
攻撃ミサイルが推進ロケットを停止してからは位置と速度データによりその軌道を正確に把握する事ができる。
3. ミサイル迎撃システム
ミサイル位置検出システムより提供されるミサイルの位置情報を元にミサイルの軌道を計算し、それに基づいて迎撃ミサイルを発射する。通信回線により常時提供されるミサイルの位置情報に基づき迎撃ミサイルの軌道を制御する。ある程度、例えば1km程度に近づくと迎撃ミサイルは標的ミサイルとの距離を縮めるように軌道を微調整する。迎撃ミサイルは攻撃ミサイルと並行しつつ距離を縮めて捕獲する。
4. 弾道ミサイルの破壊
攻撃ミサイルを捕獲してから迎撃ミサイルは可能ならばそのミサイルを発射した地点に送り返す。さもなければ宇宙空間で破壊する。例えば100km以上の高度で破壊すれば例え核爆発が起きたとしてもそのエネルギーは広大な範囲に拡散されるので核爆発の地上における影響は軽微なものとなる。
結論
核爆弾を運ぶミサイルを何時、何処から発射してもそれを検出、追跡して破壊する事ができれば核兵器の意味はなくなる。それは今日の衛星通信、赤外線写真、スーパー計算、及びロケットと軍事技術を駆使すれば、実現可能であろう。
本提案の早期実現により世界平和が保障される事を切望する。