表題を出してから長らくおまたせしました。 ぼちぼち追加していきたいと思います。
まずはタイトルの「BALANCER」とは何ぞや?
英和辞典ではやじろべえとか出ますが、似て非なるものです。 ひとまず「調整者」と申し上げておきましょう。 誰が何をどのように調整するのかは追々作中にて。
1.世界観
大きなところから行きます。 この世界には「大世界」という言葉があります。 読み方は、タイセイカイ、ダイセカイ。前者をよく使います。「全世界」とも言います。 我々の世界で言う「太陽系」に似た意味合いです。 ただこの系には惑星ではなく、五つの世界が存在します。 それぞれ、「天界」「魔界」「冥界」「海底界」、そして「地上界」。 各々概要をご紹介したいと思います。
でもちょっと待った、これらの世界に「名前」を付けたのは誰なのでしょう? 答えは地上人です。 いったいどういうことなのか?
はるか昔、まだ五つの世界の形がおぼろげであった頃、最初にその「特性」を発揮したのは地上人でした。
彼らは天を見上げ、まばゆい光の中に神を想いました。 夜気に包まれ、無限の闇の向こうに魔王の影を見ました。 魂を刈る冥府の使者を怖れ、水底に棲まう竜に航海の安全を祈り、自分達は何てちっぽけな存在なのかと地上人は考えます。
そして地上人は、これらの自分達を超越する存在に「名」を与え、「世界」を与えました。 それが他の四つの世界の始まりでした。
地上人があんまり恐れ敬うので、他の四世界の住人達は、次第に自分達が地上人より優れているのだと思い始めました。 地上人にさらに優位を見せつけようと、彼らはそれぞれに能力を磨いて行きます。 しかし、実はなぜ地上人がそれほどまでに自分達を崇めるのか、四世界の住人達には分かっていなかったのです。 ただただ「その気にさせられた」だけでした。
長い時が経ち、だんだん明らかになって来たことは、地上人が崇めているのは、他でもない地上人達自身が作り出した「偶像」だということでした。 彼らが見ていたのは、本物の「天界人」や「魔界人」とは少し違っていたのです。
しかし今更分かったところで、四世界の住人達は、わざわざ自分達が地上人と「変わらない」存在だと認めることはしませんでした。 そして地上人側の「間違い」を全て正すにも、あまりに地上は広過ぎました。地上界は他の四世界とは桁違いに大きな世界だったのです。
それに加え、歴史が育つに連れて、五つの世界は次第に行き来ができなくなりました。 「大世界」は少しずつ、常に形を変えています。 地上人の「定義」によって他の四世界の「違い」が明確になり、四世界の住人達がそれぞれの「役割」を意識し始めた時、世界そのものが大きく動いたのです。
大世界は、後に「光の意志」「闇の意志」と呼ばれるもので出来ています。
それらはその名の通り人間の「意志」と深く結びついており、その作用によって、世界が動いたと説明されるのです。
今では、五世界は明確に切り分けられ、それぞれの世界の間には「次元の奔流」と呼ばれる激しい力が渦巻き、隔てられています。
地上人の特性は、他ならぬ「想像力」。 「変化」の世界にあって研ぎ澄まされる「感性」は、他の四世界の住人には全く太刀打ちできません。
そういうことで、今日の大世界は地上人が設計したと言っても過言ではないのですが、地上人達にそんな大それた意識はありません。
彼らは今も「変わらず」神を崇め、闇にひれ伏し、死の使いを怖れ、海に祈りを捧げ続けています。
・・・といった感じで進んで行きますがどんなものでしょうか?? 次回は各「世界」の概要をご説明しようかと思います。
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