2004年1月31日 俳優の加藤道子さんが亡くなられた
加藤さんのライフワークとも言われた NHKのラジオドラマ「日曜名作座」で
私の短編シリーズが放送されたのは1999年3月から4月にかけてのことで
作者としてスタジオで加藤さんにお目にかかったのは その年の3月はじめの頃だった
ちょうど今年のように寒暖不順で とても春近しとはいえないような日だったのを覚えている
これは最終回の「数馬にて」の台本だが 小学生の女の子を含めて4役をやって下さり
しかも主人公のたみは二十代から五十代迄を あの七色と形容された声で見事に演じられた
相手役の森繁さんは ご長男を亡くされてすぐの頃だったので 加藤さんの心遣いはどこまでも優しく
収録が始まると二人っきりのスタジオ内で まるでお姉さんのように接していらっしゃったのを
つい先日のことのように思い出す
加藤道子さんとマイクの前で
収録前に原作本をお送りしたとき 流れるような文字でお礼の葉書を下さった加藤さん
お若いのだから頑張りなさいと 励ましてくださった加藤さん 本当にありがとうございました
お目にかかり お話できたあの日は 私の心の宝としていつまでも大事にいたします
合掌
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