今日のひとりごと


  7月20日
   ウソ  


まだ言葉を話せない幼児はともかくとして およそこの世の中にウソを言ったことがない

という人はいないのではないか と私は思っている

諺にも嘘の世の中というのがあるが 嘘はそれほどに人間の日常茶飯に取り入って

昔から幅をきかせてきた証拠なのかもしれない

子どもの頃 親からよく言われた言葉の中に 嘘つきは泥棒のはじまりというのがあった

嘘をつく人は仕舞いには泥棒になってしまうの意味だと 長いこと思っていたが

本当のところは 嘘をいうのが平気になれば盗みも恥ずかしくなくなるのだと 長じてから知った

やっと合点がいった 子ども心にも幾つかの嘘が泥棒に発展するとは思えなかったからだ


それがわかれば昨今の 存じません記憶にありません私は知りません等々

蛙のツラになんとやらの方たちの 平気で繰り返される嘘は それを公の場で言うことすら

なんとも思わなくなってしまっているのだから 推して知るべしなのだろう

それにしても現代は あまりにも嘘が多すぎる

大人も子どもも女も男も老若をとわず みんな盛んに嘘を言う

エープリルフールなんてもはやなんの意味ももたない

いっそ 正直の日なんてのを作った方が一日だけでも安穏と暮らせるような気がする


でも嘘が人を救うこともある オー・ヘンリー作「最後の一葉」はその最たるもの

美しくて優しくて悲しいけれど素晴らしい嘘 これは嘘も方便か?と親に聞いたほどだ

狼少年の例えは今でも少しこわい だから私はなるべく嘘はつかないように暮らしている