2003年 アルバム・ベスト10♪

2003年は80年代ブームもあって、確かにAOR系の音楽も話題にはなりました。
ベスト盤『Melodies』は全36曲、AORビギナーにも通にも楽しめる選曲でこの手の企画盤としてはかなり良い正統派AORアルバムでした。
ボズ・スキャッグスのジャズやマイケル・マクドナルドのモータウンと、ベテラン勢も年齢を重ねた故の素敵な解釈で新譜を届けてくれました。
しか〜し!「こんな凄いミュージシャン見っけ♪」という新しい感動を与えてくれる人が出て来ない。。。
アメリカ音楽の流行りや日本のレコード会社の方向性もあるのでしょうが、AOR企画盤は沢山出ているのにオリジナルAORの新譜がナイという矛盾した悲しい状況でした。
そんな中で、個人的にアメリカ以外のミュージシャンに目が向いたのは必然でしょうか。
いましたいました!素晴らしいミュージシャン達が♪
そんなワケで今年のマイ・ベストアルバム達は、ブラジルものを中心に様々な国から何とも楽しい選出となりました。
(なるべく今年発売のものから選びましたが、輸入盤のみアルバムも多いため今年やっとゲット出来た名盤も含みます。)

1 ジャヴァン 『AO VIVO』(99) 〜ブラジル〜
名曲「サムライ」で幕を開ける2枚組みのライヴ盤です。
この1曲目からいきなり会場は大合唱!ジャヴァンの甘く切なく魂を揺さぶるヴォーカルに涙が出そうだぁ♪
「AZUL」「ALIBI」「OSEANO」「ACAI」「FLOR DE LIS」「LILAS」・・・
あわわわ、24曲全てが名曲じゃないの!?凄い!!
時にブラスの効いたセンス良いアレンジで、時にメチャ上手いアコギ一本で歌うジャヴァン。そしてまたまた始まる大合唱♪
私は4回ジャヴァンのコンサートへ行っていますが、こんなライヴ盤を聴いていると青山のブルーノートで観たステージを思い出します。カッコ良すぎでした!
ちなみに郵便貯金ホールでのコンサートでは、嬉し過ぎて興奮した私は失神しそうになり慌てて救心を飲んだのでした。(笑)←ホント
実はライヴ盤はあまり聴かない私なのですが、このアルバムは本当に名盤です。

2 マックス・ヴィアーナ 『NO CALCADAO 』(03) 〜ブラジル〜
マックス・ヴィアーナは1位に輝いたジャヴァンの息子さんです。
ジャヴァン・ファミリー、ワン・ツー・フィニッシュだったわけですネ〜♪
正直に言って、ちょっと贔屓目のところもあります。(笑)
でもこの若さでこの作曲センスは末恐ろしい!
アメリカへの音楽留学のせいか、かなりアメリカよりのサウンドではあります。
それでもやはり生まれ育ったブラジルの香りはしっかり漂わせ、それを都会的なセンスで上手く包み込んだ楽曲は素晴らしいです。
お父さんが作りそうなメロも顔を覗かせ、思わず嬉しくなってしまいます♪
あとはヴォーカルがもう少し強くなれば言うことナイのですが、まだまだ若いのでこれからどこまで上手くなるか期待出来ますネ。
それぞれの曲コメントはこちらでどうぞ♪→(もっと知りたい!)

3 セルソ・フォンセカ 『NATURAL』(03) 〜ブラジル〜
上位3枚続けてブラジルもので、まるでブラジル音楽サイトみたいですネ。
でも良いものは良い!
それに、この3人は同じブラジルものでもそれぞれ個性が違います。
ジャヴァンはジャヴァン以外の何ものでもナイ音楽ですし、マックス君はまさにブラジルAORとして聴けます。
そしてこのセルソ・フォンセカはミスター・ニュー・ボサノバと呼んでしまいたい♪(笑)
1曲目の「BOM SINAL」が流れ出した途端、そのセンスの良さにKOされてしまいました。
とてもオーソドックスな作風でありながら、新鮮なメロディなのは凄いです!
セルソ・フォンセカのことはこのアルバムで初めて知ったのですが、早速過去のアルバムを買い漁ったのは言うまでもありません。(笑)
そしてどれもが素晴らしいアルバムであったことはもちろんです。
こちらから詳しいコメントをどうぞ♪→(もっと知りたい!)

4 ビル・カントス/マリ・ファルコン 『Embrace The Cross』(02) 
『WHO ARE YOU』(95)という素晴らしいAORアルバムを出しているビル・カントスが、もう一つの顔CCMとして届けてくれた何とも美しく繊細なアルバムです。
ピアノを中心としたシンプルなアレンジながら、主旋律や刻むフレーズは素晴らしい感性を感じます。
実は初めて聴いた時は「良いアルバムだなぁ♪」とは思ったものの、ここまで大好きになるとは思いませんでした。
聴けば聴くほど惹かれて行くようなアルバムなのです。
元々作曲センスは抜群だったので、ここでのメロディ・ラインも最高です。
しかも自分のAOR系アルバムとは微妙に作風を変えているところも凄いです。
歌詞にGodやHallelujahが次から次へと出てくるのは、クリスチャンでナイ人にはちょっと辛いですか?
いやいや、ここまで美しい楽曲が揃っているとそんなコトは問題ではナイでしょう。
私は小〜高とカトリック系の学校へ通っていましたが、キリスト教徒ではありません。
それでもこのアルバムは愛してしまいます。。。
癒されます♪
5 チャド・ボーハ 『SHOW ME THE WAY』(00) 〜フィリピン〜
この素晴らしいフィリピンのミュージシャンの名前は、CHAD BORJA…と書いて<チャド・ボーハ>と読みます。
クルージング・ミュージックさんのサイトで購入したのですが、そこでもカタカナ表記はしていなくて一体どう発音するのだろう?と気になっていました。
そこは研究熱心な私。。。
わざわざそれを知るために、、、知るためだけに、フィリピン・パブへ飲みに行ったのでしたぁ。(笑)
お店で1番カワイイおねえチャンに(うふ♪)聞いてみると、「チャドはフィリピンでは有名で、アーバンな洒落たサウンドをソフトに歌うミュージシャン」というコトでした。。。多分。(汗)
合間に意味不明の日本語が入るのでイマイチわからなかったけどぉ。(苦笑)
このアルバムでは英語タガログ語と曲によって歌い分けていますが、私はタガログ語の歌が特に気に入りました。
丁度1位に選んだジャヴァンが、ポルトガル語の響きに乗せて素敵な曲を歌っているのと同じ感覚で聴けました♪
実は自らもブラジル音楽を歌う日本人のYUTAKAや、『Truth&Tenderness』(91)という素敵なアルバムを出している女性ミュージシャンのバニー・ハル、そしてジェイ・グレイドンも曲作りに参加しています。
まさに最高のフィリピンAOR♪アルバムです。
6 ギルバート・オサリヴァン 『piano foreplay』(03) 〜イギリス〜
名曲「アローン・アゲイン」の切なさが帰って来た!
と、思わず涙が溢れるギルバート・オサリヴァンの新譜。
オープニングのからデビュー・アルバムの時の香りが漂っています。
つまり「アローン・アゲイン」や「クレア」が大ヒットする前、シンガー・ソング・ライターという言葉が一番似合う頃のメロディ♪
しかしこのは反則ですネ。(笑)
マイナーな曲はもちろんPOPなメジャー・コードの歌さえも聴いてるだけで泣けてきます。それは「悲しい、悲しい」と押し付けるようなもので無く、ふっと微笑みながら切ない表情を見せるような何とも胸に染み入る声なのです。
ギルバート・オサリヴァンのアルバムは新譜が出ると全て購入しています。
時にロック寄りのサウンドになったり変化はあるものの、このヴォーカルだけは不変です。そしてこのアルバムに関しては楽曲がどれも素晴らしいと来ています♪
興味の湧いた方はこちらからどうぞ♪→(もっと知りたい!)
7 ジェフ・ぺシェット 『Soul Reason』(02)
今年のアルバムベスト10で、もしかするとやっとAORらしいAORアルバムの登場かも知れません。
個人的には上位に挙げたブラジルものもAORとして聴いている部分があるのですが、世の中そうは見てくれないかもネ。(笑)
いわゆるAOR紹介本などでもこのアルバムなら全く問題ナイでしょう。
まず言えるコトはとても綺麗で洗練されたメロディ・ライン
ジェフ・ペシェットはかなりのメロディ・メーカーですネ。
決して斬新なコトをやっているワケではありません。けれどもツボを押さえた楽曲はハズレがありません。
それもそのはず、アル・ジャロウジョージ・ベンソンパティ・オースティン…などなど沢山のアーティストへ曲を提供しています。
そしてヴォーカルはどこまでもソフトメロウに♪ファルセットも良い感じ♪
アレンジは時折りフューチャーされるアコギの音がとても良い雰囲気を出しています。
フォーク系でなく、ブラックコンテンポラリー系のAORでのアコギ♪
かなりお洒落です。
8 エドウィン・モーゼス 『LOVE TURNS YOU UPSIDE DOWN』(03) 〜スペイン〜
スペインから届けられたアルバム・・・と言っても全曲英語で歌われています。
解説を読むとジャンルとしてはフリー・ソウルに入るらしいです。
実はどんな基準でフリー・ソウルなのか良く分かっていない私。(苦笑)
でも一言で表現すると「カッコイイ!」がピッタリのアルバムです♪
80年代、イギリスのブラック系を意識したバンドみたいな音です。
特徴は美しいストリングスとホーンを中心としたアレンジ。
スタカンっぽいところもあります。
そして1番近いのはブロウ・モンキーズ。そのDr.ロバーツ風ヴォーカルが、時折りファルセットになった時はかなり色っぽいです。
ちなみにこのエドウィン・モーゼスは個人名ではなくて、グループ名です。
こちらからもう少しコメントをどうぞ♪→(もっと知りたい!)
9 ジョルジ・ヴェルシロ 『LIVRE』(03) 〜ブラジル〜
ジョルジ・ベルシロは「白いジャヴァン」と言われているそうで、本国ブラジルではかなり人気のあるミュージシャンのようです。
確かに声や楽曲はジャヴァンと凄く似ています。
細かく言えば大地の匂いや魂に語りかける部分を削った分、POPにした感じでしょうか。
オープニング曲「MONALISA」はブラジルで大ヒットしました。
これ、売れ線の良いメロしています♪
ラストに(Meme's Disco Radio)として別アレンジでも歌っています。
ジャヴァンに影響されたのは確かかも知れませんが、とても素晴らしいメロディ・ラインを持っているミュージシャンであることは間違いありません。
ブラジル独特の伝統的な作風の楽曲も数曲歌っていますが、全体通して都会的な仕上がりのアルバムです。
全曲コード譜つき♪
10 ジェリー・ロペス 『NEGRITA』(02)
リッキー・マーティン・バンドのギタリストでキーボーディストでもあるジェリー・ロペス。
ラテン系らしく、いきなりオープニングから哀愁のラテン・ナンバー
ところが2曲目のバラードはまさに正統派AORで、そのバランスが良い個性になっています。
ヴォーカルも聴きやすい甘さがあって、ちょっとかすれた時が特に素敵かも。
良い意味で、80年代に戻ったような気持ちにさせてくれるアルバムです。
メロディ・メーカーとしてもなかなか♪
コード展開で言えば、1曲の中でのメジャーやメジャー7系からマイナーへの流れ、そしてバランスがとても良いです。

さて以上、2003年アルバム・ベスト10♪は今までにない多国籍な結果になりました。
そして本当に素晴らしいアルバムを沢山聴けて楽しい一年でした♪
さて、来年はどんな凄いアルバムが出てくるのか!?