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「研究員始動!」

  大学院はこの3月で学位が授与され、修了しましたが、4月からは同じ研究室で研究員として研究を続けることになりました。 条件はただ一つ、成果(論文)が出ることです。今月は頑張って下記2件の発表を行いました。

(1)第39回信頼性・保全性シンポジウムでの発表
 本シンポジウムは財団法人日本科学技術連盟主催で7月13日〜14日に日本教育会館で開催されました。私はセッション13信頼性・安全性管理3で「新聞報道による金融情報 システム事故情報の分析と改善への活用」という題で発表しました。
 内容の概要は下記のとおりです。
IT化の進展は人々の生活に多大な利便性を与えている反面,従来にはないタイプの事故や不具合,さらには犯罪行為を引き起こしている. この種の事故への対応としては,技術面での解決が基本であるが,市民の側でも自己防衛や未然防止のために事故についての最低限の情報や知識を有することが必要である. しかし,現状では充分に事故情報が市民に提供されているか否かは明かでない.特に,多くの人々にとって一番身近な情報提供メディアである新聞報道においても, 報道の必要性の判断や内容にはニュース性というフィルターがかかっており,利用者の立場にたった報道が適切に行われているか否かについて評価されていない. そこで本稿では,重要インフラの一つである金融情報システム事故に焦点を絞り,報道する側の判断である「ニュース性」と利用者側に立った判断である「事故の重大性」 とのズレの分析を行い,改善課題を報道側へ提言する.また,新聞報道による事故情報の活用例として金融情報システムのディペンダビリティ改善への重点事項を引き出す.
 


2009.7.14
発表中のばんちゃん

(2)第61回FTC(Fault Tolerant Computing)研究会での発表
 本研究会は、2009年7月16日〜18日に三重県奥伊勢で開催され、私も参加しました。 参加者約50名でいつもより少なめでした。不景気の影響か企業関係者が少なかったようです。 一日目はシャープ亀山工場の見学が行われました。二日目、三日目は、テスト品質、遅延故障テスト、非同期回路の設計とテスト、ディペンダビリティ、DFT、FTCの歴史など12件の発表が行われ、熱心な議論が行われました。 今回は私も「新聞報道に見る金融情報システム事故のディペンダビリティの視点に基づくトレンド分析」という題で発表しました。
内容の概要は下記のとおりです。
社会のインフラストラクチャーとして不可欠となっている情報システムのディペンダビリティについて,過去からのトレンドと現状を把握するために新聞報道によって事故事例をできるだけ広い観点から収集を行っている.本稿では金融情報システムに的を絞って,情報システム事故のトレンドを事故内容,事故の重大性,事故の原因(フォールト)などの観点から分析することにより,ディペンダビリティの現状を把握すると共に今後の改善への重点課題を引き出す.

2009.7.17
発表中のばんちゃん

2009.7.18
会場の近くの渓流
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(2009年7月28日)
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