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図書紹介:『はやぶさ、そうまでして君は 生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話』
本書は、小惑星「イトカワ」に着地して星のカケラを採取し、7年間の航海の末に地球に帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトの 貴重な記録である。著者はまさに本プロジェクトリーダ自身であり、はやぶさプロジェクトの発端から開発、打ち上げ、航海中の運営を プロジェクトリーダ自身がどのように考え、どのように決断し、行動したかを詳細に記している。そういう意味では研究プロジェクトにおける プロジェクトリーダのあり方、プロジェクト管理の在り方など研究プロジェクトに携わっている方には参考になる点が多々あると思われる。 以前に山根 一眞氏の『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』を紹介したが、それは外部の人がインタビューなどを通して外部の視点で描かれており、 それはそれで面白く、貴重な記録であったが、本書はそれとは違い内部、特にプロジェクトリーダ自身によって書かれたものであり、 別の意味で貴重な記録である。 著者が本書中で特に強調しているのは、プロジェクトの遂行で大事なことは「目標の共有」と「メンバの元気を維持すること」であると言っている。これはどのような プロジェクト、さらには組織でも同様であると思う。 |
(2011年4月1日) |
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