図書紹介:『和子  アルツハイマー病の妻と生きる  


本書は、元北海道の高校教師による、アルツハイマー病にかかった奥さん「和子さん」への介護記録である。 内容は、「若年性アルツハイマー病」と診断された1992年から執筆時の2001年まで期間について書かれている。 (それ以降は教え子たちによって開設されたホームページ上に逐次紹介されている。)

本書の内容は下記構成になっている。 本書に従って、和子さんの病状の進行と介護方法の推移をたどってみると概略下記の通りである。
なお、和子さんは大学で声楽を専攻し、恩師から「プロへの才能があったのでは」と言われたほどであったが、天職として高校の音楽教師の道を選んだ。 [コメント]
本書を読んで感じることは、まず第一に著者の献身的な介護である。著者は現役の仕事をもっていないとは言え、狭心症の持病をもっており、なかなかこれほどのことはできないと思う。第二にたくさんの教え子たちの素晴らしいサポートである。先生とは如何に素晴らしい仕事であるかを実感させてくれる。彼らたちのサポートなしには、これほどの介護は無理であったろうし、また本書もできなかったと思われる。 私もアルツハイマー病の母の介護を行っているが、本書は非常に参考になった。患者一人一人で症状、進行は異なると思われるが、一つの記録として非常に貴重である。
(2002年6月25日)

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