図書紹介:『元気が出る介護術』


著者は、特別擁護老人ホームで老人介護の仕事に携わった後、リハビリテーション大学校に入学、理学療養士(PT)の資格 を取得して、再び特別養護老人ホームで理学療養士としての勤務、その後「生活とリハビリ研究所」を主宰し、セミナー、講演、著作 活動など幅広く活躍中の老人介護の専門家である。

内容は、エッセイ風に書かれた11の話からなり、気楽に読めるが、その一つ一つは著者の実際の現場での老人との関わりの中 で得られた現場主義、現実主義で貫かれており、介護の本質を語っている。具体的には、介護とは何か、介護に携わる家族等の心構え、 患者の特徴、介護の現場で働く理学療養士(PT)/作業療法士(OT)/栄養管理士/寮母などの役割、看護と介護の違いなどが11の話 の中で分かり易く語られている。

私もアルツハイマー病の母親の介護をする身であるが、特に得心がいき、勇気づけられたいくつかの言葉を以下に紹介する。

[コメント]
著者は徹底した現場主義を貫いており、その経験から正しくないと思うことは、国の政策であっても歯に衣着せずに批判している。 著者は、「老人介護は創造力と想像力を駆使する面白い仕事だ」と言っている通り、老人介護に真正面から取り組んでおり、読む人 を元気づける。本書は、老人介護に関わるすべての人に役に立つ内容であると思う。
(2002年9月2日)

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