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介護レポート:2006年5月度
「食事も入浴も母の気分次第」

最近の母の心の状態は、(1)「ここはわたしの家ですから帰ってください」と大声で叫んでいる状態、(2)「お母さんの所に帰る」と言って荷物を抱えて出て行こうとする状態、(3)心が安定していて、編み物、お金数え、「私の人生」を読むことなどを行い、会話もできる状態のいずれかにあります。 介護者ができることは、(1)(2)の状態のときは危なくないように粘り強く見守ること、(3)の状態のときが一番望ましいのでできるだけその状態が長く続くように丁寧に対応すること、です。

今月の生活行動状況徘徊実績等
 今月の主な生活行動状況は下記の通りです。
徘徊:ちょっと買い物に行っている隙に門から外に出て行ってしまい、約3時間見つからなくなり、警察のお世話になった徘徊が1件ありました。しかし、無事見つかってほっとしています。
デイサービス:なし
食事:今月の食事成功率は過去最低の75%でした。その理由は、前月でも述べたように時間通りに食卓について食事をするという行動ができ難くなってきたためです。この傾向は大きくなっています。また朝、起きる時間が遅くなり、ヘルパーさんが来る9時半までに起きていないことが今月4回ありました。 このような場合、朝食を出したままにしてヘルパーさんに託しますが、殆どの場合食べません。しかし、2食分食べることもありますから、量的には不足していないと思います。
入浴:今月も先月同様6回でした。余りにも間が空く場合は気になりますので、機嫌の良い朝を利用して入浴を誘ってみましたら、成功しました。(5月29日)
編み物:今までと同様に編み物は続いています。
その他:最近、母の行動に二つのパターンがあります。一つは、介護者に向かって「ここは私の家ですから帰ってください」と大声で執拗に迫るケースです。これは、今居る家が自分の家だと分かっている状態の時です。 二つ目は、「お母さんの所に帰る」と言って家から出て行こうとするケースです。これは多分、今居る家は自分の家だとは分からない状態の時です。
私の対応は、最初のケースでは、余りにもひどくエスカレートしそうな場合は二階に行って1時間から2時間母の前から姿を消します。その後戻ると殆どの場合、前の状態はなくなっています。 二つ目のケースの場合、夜のときには玄関と縁側へ出る戸の鍵をかけてしまいます。そうすると母は靴を持って玄関と縁側へ出る戸の間を行ったり来たりしますが、仕方ないと思っています。夜に徘徊に付いて歩くことは危ないからです。

○今月の出来事:朝の入浴へチャレンジ
介護当番間の連絡用として連絡帳を作っていますが、その中から一つ紹介します。

5月29日(月) 担当:私
5:30起床。機嫌はまあまあ。着替えはせず、トイレに行った後、玄関に座って考え込んでいる。しばらくして「お父さんもお母さんも二人とも死んじゃった」と言いに来る。そのまま食卓につかせて朝食へ。 食事は完食。入浴は8日間入っていないのでもし可能ならばと思い、朝起きた時からお風呂を暖めてあり、チャンスを狙う。
食事後、母はいつも通り食器を持って台所に行き、食器洗いを行う。食器洗い後、母はいつも洗面所を通ってトイレに行くので私は洗面所で私の洗面をしながら母を待つ。 案の定、母は洗面所に来たので、「洗濯、洗濯」と言ってズボンを脱がそうとしたが、ズボンがお腹に引っかかって「痛いっ」と言って失敗。次のチャンスを待つ。
二回目に洗面所に来たとき、ズボンを履いたまま「こっち、こっち」と言ってお風呂場へ誘導。今度はうまくズボンなどが脱げた。後は自分で湯船に入った。湯船に入ってから独り言。 「あー、気持ちがいい。誰が(湯加減を)ちょうど良くしてくれたのだろう?分かった。きっとお母さんだ」 9日ぶりに入浴成功!

○髪を整える母(2006年5月11日撮影)

○パソコンに興味を持つ母(2006年5月24日撮影)

(2006年6月18日)
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