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介護レポート:2006年1月度
「母は88歳になりました」

母はこの1月1日で88歳になりました。初期のアルツハイマー病と診断されてから9年目になります。 今年も今までと同じやり方できょうだいやその配偶者の協力を得て介護をやっていきたいと思います。そして母が少しでも幸せと思える時間が作れればいいな、と思っています。

今月の生活行動状況徘徊実績等
 今月の主な生活行動状況は下記の通りです。
徘徊:今月は2回あり、1回は1時間でした。まだ、寒い中を1時間歩く元気は残っています。このくらいの徘徊はウエルカムです。
デイサービス:なし
食事:食事成功率は88%で問題なし。ただし、寝坊してヘルパさんが来る9:30までに起きず、朝食を食べなかったり、ヘルパさんに勧めてもらって食べたこともありました。
入浴:今月は週当たり2.5回で順調
編み物:女房に靴下の出だしまで編んだものを週3っ準備しておいてもらっています。母がどんどん編み進めてごちゃごちゃになり行き詰まったら、新しいものと交換します。
その他:母が食事以外の時間で行っている主な行動は、編み物、お金数え、「私の人生」を読む、歌を歌う、などです。

母が幸せそうなとき
最近の母は、「私を殺すと言っている」とか「愛子さんはバカだ」というような怖い幻聴が聞こえたり、大声で「私のお金を盗らないでくださいっ」とか「ここは私の家だから帰ってくださいっ」と怒鳴ることも多く、 介護していてもつらくなることもあります。しかし、その一方で、ときどき非常に穏やかで幸せそうなときもあります。そのようなときは私たち介護している者も救われる気持ちです。 今回は介護連絡帳のメモからそのようなときを拾ってみました。

・12月9日(当番 三女):交代後も良い穏やかな気分が続いている。ニコニコして昨日と別人のよう。昼食○。おいしい、おいしいを連発。 CDに合わせて歌いながら「私の人生」を見ている。部屋を整頓したり、昔送っていた静かな午後という感じ。夕飯○。夜になって良い気分は抜けたようだが、何となくすっきりしている。ただ、すぐに泣く。

・12月12日(当番 ヘルパさん):交代後、ベランダに出られましたが、「寒い、止めた。止めます。」と言ってベッドに座っていらっしゃいました。その後、コタツの側に来て「私の人生」に書かれている愛子という文字を探して私に「坂東愛子、と言うのよ。本当よ。」とお話して下さいました。 10:00頃からベッドで編み物を始めました。独り言を言いながら時々笑っていらっしゃいます。「出来た。愛子さん、100点満点。」と手を叩いていました。

・12月15日(当番 私):交代後、機嫌が良く、晩ご飯も全部食べ、食器洗いもOK。その後、部屋に戻り、ペギー葉山が歌っていたラ・ノビアの「偽りの愛を誓い、アベマリ〜ア」という歌を思い出したらしく、何回もうれしそうに歌う。立ち上がって指揮を取りながら行進し、10回以上も歌う。その序でに入浴もOK。9時頃就寝。

・2月7日(当番 私):交代時、機嫌が良かったので直ぐに昼食。その後も機嫌が良く、私がコタツでパソコンをいじっていると隣に座り、 編み物を開始。ときどきお金数え、「私の人生」をペラペラとめくってみる。会話も出る。
「私は北海道沙流群平取町大字荷負村で生まれたのですよ。(あなたは)どこで生まれたの?」
「東京都中野区江古田だよ」
「いいとこで生まれたね」
「北海道に帰りたい?」
「いや、全然帰りたくない。北海道は寒いから」
母は穏やかで幸せそうである。編み物に集中。
また会話。
「背、大きくなったね!昔は小さかったのに。どうして大きくなったの?」
「知りたい?」
「うん!知りたいっ」
「他の人に内緒だよ」
「うん、内緒にする」
「どうして大きくなったかと言うと、赤ん坊のときに、この人(母)の栄養たっぷりのおっぱいを沢山飲んだからだよ」
「えっ、あー、びっくりした」

一日の記録(その5)
今月は1月28日(土)について丸一日の行動および気分の変化を記録してみました。

注:下記記述の中で、気分(精神状態)のレベルを10段階で示しており、現状の母の通常状態をレベル0(L0)、一番良い状態をレベルプラス5(L+5)、一番悪い状態をレベルマイナス5(L-5)としました。 これは私が勝手に付けたレベルであり、各レベルの厳密な定義はしておらず、大まかな私の感じであり、大体下記の通りです。

・L+5:心が開いた状態であり、他人とコミュニケーションができ、こちらの言うこともある程度理解できる。
・L0 :母の通常の状態であり、幻聴が聞こえたとしてもそれに心を奪われることはなく、編み物などの自分のことができている状態。
・L-5:心が閉じた状態であり、幻聴が聞こえ、他人を全く寄せ付けない。この状態のときには食事などの日常生活行動はできない。
 
時刻 (レベル)気分、行動等
8:00 (L-3)起床。機嫌悪し。全く言うことを聞かず。着替えせず、お金を数え始める。
8:30 (L-3)再び寝る。
9:05 (L-3)起きてベッドに座る。セータをたたむ。再び寝る。
9:20 (L-3)起きる。着替えさせようとしたがダメ。大声で独り言。
9:25 (L-3)ヘルパさん来宅。ヘルパさんに状況を説明して交替。以下はヘルパさんのメモより。
9:30 (Lー3)交代時、ベッドの上でパジャマで歌を歌っていた。毛糸を巻きながら歌い続ける。カーディガンを勧めるが断られたので、ストーブ点火。大声で暴言続く。着替えの気配全くなし。
10:10 (L0)突然、ベッドから立ち「着替えますよ。」と行進を始めた。服を渡すと深々と礼をして着替えを始めた。パジャマの上から来ている。ストーブを消す。
10:30 (L0)ベッドの上で毛糸巻きを開始。暴言もなくなり、静かに独り言が続く。笑い声も出てくる。朝食を勧めるが、一人の世界に入っていて食べない。
11:25 (L0)ヘルパさんと交代。交代時、ベッドに座って小さい声で独り言や歌。
11:35 (L-3)昼食のベッド作戦開始。
11:40 (L-3)食べ始める。「寒いから」と言ってカーディガンを着る。結局、昼食はオイナリ2個、巻き寿司2個、押し寿司2個、串団子2個食べた。
13:05 (L+3)トイレへ(小)。戻ってから急に機嫌が良くなり、コタツに入る。お茶を飲む。
13:30 (L+5)機嫌が良くなり、編み物開始。
13:40 (L+3)ベッドへ戻る。
14:00 (L+3)ベッドから降りて編み物に集中。
14:30 (L-3)「愛子さんを殺す」モードへ。「(お金を)返せ」「バーカだ、バーカだ」
16:30 (L-3)お金数える。
17:00 (L-3)編み物をほどき始める。
18:00 (L-5)TVを見ていると大声で叫び出す。「早く帰りなさいっ」「ダメですよっ」
18:50 (L-5)毛布たたむ。
19:00 (L+5)毛糸を持って、どうしていいか分からない、と言ってくる。コタツに誘うと「暖かい」と言って喜ぶ。ついでに晩ご飯を勧めると「おいしい」といって食べ始める。結局、全部食べる。
19:30 (L+5)食後、食器洗いOK。その後、コタツで機嫌良く編み物を始める。
21:00 (L-3)編み物を急に止め、ほどき始める。機嫌悪くなる。
22:00 (L+3)毛糸巻きが終了し、機嫌が良くなる。パジャマの上に沢山着ていたものを全部脱いでパジャマのみにする。
22:30 (L+3)就寝
23:00 (L+5)私がまだパソコンをいじっているせいか、再び起きてきてコタツに入る。犬の縫いぐるみとおしゃべり。
23:30 (L0)「お母さんのところに行く」と言って外に出ようとする。
1:00 (L0)就寝

上記表を時間軸上で図化したもの⇒1月28日(木)一日の記録
 
○一日記録の分析
@この日の平均レベル:マイナス0.55
Aこの日の内訳(就寝時間を除く):Lプラス→295分(29%)、L0→175分(17%)、
Lマイナス→550分(54%)


○上機嫌の母(2006年1月29日撮影)

○テディベアとおしゃべりする母  (2006年1月29日撮影)

○母の食事を見守る動物たち(2006年2月2日撮影)

○母の食事を見守る動物たち  (2006年2月2日撮影)

(2006年2月16日)
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