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介護レポート:2005年2月度
「『而今』(じこん=ただ今を生きる)のサポートが介護の真髄」

今月は久しぶりに徘徊が多く、8回、合計215分と昨年9月以来の多さであった。⇒徘徊実績
原因はよく分かりませんが、少なくとも体調は悪くなく、 足もそれ程衰えていないので可能であったと思います。この程度は体力維持を考えれば問題ではないと思います。ただし、身の危険だけは見守って上げる必要があります。
デイサービスも11回中6回とまあまあです。本人は進んで行っているわけではありませんが、行けば行ったなりにプログラムに参加しているようですから メリットはあります。ただ、デイサービスの職員の皆様には結構迷惑をおかけしているとは思います。しかし、よくやって頂いており、感謝しています。

2月23日放送のNHK・クローズアップ現代「老いて華やぐ〜作家・水上勉のメッセージ〜」を見ました。 作家・水上勉さんは昨年85歳で亡くなりましたが、あとには水上さんが晩年の心境を語った30時間をこす録音テープが残されていたそうです。 番組ではこれらのテープを軸に晩年の作家と親交のあったお坊さんらとの話しを交え、水上さんが何を支えとして、どう「老い」に向き合ったのかをひもといています。 水上さんは70歳を過ぎてから脳梗塞などの病気にかかり、うつ病にもなり、大変な時期を送ったようです。やがて、「而今」(じこん=ただ今を生きる)という境地に達したそうです。 食事のときは食事をする、散歩のときは散歩をする、それが生きること、命の発露であるというのです。 この話から思ったことは、母のように認知症の人は正にこの「而今」、即ち「ただ今を生きる」しかない。過去の記憶は忘れ、将来のことも考える力がなくなっているわけですから、今を生きるしかないのです。 これはまさにこの「而今」と通じる、と思いました。そして介護をするということは、この「而今」という生き方が できるように支えてあげることだと思います。
母が今を心楽しく、心優しく、感謝に満ちて、精一杯、今を生きられるように支えてあげたいと思います。
 

○朝食中の母  (2005年3月4日撮影)

(2005年3月4日)
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