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介護レポート:2004年12月度
「母の年末年始」

今月、徘徊は殆どなくなり、1回15分のみでした。なぜ減ったかよく分かりませんが、歩けなくなった訳では有りません。その証拠に、ときどき二階への上り下りをしたり、玄関から10m位離れた門まで新聞を取りに行ったり、食事毎に台所で立ちっぱなしで食器洗いをするなどができています。 しかし、30分程度の徘徊なら足の弱体化防止のためにもっと行ってもいいのに、なんて勝手なことを考えたりしています。

デイサービスは12回中、8回行きましたのでまだ頑張れるようです。(徘徊実績参照)
それにしても行くか行かないかは、ヘルパーさんが迎えに来たそのときの気分次第であり、コントロールは難しいです。 まさに山登りで分水嶺を歩いていて、そのときに風がどちらに吹くかによって右へ行くか左に行くかが決まるようなものです。ヘルパさんが来たときに発する母の最初の一声で殆ど決まり、「行かないっ!」と言ったらもう駄目です。 最近はヘルパさんも分かってきたらしく、迂闊には声を掛けず、玄関でそっと待って間合いを計っています。まさに相撲の立会い、剣道の間合い、一瞬の真剣勝負の心境です。

私たちは介護当番の引継ぎのために「介護なんでも帳」というノートを置いてあり、気のついたことを何でも書いています。それを読むと母の気持ちがしょっちゅう変わっていることがよく分かります。一例を下記に紹介します。
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[12月2日(木)]
泊り〜9時:妹(三女)
朝からてこずる。しかし、トイレから戻ったら突然気分が変わり、機嫌が良くなった。
9時〜11時:ヘルパさん
訪問時からご機嫌良く、「瀬戸の花嫁」を聞いたり、ひ孫の写真を見たりしていました。9:50頃から本格的に幻聴の世界に入りましたが、時々こちらに話かけられます。ご機嫌は悪くありません。
11時〜泊まり:妹(次女)
着いたときにはヘルパさんとお話をしているのが聞こえたので調子が良いと思いながら入ったら、やはり気分良くヘルパさんとお話をしていた。昼食は早目の11:20頃に。途中、休みはしたが全部食べました。午後は殆ど自分の世界。夕食前には気分も戻り、夕食もバッチリ。歌もうたいながら機嫌も良く、8時頃ベッドへ。
[12月3日(金)]
泊まり〜10時:妹(次女)
7時前起床。食事OK。機嫌も良いが、ヘルパさんが来られるときに急に気分が変わってしまいそう。
10時〜泊まり:幸一
結局、デイサービスには行かなかった。調子は良かったが、そのときの気分で行かなかったようだ。10時少し前に妹と交代。調子は良い。  晩御飯、食器洗い、入浴OK。その後、幻聴が聞こえるらしく「愛子さん」と誰かが呼んでいると言ってパジャマのままで門まで出て行った。門に少したたずんだ後、戻ってきた。私は楽しみにしていた「スパイダーマン」を見ていると火事の場面で「大変だ、危ない」と言ってコンセントを抜いてしまった。見るのを諦める。11時半就寝。
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大晦日には、昨年と同様に女房が準備してくれたおせち料理セットを母と一緒に重箱やお皿に詰め合わせました。母は私が指示するとおりに楽しそうに一生懸命に詰めました。全部詰め終わると非常に疲れた様子でコタツで休みました。大晦日の夜は詰め合わせたおせち料理をお膳に並べて母と一緒に食べました。大晦日におせち料理を食べるのは北海道流です。母は「こんなすごいご馳走は生まれて初めてだ」言ってもりもり食べました。テレビは 紅白歌合戦をみました。格闘技も見たかったけれど母の気分が悪い方向に変わるのでやめました。

元旦も母は機嫌が良く、女房が準備してくれた材料でお雑煮を作って食べました。1月1日は母の誕生日であり、87歳になりました。
  私「お誕生日おめでとう」
  母「何歳だっけ?」
  私「87歳だよ」
  母「もうそんなに歳をとったのかい」
などと話しました。昨年の元旦は2時間の徘徊に付き合わされたことに比べると非常に穏やかなお正月を迎えることができました。 今年1年もこの調子でいけますようにと心の中で祈りました。

○大晦日の母  (2004年12月31日撮影)

 一生懸命におせち料理を詰める母(私が隣で一つ一つ指示しています)
 おせち料理を食べる母                「こんなにおいしいのは生まれて初めて!」

○お正月の母  (2005年1月1日撮影)

 お餅を焼く母                      きな粉餅を作る母
 新年の挨拶  元旦は母87歳の誕生日

(2005年1月5日)

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