院 長 ブ ロ グ



2014年4月 8日 火曜日

兵庫工業高校 入学式 祝辞 H26.4.8
平成26年4月8日
皆さん、今日は。本日は御入学誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。
日本の大空は我が国土、豊か葦原の瑞穂の国を覆い、春風は大輪田の泊の汐の香りを運び、 春爛漫の校庭には花色も優しく色鮮やかに桜花は咲き誇り、今日の佳き日に、 新入生の皆様方を御迎え出来る事、喜び一入であります。
今日に至る迄御父兄の皆様方に於かれましては大変御苦労様でございました。
貴方方は立派にお子様を御養育されました。この百有余年の歴史ある県工に入学された事は紛れもなく、 その事実を物語っております。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長の大役を仰せつかっております 高校18回化学科を卒業致しました冨金原伸伍でございます。
我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として建築、機械の2学科、 生徒数65名をもって開校致しました。その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、 大正10年土木科、戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。
更に時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、 62年には情報技術科を新設し現在では8学科を有する全国でも有数なる工業高校として発展し君臨して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は33,046名からなる大同窓会であります。
組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。
このように112年の伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、 三年後、今日御入学された320名の皆さん方全員の御入会を大いに御期待致しております。
新入生の皆様方は今日より県工健児として、三歳の間当校で学ばれますが、 この学校を選ばれた理由目的は個々夫々に異なるものがあろうかと思います。
同床異夢というのでしょうか、同じ学窓に身を置きながらも見る夢は異なるという意味であり、 行動を共にしながらも意見や考え方が違うという事でもあります。
然しながら県工という同じ船に乗ったからには3年後の卒業のその日迄 互いに励まし合い、助け合い、苦楽を共にしながら、 又、喜怒哀楽という人間のさまざまな感情や経験を経糸に、 そして緯糸に縦横無尽に操り乍ら美しい綾織物を織って下さい。
時には金糸銀糸も混じえ栄光ある輝かしい誉を織り込んで欲しく思います。
皆さん方が思う3年間は気の遠くなる程の長い道程に感じておられるかも知れませんが、 このひと時は今しか存在しないひと時であります。二度と同じ時を過ごし経験することは出来ません。
今を生きる事の重要さを咬み締めて欲しく思います。   
     今日の一滴の汗が貴方の将来を支えるであろうか、今の君にはあまり理解出来ないと思います。 今日の少しの努力が未来の君の大きな基礎になるであろう事を今の君には余り実感出来ない事と思います。
然し、この3年間で学ぶ事は、学んだ分だけ君の未来に花を添える事になろうかと思います。 一雫の汗は決して君を裏切らない!!
一片の学問も学んだ事は君を決して裏切らない!!
善き経験も悪しき経験も何一つ無駄なことはなく、それらを否定する事無く全てを容認して、 貪欲に飲み込み血となし、肉となして、スケールの大きな人物になるように目指して欲しく思います。
「無欲は大欲に似たり」という諺があります。
余りにも大きな欲望は大き過ぎて人知の知り及ばないものだから一見何も欲していないように見え、 無欲恬淡としているように見えるものであります。
一生涯かけても成就出来ないような大きな目標を掲げて歩む事が肝心なところであります。
目標をしっかりと掲げたらその目標に向かって一歩一歩地歩を固めて進むべし。
疎かにせず確実に進もう。たとえ山があろうと谷があろうと、将又川があろうと、 只々ひたすらに無我夢中、一心不乱になって没頭しよう。
そうすれば目標の100は無理としてもその中の10とか20とか、 或いはそれ以上の成果は必ず得る事は出来るはずであります。
目標を決めたらその時その時の世の中、時世に心を惑わされる事なく脇目もふらずに 信じた道を歩んで欲しく思います。たとえ世間がなんと云おうとも!!
そして願わくば王陽明の説く「認識と実践を一致させよ!!」という知行合一を踏襲して欲しく思います。
知る事は行う事と一致して初めて知った事になります。
学んでも行動を起こさず理屈を述べているだけでは知らぬ事と同じであるという意味であります。
 県工時代に多くのことを学ぼう!! 
 そして学んだ事を行動に移そう!!
学んで行う又楽しからずやの精神で学生生活を大いに楽しんで下さい。
又、有意義な県工時代を築かれん事を心より祈念致しまして私からの御祝辞とさせて頂きます。
 本日は誠におめでとうございます。



2014年3月 7日 金曜日

H.26年2月25日 兵庫工業高校卒業式 祝辞
平成26年2月25日
皆さんお早うございます。
本日は御卒業誠におめでとうございます。衷心より御祝い申し上げます。
又、今日に至る迄長い間、教職員の皆様方、御父兄の皆様方並びに 関係各位の皆様方本当に御苦労様でございました。
高い席からではございますが心より御喜び申し上げます。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長の大役を仰せつかっております 高校18回化学科を卒業致しました冨金原伸伍でございます。
我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として 建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校致しました。
その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、 戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。
更に時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、 62年には情報技術科を新設し現在では8学科、960名を有する 全国でも有数なる工業高校として発展し君臨して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は33,046名からなる大同窓会であります。
組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。
このように112年の輝ける伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、 本日御卒業の277名の方々が御入会して頂ける事心より嬉しく、又心強く思います。
皆さん方は今日より県工を巣立って行かれます。
長いようでもあっという間の3年間であったと思います。
光陰矢の如しとは此の様な事を云うのでしょう。
然し、この3年間は大変貴重な時期であり、大きな基礎を作るうえに於いて重要な期間でありました。
皆さん方は今あまり気付かず実感が少ないと思いますが、 卒業後多くの歳月を経るに従い学生時代の素晴らしさが思い出されてくる事と思います。
3年間という短期間の中に多くの事を学ぶ事は出来ません。
然し、この時に培った経験とか知識は計り知れないものがあります。
例えば林檎の種子一粒は非常に小さなものであり、一見なんの価値も無いように思われます。
この小さな種子から何かを見出そうとするのは非常に難しく思います。
然し乍らこの何の変哲も無い見過ごされてしまいそうな種子の中には無数の枝葉が存在し、 無数の果実が詰まっております。又、太く大きな大木も秘められております。
数十年間も生長をし続ける偉大な生命力が潜在しております。
比の一粒の種子の中に林檎のすべてが凝縮されている事実を 今一度一顧だにしてみるのも価値があることだと思います。
県工で学ばれたことは小さな事であってもこの3年間で得た種子を持って 学校を巣立って行かれる皆さんに声を大にしてエールを送りたい。大きな拍手で送りたいと思います。
本校で得た一粒の種子を 粗末に扱うなよ。
愛情の肥やしを入れよ。
知識の水を与えよ。
太陽のような熱き情熱を注げよ。
目的達成の為には燃え上がる情熱と無欲と無心が必要不可欠であり それらが整うと奇跡が起こるであろう。
林檎の種子が大樹に育ち何時の日かきっと君の志に答えて、 美味なる果実を齎すだろう。
人によって夫々の違った種子を植える事になろうかと思います。
桃栗を植えれば3年後に果実が期待されるであろう。
柿を植えた者は、8年後を待たなくてはならない。
梨の馬鹿野郎19年とか言っていた仙台の知人を思い出しました。
成果を急ぐなよ、早稲は小粒、早成りは小粒といわれる所以であります。
じっくりと年輪を蓄えて、大器晩成を願いたく思います。
老子は云う大きな器は早くは完成しないと。
急がずゆっくりと地歩を固め乍ら目的を見失わず進もう。
蹞歩不休破鼈も千里の如く、足の悪い鼈が陸に上っても休まず進むなれば 何時の日か千里を行くという故事であります。
血統の良いサラブレッドとして生を受けた者は扨て置くとして、 サラブレッドに生まれなかった事を恨むなよ、破鼈も千里を行くの例えの如く 努力次第で千里先の目的地に達することが出来るのだから。
急ぐな!! 只只努力あるのみであると思います。
艱難辛苦をものともせず、自分の信じた道を歩もう。
自ら省みて縮くんば千万人と雖も吾往かん 自ら省みて正しければ敵対者や反対者がどんなに多くとも恐れることなく 自分が信ずる道を進もうという意味であります。
県工健児よ、県工魂で人生の栄冠に輝けることを切に切に祈念して私からの御祝辞にかえさせて頂きます。
本日は誠におめでとうございます。








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