「たかがいびき、されどいびき」

何となくユーモラスな響きをもつ言葉「いびき」。家族のいびきに閉口している人はいませんか? そのいびき、うるさいでしょうが、もう少し注意して聞いてみてください。大きないびきの後に、 突然静まりかえって、十数秒息が止まったかと思うと、ググググッ、ガガーといっていませんか? もし、そうなら無視できません。最近、注目されている「睡眠時無呼吸症候群」(単位時間あたりの無呼吸、低換気の回数[AHI]が5ー20回/時間以上)です。特に、太った中年男性に多く見られ、お酒を飲んだり、睡眠薬を服用した場合、さらに症状がひどくなります。この病気は慢性的な睡眠障害をまねくだけでなく、無呼吸のために血液中の炭酸ガス濃度が高くなります。その結果として心不全、心筋梗塞、脳血管障害などの要因にもなります。最悪の場合、突然死を引き起こす可能性もあります。

睡眠時無呼吸症候群の性格
特に高齢者では、長期間にわたり睡眠障害を受けた場合は、感情が平坦化、周囲への興味や関心の低下などがみられ無頓着、のんき、きさくという性格特徴が見られます。小児では成人の場合と比較して、居眠りや眠気を訴えることは少なく、昼間の眠気が情緒不安定、落ち着きの無さ、学業成績の低下として現れやすい特徴があります。

自分でできるいびき対策
1、横向に寝る(うつぶせは、最近赤ん坊で突然死との関連で問題視されており、推奨できません)
2、枕の高さをいろいろ変えてみる
3、寝酒をやめる
4、体重を減らす
5、過労を避ける
6、鼻づまりを治療する
    *口にテープを張るのは窒息の恐れがあり勧められません。
7、睡眠薬、鎮痛剤の使用を避ける

いびきの治療
大人の場合
1、寝ている間に口で呼吸しないように、寝る前に鼻の通りをよくする点鼻液を使う
2、息の止まる人には、二酸化炭素を追い出す薬を使う    
3、鼻の通りをよくする手術(鼻中隔矯正術、下甲介切除術)
4、口蓋扁桃(俗にいう扁桃腺)をとり、長い口蓋垂を短くし、粘膜を縫合する手術
   (口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)

子どもの場合(8歳以下)
    アデノイド切除術と口蓋扁桃出術

いびきは、周りに迷惑をかけるだけでなく、自分の健康にもよくありません
いびきの害は真綿で首を絞めるように体を侵します
いびきをかく人は、睡眠中に呼吸が止まっていないか、家族にチェックしてもらうことが大切です