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陸特急撮影のメッカ“新疋田” 2006年8月13日
 

「新疋田」・・・まさか自分がこの地に立つとは・・・
そう、ここは鉄道カメラファンのメッカなのです。
ループ線、特急街道と好撮影地の理由はいくつかありますが
なんと言ってもそのロケーションの素晴らしさが一番でしょう。
駅から歩いて行ける距離であり画角の中に建物などの余計なものが入り込まず
適度なカーブにより編成全体を収めることができるのです。
とは言えそんなポイントは争奪戦が激しく倍率は相当低いのです。
現にこの日も踏み切りのカーブ周辺は多くの撮影者で満席、
駅周辺での撮影に甘んじてしまったのです。
しかしここは大阪、中京から北陸への輸送を担う特急街道、
ひっきりなしに優等列車が通過して行く様はそうそう見られるものではありません。
大阪からの“サンダーバード”“雷鳥”が1時間に2往復、名古屋からの“しらさぎ”が
1時間に2往復、その合間を縫って寝台特急の“トワイライト・エクスプレス”“日本海”
寝台電車の急行“きたぐに”と特急街道の名に恥じない運転本数を誇ります。
しかし“通”はここを走る普通列車に喜びを覚えるかもしれませんね。
兎にも角にも撮影は初心者のあたくしめ、これだけの本数があれば練習にもなるだろうと
盆休みに行った京都旅行のついでに立ち寄ってみました。
初めての走る列車の撮影ですので見苦しい写真ばかりではありますが
記念すべき新疋田デビューとして記録に残させていただきました。

下りのトワイライトに時間を合わせ余裕を持って京都駅に向かいました。
が、時刻表を何気に確認していると"なは・あかつき”が到着するではないですか!
あわてて下り側ホーム端に向かいカメラを準備していると遠くから近づいてくる青いEL・・・
はやっ 設定も何も無い、オートでとにかくシャッターを切りまくる。
しかし無常にも情けないくらいひどい絵・・・
この列車に明かり区間でせっかく出会えたのに・・・
もう少し時刻表とにらめっこしとけばと後悔。
しかし“なは・あかつき”の動く姿を見る事が出来て少し幸せなひとときなのでした。
 

この撮影のせいで乗るはずだった新快速には乗れませんでしたがひとつ後でも
十分に間に合うように予定は組んである、2番ホームで米原行きを待つも待ち人現れず・・・
慌てて時刻表を確認すると土・休日運休・・・次の新快速はと時刻表をめくると敦賀行きの普通には
間に合わない事が判明、とにかく乗ってから考えようと来た新快速に乗り込む。
さすがは盆休みの繁忙期、座ることは出来ず立ったまま時刻表とにらめっこ。
今度は休日運休や臨時にだまされまいと何度も何度も確かめ行程を組むとこの列車の終点長浜まで行き
そこから“しらさぎ”で敦賀まで乗り普通で引き返すのがベストの模様。
しかしこの“しらさぎ”がJR-Wが泣いて喜びそうなくらいの大繁盛でデッキに乗り込むのが精一杯、
出入りドアにへばりついたまま敦賀に向かう事になってしまった。
非常に辛い姿勢で23分を過ごしこれで特急料金を払わなかればならぬのか?
ブルトレとは違う立席特急券があってもいいのではと思わせるくらいのひどい混雑なのでした。
そうこう思っている間に敦賀に到着、まずは10:36に入ってくる“トワイライト・エクスプレス”を迎えよう。
 

1989年に走り始めたこのトワイライトも17年を向かえ定着した感がありますね。
しかしいくら改造しても所詮は24系、スシに至っては459系の改造車で張りぼてに見えて仕方ない。
とは言え一度は乗ってみたい列車なのですが・・・

トワイライトはここ敦賀で16分の停車を取り10:52の発車、これから乗る普通は10:49発と一足先に
新疋田に向かうのです。 敦賀まで来たお陰で同じトワイライトに場所を変えて2度見ることになるわけです。

583系を種車とした419系に乗り新疋田に向かう、敦賀を出てほどなく上り線は下り線をオーバークロスして
ループへと向かう。 当然だが普通に乗っている限りではループ線を走っているという間隔はまったくない。
 

新疋田に降りて最初に迎えてくれたのがこのお父さん、ここに来られた方の多くはご存知のはず。
撮影に来た鉄道ファンに親しく話しかけ暖かく見守る。
時々危ない所で撮影をする人がいるのでその監視もしているのだそうな。
鉄道が好きでその鉄道をとりまく人達も好きなようで運転士、車掌とも顔見知り。
この日も貨物や普通の運転士と親しく話しておりました。
 

敦賀駅で見たトワイライトが新疋田駅を通過して行く。
真夏の日差しの中でもダークグリーンの車体カラーは撮影が難しい・・・
札幌からの長かった道のりもあとわずか、大阪へラストスパート。
 

ホームから上り方には上下線別々のトンネルがぽっかりと口を開けている。
トンネルの中は随分涼しいのでしょう、列車が出る前兆現象として白い霧がふわっと出てくる。
その前に踏切がカンカンと知らせてくれるは上下線の矢印は出るはで撮影をアシストしてくれる。
特に今回のように盆休みの臨時列車があったりダイヤが狂った時なんかは時刻表どおりに
列車が来てくれる保障はないので随分助かった。
実際この日も下りは遅れ気味のダイヤでした。
 

上りサンダーバードを待避するEF81-37。
盆の為かこの日に見た貨物はこの列車のみ、積荷もかなり少なかった。
平日であったらEF510(レッドサンダー)を見る事ができたかもしれない。

新疋田を走る普通列車は他ではなかなか見る事ができないレアな車両だ。
 

まずはこの419系電車。 種車はかつて栄華を誇った寝台特急電車の583系。
新幹線の延伸、高速道路網の充実、航空への移行もあって寝台列車の需要は急降下、
583系の活躍する場がなくなったものの交直両用電車という高価な設備を持っていたので
普通電車への改造が行われた。他に仙台、九州地区で見られたがついにここ北陸本線の
デッドセクションのみとなってしまった。 この北陸本線も2006年秋には敦賀までを直流化する為
敦賀-福井間を走ることになるのだろう。 しかし腐っても元特急列車、乗り心地は115系とは
比べ物にならない。さすがはエアサス。
こちらの先頭車は特急顔をしておりやたら立派だがモハやクハを先頭化した車両はなんとも・・・
3段寝台を収める為に車両限界いっぱいに断面積をとってありそのでかい顔に103系に似た
運転台を付けたものだから見事な食パン顔に(それもイギリスパン)なって異彩を放っている。
 

次も由緒正しい国鉄急行型の455系電車。
こちらも交直両用ということが幸いして老朽化しているにもかかわらず現役。
この車両も2006年秋の直流化でこの区間からは姿を消し秋からはアーバンネットワーク直通の
223系新快速と区間運行のクモハ125系へと世代交代していくのでしょう。
 

北陸本線の顔と言えばこの683系サンダーバードでしょう。
485系雷鳥の置き換えとしてデビューした車両で最高速度は160km/hを誇り
北越急行線では同型のはくたかが160km/h走行をおこなっている。
北陸本線では湖西線と北陸トンネルで130km/h走行しているに過ぎず性能をもてあまし気味。
 

こちらは683系の増備車である685系しらさぎ。
型式が変わっているので増備というよりマイナーチェンジと言った方が正しいかもしれない。
変更された箇所は外観ではライトがケースに入りこんびねーしょん化され連結器が露出しそれにあわせ
スカートの形状も変わった。何より鋼鈑製からアルミボディに変わっている。
性能面では160km/h走行を行わない事からブレーキがデチューンされている。
と言ったところか・・・
マスクが精悍になり583系が余計に間抜け顔に見える。
 

今回カメラに収めたかったのがこの485系雷鳥。
デビュー当時の国鉄カラーを堅持してきたこの雷鳥も685系への置き換えが迫ってきた。
ひとつ便を遅らせてでもサンダーバードに乗るという利用者が多いのを見ても置き換えは急務であろう。
こんなポンコツが走るのを喜んでいるのは鉄道ファンだけ、それも乗るならサンダーバードだったりして・・・
サンダーバードがデビューするまでは雷鳥もアコモ改善を試みた時代がありその名残がこの先頭車。
 

スーパー雷鳥時代にサロ489やサハ481にパノラマ付き運転台を付け2+1座席にしたもの。
グリーン車なのでおいそれと乗れるわけではないが前面展望は魅力がある。
683系サンダーバードがデビューした時にしらさぎへ転換したがしらさぎも685系に置換されたので
再び雷鳥への運用となった。 雷鳥が廃止されたらこのクロだけは北近畿特急へ使われるかもしれない。

一通り撮り終えて長浜行きの普通を待っていると踏み切りの警報機が鳴り始め
最後に1枚撮ってみるかとのんびりカメラの準備をするとトンネルから出てきたのは・・・
 

なんとボンネット!
すでに雷鳥の運用から離れており、たまに臨時で運転するものの狙って撮れるものではないので
まったく頭に無かったのですが最後の最後に運良く走る姿を見る事ができました。
いきなり表われたので慌てたというものではなくカメラの設定はそのままにシャッターを切ったので
ボロボロの写真になってしまった。
でも締めくくりとしては最高の演出をしてくれたJR-Wに感謝。
そして419系食パンに乗って新疋田を後にしたのでした。


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