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さらば寝台特急「あさかぜ」
初代ブルートレイン「あさかぜ」が2005年3月1日のダイヤ改正で廃止が決定しました。
新幹線が完全にカバーしている東京-下関間を平行して走る「あさかぜ」の廃止は
遅すぎた廃止なのかもしれません。
今回は惜別の思いを込めて岩国駅からの立席特急券で「あさかぜ」に乗車してみました。
 
ほとんどの寝台特急は夜が明けてから終点までの区間の
昼行特急としての役割をもっている。
つまりその区間は「立席特急券」という特急料金と同等の
料金を払えば乗車することができるのです。
「あさかぜ」は岩国駅からがそれにあたり乗車券に
約2000円を足せば寝台席を利用出来るのである。
5:50の始発に乗り「あさかぜ」を捕まえる事にする。
岩国に到着したのは6:34で白々と夜が明けてきた。
「あさかぜ」は7:16にやってくるのでコーヒーをすすりながら
待つのでありました。
途中「EF65」の引くカラの「旅路」が走り去って行った。
「あさかぜ」が入ってきた。
EF65の引くブルトレの姿はさすがに風格があり
現代の電車特急にはこれだけの押し出し感は
持ってないですね。
機関車を入れると14両の長大編成。
新幹線開業でビッグローカル線と化してしまった
山陽本線では臨時を除いてブルトレでしか
大編成を見る事はできない。
しかしよーく考えてみたら広島を6時に出発した新幹線はとっくに
新下関に到着しているんですよね。
要するに急ぐ人は広島で新幹線に乗り換えた方が断然速いって事です。
新幹線接続夜行列車を設定しても面白いんではないでしょうか?
新大阪0:00発、広島5:40着なんて楽勝のダイヤ設定だと思いません?
初めて乗るブルトレです。
まずは車内を徘徊してみましょう。
デッキから客室へ入る扉は開き戸になっています。
最後尾である13両目は「オハネフ25-140」。
「フ」は車掌室有りを表している。
廃止を2週間後に控えた日曜日ということで
車内は満室かと思いきや13両目の寝台使用はひとつのみ。
海側に通路があり枕木側に寝台があります。
通路には折りたたみ式の座席があり
車窓を眺める事ができます。
開放寝台と呼ばれているカーテン1枚で仕切られる
非常に心細いプライベートルームです。
昨今の新整寝台列車は全て個室になっていますから
慣れていない人は寝付けないんじゃないでしょうか?
中央のアルミアングルは上段寝台へのハシゴです。
上段の寝台です。
幅、奥行きは下と同じですが高さが1階が約1100mm、
2階が約900mmとやや低くなっています。
読書が出来る程度の照明は備えてあります。
寝台の全望です。
デビューした当時は「動くホテル」、「走るホテル」なんて
もてはやされましたが今となってはホテルに失礼だろうと
お叱りを受けそうです。
実際ビジネスマンの移動用が主な役目でしたからビジネスライクしていても
仕方ないのですが現代のビジネスマンは忙しいのですから
こんな足の遅い寝台特急に誰が乗るでしょう?
一般客にターゲットを移しのんびりとした鉄道の旅を訴える方法は
なかったのでしょうか?
その究極は「カシオペア」であり「トワイライトエクスプレス」なのですが
これは高価すぎておいそれと利用できませんのでワンランク落とした
アコモでも十分需要はあったのではないかと思います。
浴衣、枕、布団、ハンガーのお泊りセット。
「あかつき」に連結されている「ごろんとシート」には
このセットが無くその代わりに高価な寝台料がいらないのです。
このアイデアはなかなかいけると思うのですが採用する
列車はないのです。
ついでに言わせていただくならば今や普通列車が
120〜130km/hの高速で走行する時代に最高速度110km/hの
客車列車に「特急」なんて冠をつける事態が時代錯誤なのだと思います。
所要時間から見て「快速」で十分で普通乗車券に安く設定した
寝台券を加算ないしはごろんとシート方式で乗車券のみにすれば
夜行バスにも十分太刀打ちできたのではないでしょうか?
古臭い作りではありますがお湯もちゃんと出る洗面が設置してあります。
しかしハンドルから手を離すと水が止まってしまうので
顔を洗う時はコツが必要ですね。
これは掲載しようか悩んだ・・・
ごく普通のトイレだがそこは「特急」で暖房用のヒーターが備え付けられている。
無縁の「A寝台個室DX」の通路。
カーペットが敷き詰められ窓にはカーテンが下がっている。
洗面が完備されておりベッドもクッションの厚みがある立派なもの。
ベッド横の壁にはスイッチやコンセントが備わり
これにテレビが付けば狭いビジネスホテルである。
「オロネ25」の「ロ」はやはり立派なのだった・・・
尚、A寝台専用のシャワールームの設備もある。
部屋への出入りはカードキーによって行われる。
ここは「出雲」の個室と違いますね。
電源車「スハ25」にあるラウンジルーム。
向こうに役目を終えた売店がある。
予定ではここを拠点に動く予定だったが常に満員。
「スハ25」に併設されているシャワールーム。
こちらはB寝台用で310円と有料である。
ひととおり編成を確認して13号車に帰ってくると
車窓には朝日に照らされた瀬戸内の海が写っていた。
大畠手前ですね。
大畠駅を通過中。
大島大橋が見える。
徳山駅を出発してから寝台に横になってみた。
せっかく寝台車に乗ったのだからせめて昼寝でもして気分だけでも
寝台列車の旅を味わおうという魂胆なのです。
カーテンを閉じて天井を見つめていると過去にどんな人がどんな思いをしながら
同じ天井を見つめていたのだろうかと考えてしまいました。
出張であったり知人の結婚式もあったでしょうし
盆や正月に遠い故郷に帰省する人もいたでしょう。
この一種独特な世界は普段以上にいろんな思いが頭を
よぎったことだと思います。
そうこう考えていたらいつの間にかうとうとと本当に昼寝をしてしまったのでした。
目が覚めて時計を見ると9時を過ぎたあたりで防府、新山口を過ぎ
宇部の手前のようだ。
終点の下関まで1時間を切ってしまっている。
残りはしっかり目を開けじっくり「あさかぜ」と付き合うこととしよう。
宇部から乗り込んできた親子も鉄道ファンのようで
お父さんが子供に「あさかぜ」の説明をしており
それを真剣に聞いていた。
子供のリュックには新幹線のイラストが施されており
鉄道ファン予備軍としてのしつけが進んでいるようです。
がんばれとうちゃん!
14両の大編成になると大きなRのカーブでは牽引機の
EF66が車窓に見え隠れするのです。
ラストスパートで山陽路をひた走るロクロク。
9:55定時に「あさかぜ」は下関駅4番ホームに滑り込みました。
予想はしていましたがホームにはカメラを構えた鉄道ファンでごった返していました。
2月28日までのカウントダウンが始まってしまったオールドネーム「あさかぜ」を
この目で見よう、カメラに収めようというファンたちが日本中から集まって いたのでしょう。
2月13日でこんな状況ですからセレモニーの行われる28日は
ホームを埋め尽くす人々でいっぱになることでしょう。
それでは「あさかぜ」の勇姿を見てみましょう。
伝統のヘッドマークを付け25系13両をはるばる東京から牽引してきた
「EF66-51」です。
元々は貨物牽引の為に設計された機関車ですが貨物の減少で余剰車が
「EF65」に替わってブルートレインの牽引役に就いたのでした。
3900kWの最大出力を誇るこのマンモスロコは難関セノハチ越えも
単機でこなしてしまうのです。
重厚でたのもしい顔つきです。
「スハ25」
なんといっても異様な二つのパンタグラフが特徴であるが
これは直流区間のみを走る「あさかぜ」の特徴でパンタで集電しSIV装置(インバーター)
により電圧を落とし各客車にエアコン、電灯用の電源を送っている。

他のブルトレは交直セクションを通過するためにこのシステムは使用できず
デイーゼル機関で発電している。
ブルトレが通過する時ひときわ大きな騒音を出している車両があるが
それが発電車で中には巨大なディーゼルエンジンを積んでいるのである。
ラウンジルーム、売店、シャワールームはこの「スハ」に併設されている。
「オロネ25」
いわずと知れた?A寝台個室DX車両。
あとはただひたすら「オハネ」と「オハネフ」が並ぶモノクラス仕様である。
かつて優等寝台を連ねていた「走るホテルあさかぜ」の面影は微塵も感じられない。
僕が陣取った最後尾13号車の「オハネフ25-140」。
貫通扉の窓から去り行く線路と風景を眺める事ができる。
今日の任務を終え車庫に引き上げる「あさかぜ」の淋しい後姿。
あと2週間でその運行に終止符がうたれると思うと
淋しさもひとしおなのです。

今回のダイヤ改正で同時に長崎-東京のブルートレイン「さくら」も
廃止が決まってしまいました。
ブルトレ1号の「あさかぜ」2号の「さくら」というオールドネームが
立て続けに廃止される事からブルートレイン全廃のカウントダウンが
急速に早まったように感じます。
今回は「立席特急券」という乗り方でしたがいつかは廃止されるであろう
「富士」「はやぶさ」で非日常的な一夜を過ごしてみたいとおもうのです。
そしてかつて経済成長を支えた先輩方がブルートレインに乗り
日本中を走り回っていた時代に思いをふけてみたいのです。
追記

この改正で小倉-益田間を山陰本線経由で走っていた
181系気動車特急「いそかぜ」の廃止も決まってしまいました。
これにより関門トンネルを抜ける昼行特急は無くなってしまい
幡生-益田間は本線という名は付いていますがますますローカル色が
強くなってしまうでしょう。
181系の定期運用も播但線経由の「はまかぜ」を残すのみとなりました。


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