新しい高速バスの萌芽(1987.9.)

高速バスの需要予測
高速バス 弘前、盛岡、仙台、このあたりが新しい高速バスルートの目になりそうな予感はありました。
しかし、まだ規制緩和より前の時代で、路線を引きたいからと言ってそう簡単に免許が下りる時代ではありませんでした。需要はあるのか、利益は出るのか、適正な便数なのか、など申請以前の調整が必要で、そうこうしているうちに機を逃してしまうような事例もありました。
そういう状況の中で、会員募集形式で貸切バスを走らせて需要を図るというのは、いいアイデアだったのかも知れません。
「ヨーデル号」に続く、「ノクターン号」や「あすなろ号」の相次ぐ開業で、東北地方のバス事業者にとって、新しい希望が芽生え始めました。主要都市間を結ぶことで、新しい需要が掘り起こせるという確かな感触が得られたのです。
そういった中、会員募集形式ではありますが、二つのルートが試験的に運行されており、隠れた話題となっていました。そしてこれらは後に、正規の高速バスルートになるのです。
盛岡−仙台間
東日本急行

撮影:東北博覧会会場(1987.9.19)

かつて盛岡−仙台間の特急バスを運行していた東日本急行が、仙台市で開催された東北博覧会期間中に、盛岡からの直行バスを運行しました。途中仙台駅にも停車し、車両にも「高速バス」の文字が見えるなど、高速バス復活を意識したものと受け取れます。

東日本急行

このバスに試しに1回乗ってみました。そのときの乗車券がこれです。右側にチケットがついていましたが、その部分は回収されてしまい残っていません。
形の違う2両の写真が掲載されていて、東北博のロゴとイメージキャラクターが描かれています。

弘前−仙台間
弘西観光

撮影:弘前(1987.9.30)

弘前市の弘西観光では、弘前と仙台を結ぶ会員バスの運行を開始しました。これも、仙台側は松島まで足を伸ばすなど、都市間バスとは少し趣を変えてあります。
上の写真は、弘前の発着所の看板ですが、後ろにイトーヨーカ堂の看板が見えるので分かるように、弘南ビル(弘前バスターミナル)の目の前です。

弘西観光

撮影:弘前(1987.9.30)

こちらの写真は、発着所の小屋。自販機や仮設トイレがあります。
愛称は「スカイビューエクスプレス」。

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80s岩手県のバス“その頃”