お忙しい中,小六禮次郎先生ありがとうございました。
「心をこめて音楽を」
ほたて児童合唱団のみなさんはじめまして
突然土肥先生からお手紙といっしょに資料のテープやプログラムをたくさん送っていただき,こんなに長い間,こんなにも色々
と私の曲を演奏して下さっていたことを初めて知り,とても驚きかつ嬉しく思いました。
「合唱団物語」「ビリーの木」「くいしんぼうララバイ」「星空の紙ヒコーキ」等々,私にとってもなつかしい作品ばかり,そして今回は「ゲッタウェイ」の再々演ということで初めてご挨拶いたします。
曲をつ<る時はいろんな事を考えます。もう20年以上も書いて来ましたのでもちろんその考え方はずいぶん変わって来てはいるのですが,ぜったいに変わらないことがあります。それは気持ちのいい曲をかきたいという事なのです。音楽には色々な曲がありますね。
楽しい,悲しい,つらい,ばかみたい,でもかっこいい,あこがれちゃう,こわい,素敵,同感,ちょっとむずかしいけど哲学的ですね,美しいなあ,などなど.言葉では言い尽くせないほど。でも絶対いやなのは,きもちわるい音楽。
西洋音楽であろうと,日本の音楽であろうと,いろんな国の,私たちにはちょっとなじみのうすい音楽であっても,すばらしい音楽は気持ちいいものだと思います。なぜなら音楽は心の食べ物なので,変なものは体に悪い,気持ちのいいものは心に良さそうだ,と普通の人は直感するからです。でもこのごろ,お金のことしか考えない人が作ったたべものや,見かけだけしか考えない人が作った音楽が氾濫しています。これらは体にいいのか悪いのかちょっと判別しにくく,気を付けなければいけません。
とにかく,うたうことは素晴らしいことだと思います。みんなでハーモニーをつくることは言葉にできない経験です。音楽が私たちにくれる贈り物を心を開いて受け取ることは,生きる力を生み出すと確信しています。
同じ音楽を楽しむ仲間として,コンサートの成功を祈ります。そして今私の好きな言葉を贈ります。
「心をこめて音楽を」
2000 1・22 小六禮次郎
2000年 ほたて児童合唱団 第16回定期演奏会
(合唱ミュージカル「ゲッタウェイ」に寄せて)