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球場ラヴァーズ 1巻


今頃ですが、『球場ラヴァーズ』を読みました。
地元新聞にも紹介されてて気にはなっていたのですが、あまりに直球すぎて(笑)ちょっと敬遠していた作品。
なんですけど、月末に2巻が発売されるので、思い切って1巻を購入…。面白ければ次も買ってみよう、という感じで。


作者さんが広島出身で熱狂的なカープファンと云うのは以前から知っていたのですけど(サイトの野球語りがけっこうツボで…)、まさかカープを題材にした漫画を商業誌で描かれるとは^^
それと私の中で石田敦子さんのイメージは、勇者シリーズ等でこってり系の作画を描かれていたアニメーターさん、という印象が強かったので、石田さんの描かれる漫画を「読む」のは何だか不思議な感じ。しかもカープだし(笑)今は漫画家業の方がメインでいらっしゃるそうですね。

アニメ時代のこってり作画の印象が強すぎて、もっと細かく描き込まれた漫画なのかと思ったら、かなりざっくりとした絵でした。
ちょっと荒いかな?とも思いましたが、このざっくり感がこの漫画の味のような気がします。
青年誌掲載だから女性キャラの体のラインとかパンチラとか、男性向けサービスを意識したところもありますが、全体的にふんわりとした可愛らしい絵柄なので、ギリギリ一般の方にも薦められる作品になっています。
カープファンの父親に薦めようかまだ迷い中ですけど(笑)

続いて、多少ネタバレありの感想です。


続き


思ったより面白かった!ので、2巻も購入決定。
ただ、やっぱり何だか、いろんな意味で恥ずかしい!!(笑)
たる募金とか貧乏球団ネタは、ファンや地元人だけひっそり知ってればいいことじゃよ~~(^▽^)はずいよ~~~
それとメインキャラの一人の名前が母校の校名と同じなのでなんか落ち着かないよーー(笑)(通ってた高校が旧市民球場所在地の近くで、地名が同じだったんですね)
…という、しょっぱい照れくささと葛藤しつつも、ところどころに野球あるあるネタや、かなりマニアックなカープトリビアなんかも盛り込まれてて、カープファンとしてはニヤニヤ出来る部分もたくさんあって面白かったです。


私の先入観で、「球場に来るカープファンの人たちの応援スタイルを描いたあるあるネタ」的なものだと勝手に思い込んでいたのですが(らきすたやけいおんっぽいノリの、野球オタク女子のゆる~い日常コメディ的な…)、予想に反して主人公がかなりシビアな状況の設定だったのでびっくりした(^^;)!
オビの紹介文でいうところの「ヒューマンドラマ」なんですねぇ。

主人公の実央ちゃん可愛いですし、基町姉さんもみなみさんも、とても魅力的です。
日々の生活の中で辛いことはたくさんあるけど、球場に来て選手に声援を贈ることで自分も励まされて元気になれる。
ただ単に「野球が好きだから」だけでなくて、野球と絡めながら「野球に来る理由」を描いているので、野球ファンの一人としては何だか嬉しくなってしまいます。
実央ちゃんの置かれている境遇とか辛いし、結構あり得ないこじ付け解釈もあるけれど、そこはフィクションとして読めますし。


ただ私は、広島のホーム球場でしか観戦したことがないので、関東のビジター球場のカープファンの様子は、想像でしかわかりません。
関東の広島応援団ってすごいらしい、という話は聞きますので、こんな感じなのかなーと思いながら読みました。
えーこんなにアットホームなの??羨ましい(笑)
私、旧市民の時は点が入った時に隣の席の人とメガホン叩きあったことはありますけど、お話はしたことないです…ズムスタになってからは内野自由席しか座ったことないというのもあって(パフォーマンス席行ったことがない)、ますますおとなしくなりましたし。まぁ、人見知りの性格なだけですけど。


それにしても…キムタクさん追悼試合のこととか、FA制度のこととか、私が思ってたこと全部「貴方は私ですか」と云う位に文章にして下さった。
『MAJOR』でFAを題材にした話があったけど、あの時の解釈も「ミッタク先生はやっぱり広島ファンだなぁ」と思ったけど、今回も石田さんはやっぱり広島ファンだなぁ、と思いました…
うん、広島ファンはこうして心の中で自分を納得させて、もやもやを消化していくしかないんよね。


この作品はカープファンには楽しめる(カープファンであっても露骨過ぎてイヤ、と思う方の意見も否定しません)が、他球団ファンにはお勧めできないかもしれません。
特に巨人ファンの方には不快な思いをさせてしまうかもしれないし(巨人ファンの方は弱小球団のアンチ意見など慣れっこかもしれませんが…)、同時収録の野球ネタギャク作品では、パ・リーグの扱いが酷いです。
そういう意味で、かなり読む人を選ぶ作品ではあります。

むしろ、野球にまったく興味がなくて、実在する球団の知識やイメージがまったくない人の方が、先入観なく読めるかもしれません。