ポコが語る杉の良さ
眠る場所もそのときに合わせて好きなところで。夏涼しく、冬暖かい杉の上で、杉のセールストークみたいですが、本当です。
僕が一番すきなのはじいちゃんの布団で一緒に寝ることですが、ボスに見つかったら大変、ただちに布団から引き摺り下ろされます。
お昼寝はじいちゃんが昼寝をしているベッドの横です。じいちゃんはボスに寝室に体のために杉の木口スリットを貼ってほしいと頼みました。ボスはそれまで、杉の研究をじいちゃんが信じているとは思っていなかったので、うれしくなって喜んで貼りました。3間ほどの壁に杉木口スリット材を貼り、施工はたった一日でした。大工さんの仕事を見て、ボスはDIYできると、リビングの壁を天井まで100円コーナーの道具で貼ってしまいました。すると空気が変わりました。部屋の空気がきれいになって、匂いもしなくなりました。そうそう、僕のゲージが置いてある仕事場も杉が敷いてあり、僕の匂いはしません。杉の消臭効果は抜群です。
ふつうに使われている杉は木の立っている方向にそってカットして、床や壁材に使います。ボスたちが考えた杉木口(こくち)スリット材は、今までの板の使い方とは違って、板の面に直角方向に溝を彫ったものを利用しています。丸太を切るとその切り口が木口です。水や養分を運ぶ管、杉のような針葉樹は仮導管と呼ばれ、ポンプ式になっています。(ぶなのような広葉樹は導管でつながっています。木に耳を当てると、ザーという音が聞こえます)木を横に切る、木口の面がでると、仮導管が開き、杉の働きが今までの何倍にもなって表にでてきます。空気浄化機能や体に良い成分も空気中にでてきます。ただ、木口のままだと建材として使いにくいので、今までの板(板目材)に横に溝を彫り木口面を増やし機能を高めた板材をつくりました。杉の表面積を増やしたのでしょうと言われますが、全く新しい使い方なんです。特許もとっています。
寝場所の話にもどりますと、じいちゃんが寝ると、一応番犬ですから横で見守ります。
杉の床と、スリットパネルの横でだんだん眠くなって、眠りほうけます。
こうなったら、めったに起きません。家人が帰宅しても起きなくて、「ワー」と叫ばれたことがあります。「腰抜かしてるヤン」とさっちゃんと笑い転げてました。しばらくの間、尻尾を下げて、うつむいてました。犬だってプライドがきずつきます。
じいちゃんがすわるとその足の間に入って、甘えた僕の顔をみてください。
1分も立たない間に爆睡です。ボスは「世の中何が起こるかわからない」と寝ている僕の足や尻尾を踏んで歩きます。でも杉の床で気持ちよく寝ているから少々のことでは起きません。平気です。