まえがき
これは以前動画を配布用に変換していたときに感じたことおよび失敗したことです。
家庭用ビデオカメラの映像
TVで放送しているような映像は、明と暗が下の図の「あるべき姿」になっています。
家庭用ビデオカメラだといつもきちんと撮影できるわけでもなく、下の図の「輝度がおかしい例」のように↓
↑「明」と「暗」が正しい位置に来ていないことがあります。
補正可能な範囲
上記のような場合、PCで色調補正などをかけるわけですが、RGBに変換して補正するタイプの補正ソフトの場合を考えて見ます。
まずはストレート変換の場合。「明」「暗」の位置がそれぞれ正しい位置にくるように補正して、その後またTVの世界の色(YUV)に戻してやります。
↑こんな感じです。補正処理自体は特に問題はありません。が、最大の欠点は「ストレート変換した映像はそもそも全体にグレーっぽく見えるので、「明」「暗」の位置がわかりづらい」ということです。
それでは伸長する処理を行う場合はどうかというと、確かに見た目グレーっぽくなる現象はありませんがその代わり↓
↑はみ出た部分(この例では「明」)がバッサリと切り落とされてしまうという大問題があります。実際の編集ソフト上ではハイライト部分がペタッとした白になり、いくら補正しても消えた階調が復活できない状態です。
じゃあどうすればいいのか?
一番よいと思われるのは内部YUV(前回参照)のソフトを使うことでしょう。そもそもPCの世界の色に変換しなければいいので。
また、もうひとつのやり方として、ストレート変換したものを、「明」「暗」が0〜255の範囲いっぱいになるように自分で伸ばして、YC圧縮する(実質、他の動画形式に変換する)ことです。
↑こんな感じ。PCでしか再生しない場合はこれでも十分だと思います。
(PCで再生する場合でも、動画ファイルはYUV、つまりTVの世界の色基準で保存されているものがほとんどです。)
注意すること
特に、RGB処理ベースの編集ソフトで動画形式を変更するときにやってしまいがちなのが、伸長とストレートがごちゃごちゃになっておかしな変換をしてしまうことです。
例えば、このような↓
↑「縮めすぎ」の例。
また、このような↓
↑「伸ばしすぎ」の例があります。実際は図の「編集」のところで人間が色補正するのでこれ以外の勘違いによる失敗パターンもあります。
結論
いや、私が勉強になりました・・・。