まえがき
最近のカメラはダイナミックレンジが・・・という話が出たときに、何それ?と思う人のためのページ。大切なのは、感度だけじゃない。
ここには本来撮ってはいけない映像(下手くその映像)が、多数掲載されており、なんですが、実際は編集で全部カットしていますよ!(いいわけ)
一部の画像は、プライバシー保護のために縮小しています。また、ブレてよく見えない画像もありますが、プライバシー保護のためです!(いいわけ)
画像は全てCanopusDVでキャプチャしたものです。また、YC伸長、Y=16〜235とかそういう話はほとんどカットしています。それはこのページの目的ではないので。
ここの例1〜例3で使用している映像は昔撮ったテープからそれっぽい部分を抜き出したものです。細かい設定など覚えているわけがない。
このページを作成するにあたり、偉大なフリーソフトAviUtlと波形表示プラグインを使用しました。感謝感謝。
例1:花火会場に向かう人々
次の「映像1−1」をご覧ください↓。さてこの映像のダメなところはどこでしょう。ヒントは、「今日の天気は何?」です。
映像1−1 |
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パッと見、問題ないみたいに見えますが実はこれ、露出(明るさ調整)がおかしくて空が真っ白になっちゃってます。これを「白とび」といいます。
「映像1−1」の、反転表示したラインがある部分(ほとんど見えないけど信号機のちょっと下にある。)の輝度(明るさ)を、波形表示で調べてみると
天井がブチ切れてます。これは、撮影データがこれ以上の明るさは表現できないという限界点に達していることを示します。
ちなみに、この逆パターンで暗いところが真っ黒になっているものを「黒つぶれ」といいます。
比較的、まともな露出で撮れたのはこちらの「映像1−2」です。本当は雲の切れ間から青空がのぞいていたのです。また、夕暮れ迫る雰囲気が良く出ているのもこちらです。
映像1−2 |
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反転表示したラインがある部分の波形はこちら
ところどころ真っ白になった部分はありますが、全体として空(雲)のグラデーションが分かります。
もう一度、2つの映像を並べてみましょう。
映像1−1 | 映像1−2 |
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よく見ると「映像1−2」は空についてはいい感じなのですが、手前の人の黒いズボンが黒つぶれ寸前で、右足と左足の区別が分からなくなりつつあります。
これを図にすると次のようになります。
このカメラ(の守備範囲)では、明るくしても暗くしてもなかなかうまくいかんもんですなあ、ということが分かります。
では、守備範囲のもっと広い(あるいは狭い)カメラならどうなったのでしょうか?
それはきっとこうなるでしょう。
この、守備範囲の広い、狭いをダイナミックレンジといいます。あたりまえですがダイナミックレンジの広いほうがいいカメラです。
ダイナミックレンジの狭いカメラは、パッと見コントラストの高いハッキリクッキリした映像に見えますが、白とび黒つぶれの多発で情報量の少ない映像になってしまいます。併発して、色が貧相なのが特徴です。
例2:披露宴会場
カメラのダイナミックレンジが足りなくて困った例です。
問題の映像
とあるホテルの高層階で披露宴を撮影中、盛り上がる人々を撮ろうとしたら窓が後ろにあった。この日は晴天。
なお、肉眼では青空をバックに談笑する人々の笑顔がしっかり見えておりました。
再現の可能性
次のような撮影をする人は同じ目にあうかもしれません。
運動会でお子さんの顔が真っ黒。
半分日かげのサッカー場が半分ずつしかまともに映らない。
スキーのフォームを撮影したが誰が誰だかわからない。雪面の凹凸など見えるわけがない。
例3:2次会の会場
カメラのダイナミックレンジが足りなくて困った例パート2です。
問題の映像
とある結婚式の2次会で新郎新婦入場を撮影。店内はムードのある間接照明(要するに暗い)新郎新婦にはスポットライト。
なお、肉眼ではムーディーな(撮影者泣かせの)照明のなかを入場する新郎新婦の笑顔がしっかり見えておりました。
再現の可能性
次のような撮影をする人は同じ目にあうかもしれません。
お遊戯会、学芸会、文化祭でお子さんがナントカ麻呂に。
バンド結成。初ライブ。全員デーモン小暮に。
結論
実はダイナミックレンジも、CCDがでかいほうが、1画素あたり割り当て面積が広いほうが良い傾向にあります。
手持ちのカメラ、または電器屋のカメラで試してみよう。
髪の毛が塗りつぶしたように真っ黒になる。
白いシャツがペタッと真っ白になってしわしわが見えない。
人物のひたい、鼻すじ、頬骨のあたりが白く光っている。
これが目立つ機種は要注意。よく分からない人は、夜間に電器屋の店内と外を同時撮影してみましょう。
というか、人間の目が最強すぎ。