■元ネタは、“妄想”
まず、最初に会ったのは、アダルト系コメディや4コマなどで活躍中の大塚寛彦さん。いつも打ち合わせで使うという喫茶店でお話をうかがった。アダルト漫画家というから、もうちょっとオタクっぽい人を想像していのが、カージナルスのキャップをかぶって登場。どちらかというと、ストリート系で、音楽も洋楽好きとか。度のキツそうなメガネが、漫画家らしさを感じさせるか。
−−にしても、喫茶店でアダルト漫画の打ち合わせなんかできるんですか。周りの視線とかは気になりません?
「僕の場合はあまり編集者に指示を細かい受けたことはないんですよ。それほど出世してないんで…」
そういいながら、過去の掲載誌をいくつか見ると、絵柄はかわいく、バラエティーに富む。でも当然、エッチ。
−−ストーリーはどこから生まれるんでしょうか
「妄想ですね」
うーむ。単純明快。でも、奥が深そう! 自分の経験を描くよりも、かえって照れるのでは…。
「僕の描くのはだいたいギャグだから、現実にあったこととかはあまりヒントになりませんよ。ストーリーものを描くにしても、個人の経験なんて、すぐにネタがつきてしまいますから。妄想がつきたら、布団を被ってさらなる妄想を引き出します。あと、参考にするのは漫画やAVよりも小説です。こっちの方がイメージ膨らむから」
カバンからいくつかの小説も取り出して見せてくれたが、なるほど、活字というのも、なんだかエロチックな想像をかきたてられる。でもこれは絵の参考にはならない。
−−局部は、欠かせないと思いますが、あれって、何を参考にしてるんでしょうか
「えー、やっぱり自分のとか、人のとか見てるんじゃないですかね」
ええーっ。ということは、漫画に描かれているナニは、本人のナニってことですか。ちなみに大塚さんの漫画にはほとんど局部は描かれていませんでした。ホッとしたような、がっかりしたような…。
−−最近、かわいい感じの絵が多くないですか?
「そうですね。女性の漫画家さんや、編集さんもけっこういますから。この世界にもずいぶん女性が進出してきているみたいです。主婦の方も何人かいますよ」
と、過激コミック全盛の中では、ソフトな大塚さん。女性の目も意識しているようだ。
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