【テキスト】第1回・真のヒロイン決定戦(後)
2004.11.9
「えぇい!」
3バカとの戦闘は、なおも継続中。
コロニーに隠れながら、チャンスを窺うルナマリアさん。
しかし、敵はルナマリアさんを無視。
3バカは全員、インパルス狙いです。
ルナマリアさん、かくれんぼで誰も探してくれないような状況。
「総員、衝撃に備えよ!」
その頃、小惑星から動けなくなったミネルバは、
アスランの提案により、右舷スラスターを一斉正射し脱出を図る。
ですが、この方法は、艦体への相当の衝撃を覚悟しなければなりません。
じーっ。
さすが、幾多の戦いを潜り抜けてきたアスランとカガリ。
この程度では、全く動じる気配がありません。
「キャ〜!怖い、怖い!」
避難訓練で学んだことを、1人忠実に実行するメイリンちゃん。
アスランの考えた作戦は見事成功、一気に形勢逆転です。
その時、敵の戦艦から帰還信号が。
これ以上の戦闘は、無駄に戦力を消耗させるだけ。
しかし、あの3バカが、おとなしく従うとは思えませんが……
「わぁ、きれい〜」
おとなしく従いました。
「ふんふ〜ん♪」
ウキウキ気分で帰還するステラさん。
「何なのよ、あの娘は……」
特に何もしてないけど、どっと疲れたルナマリアさん。
第1回・真のヒロイン決定戦は、引き分けに終わりました。
「お姉ちゃん、大丈夫かな……」
お姉ちゃんを心配するメイリンちゃん。
仲間が撃墜され、自分もたいした活躍が出来ず、
プライドの高そうなルナマリアさんは、
さぞかし、ショックを受けているのではないでしょうか。
「シン、お姉ちゃん、レイ!」
浮遊しながら駆け寄るという、王道ヒロインのアクションで、
ヒロインの座を横から奪い取ろうとするメイリンちゃん。
そんなメイリンちゃんに対して、
スカートをめくり上げる荒業で対抗するルナマリアさん。
妹には、まだまだ負けていられません。
その頃、アスランは一人、先の戦争のことを思い出していました。
ミゲル、ニコル、フレイ様、ナタル、
「不可能を可能にする」さっきまで戦っていた男、
いなくなった多くの人達が、アスランの脳裏に浮かび上がってきます。
「でも、本当に名前まで変えなきゃなんないもんなの?」
「モンキッキーの真似でもしたんでしょ」
「あっ!」
アスランの話題で盛り上がるホーク姉妹。
その時、メイリンちゃんが、部屋にいる人影に気付きます。
「……………」
そこには、噂のアスラン本人が。
レイの後ろに隠れるメイリンちゃん。(バレバレです)
ザフトの元エースのアスランと、
彼を知らない現在のザフトのパイロット達。
両者の間には、微妙な空気が流れています。
ここは、さっさと部屋から出るのが得策でしょう。
「へぇ〜、ちょうどあなたの話をしていたところでした、アスラン・ザラ」
「お、お姉ちゃん、空気読んで!」
そんなことはお構いなく、アスランに話し掛けるルナマリアさん。
「伝説のエースにこんな所でお会いできるなんて、光栄です」
「……そんなものじゃない、オレはアレックスだよ」
「だから、もうMSにも乗らない?」
伝説のエースを挑発するルナマリアさん。
「乗ったよザクに。そしてやられたさ!」
「よせよルナ、オーブなんかいる奴に。何も分かってないんだから」
「このガキ、誰が助けてやったと思ってんだ!」
ザフトの若手パイロット達に、立て続けにバカにされる伝説のエース。
「失礼します」
そして、静かに部屋を出て行くレイ。
ザフトの若手パイロット達から、全く興味を持たれない伝説のエース。
「でも、艦の危機は救ってくださったそうで、ありがとうございました」
さすがに、少し気の毒になってきたルナマリアさん。
ちょっとだけフォローをしておきます。
(いや、お礼を言うなら、最初から言ってよ)
こうして、ザフトと地球連合の第2ラウンドは終了しました。
これまでの戦闘では、仮面や3バカなど、
変態を多く擁する地球連合がやや優勢か。
ですが、そんなルナマリアさんに、次回、心強い(?)味方が。
「いよいよ、オレ達の出番だな」
「うむ」
ザフトお笑い界の両巨塔が登場。
続く。