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【レビュー】キラガクル

 

2013.10.28

 

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前回までのあらすじ

ついに全世界に向けて導入実行が宣言されたデスティニープラン。

遺伝子情報により誰もが適正に合った職業に就けるというその計画によって、

いいともの後番組をタモさんから受け継いだデュランダル議長。

今後は新しいお昼の顔として、お茶の間に笑いを届けてくれるでしょう。

一方、裏番組では、議長に負けまいとディアッカ司会による新番組、

「ディアッカ・エルスマンのグゥレイト!昼休み」が満を持して開始。

しかし、あまりの低視聴率のため、番組は早々に打ち切られてしまいます。

直後、ディアッカの無念を晴らさんとばかりに、イザーク司会による後番組、

「おかっぱいっぱいいっぱいクイズ!イザークのQ」が始まりますが、

これも即刻打ち切りに。運命とはかくも厳しいものなのでしょうか。

 

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「ジブリールくんは猫さんと一緒にピエロになったよ!」

「わ〜い! 嬉しいな〜!」

「舐めてんのか……」

 

「生まれながらに人の一生が決められてしまう」という恐ろしい計画。

ですが、まるでバイトのCMのような軽いノリで報じられています。

このままでは、人々が何の疑問を持たずに計画が導入されてしまう!

いや、実際に対象となる人々が、特に不満に思っていないのならいいのでは?

むしろ自分のやるべきことが見つからずに、悶々とした日々を過ごしている

管理人のような人間は、自分の役割を与えられて喜んでいるのではと思いますが、

そうなると困るアークエンジェルの面々は、一様に苦々しい表情です。

気楽な放浪生活に慣れた彼ら、今さら真面目に働きたくはないのです。

 

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(議長……)

 

中でも特に険しい表情を浮かべているのが、アスランです。

この計画が報道されているような綺麗事だけで済まないことは、

実際に議長から殺されそうになった彼が充分理解しています。

しかし、それ以上に彼の懸念の原因となっているものがあります。

そう、彼が見つめている先にいるのは……

 

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「うふふふふ……」

(ほら、言わんこっちゃない!)

 

ゴゴゴゴ……という地鳴りのような大音声を響かせて、

恐ろしい形相で画面を睨みつけているラクス。

もしこのままデスティニープランに従うことになれば、

キラやアスランは彼女の元を離れていってしまうでしょう。

彼女にとっては、大切なおもちゃを取り上げられるのと同じ。

それだけは絶対に阻止しなければなりません。

 

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「ど、どうしよう……」

 

ザフトの兵士達にも知らされていなかったこの計画。

ざわめくクルーの中、一人呆然とするルナマリアさん。

どう考えても、パイロットが適正ではない彼女にとって、

デスティニープランの導入実行は、事実上の解雇通告です。

不景気だから、ザフトも人員を削減したいのはわかるけど、

だからと言って、わざわざ運命を理由にしなくてもいいじゃない。

 

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「ディズニープーさんって何だ?」

(ぎる、やったな!)

 

ついに世界が変革に向けて動き出した。

満足気なレイの隣でシンは何一つ理解出来ていません。

この小学生にプランの素晴らしさを説明するために、

レイは用意していた自作の紙芝居を取り出します。

 

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「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが……」

「ふむふむ」

「シン、ちょっといい? 相談が……」

 

突如もたらされたパイロット生命最大の危機。

ルナマリアさんは慌ててシンの部屋を訪ねます。

プランの導入で私達(特に私)の今後はどうなっちゃうの?

転職の履歴書には「運命による退職」って書けばいいのかしら?

 

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「とりあえず、介護士の資格を取ろうと……」

「今、大事な話をしている。後にしろ」

 

ルナマリアさんが次のキャリアプランを語るより早く、

レイはドアも開けずに彼女を冷たく突き放します。

プラン導入後もエースパイロットとして重要な役割を担うシン、

プラン導入後は解雇や配置転換を免れないであろうルナマリアさん、

同じプランの話をするにしても、論点が全く違うのです。

 

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「私の話は大事じゃないと?」

 

まさかの門前払いにショックを受けるルナマリアさん。

あなた達はフェイスだから、プラン導入後も安泰でしょうけど、

私みたいな、なんちゃって赤服は真っ先にリストラ候補なんだから。

 

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「レイ! 何する……」

「だが、お前の言う通り、本当に大変なのはこれからだ」

 

ルナマリアさんへのあんまりな仕打ちに抗議するシン。

レイはそれをあっさりと流して、プランの話を続けます。

今は一刻も早く、シンにプランの必要性を説かなければならない。

名前だけで五文字も使う女の話をしている時間はないのです。

 

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「いつの時代でも変化は必ず反発を生む。

ただ不安から、異を唱える者が必ず現れる」

「誰だよ? このキツそうな子は?」

「画像はイメージだ、気にするな」

 

シン達とは会ったことがないはずなのに、

反抗的な人物の代表例として挙げられるフレイ様。

いくら最終的に更生したとしても、死んでしまうと、

一番悪かった時のイメージで語られてしまうのが不憫です。

 

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「あのエクステンデッドの少女、

あんなことを二度と繰り返さないためにも……」

 

延々と選挙演説のような勢いで捲し立てるレイ。

話の内容に全くついていけていなかったシンでしたが、

ステラさんの話題を出された途端、真剣な表情になります。

レイが何を言っているのか、正直あまりよくわからないけど、

それがステラとの約束を守ることになるのなら、オレはやってみせる!

あとはこの書類にサインをすればいいんですね。

 

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「それが、この混沌から人類を救う最後の道だ……」

「どうしたんだ、レイ?」

 

レイは伝えたいことをひとしきり言い終えると、

直後に眩暈を起こしたようにふらついてしまいます。

久しぶりの長台詞に疲れてしまったのでしょうか。

 

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「なんでもなかばい! 構わんでよか!」

「どうしたんだよ、レイ!?」

 

シンが心配して駆け寄りますが、レイはそれを大声で制すると、

棚から取り出した薬を飲み、そのまま眠ってしまいました。

初めて見るレイの焦燥した姿にシンは困惑するしかありません。

 

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「艦長、少しお話が……」

 

一方、待ちくたびれたルナマリアさんは艦長達の元へ。

今回の件を艦長やアーサーはどのように捉えているのか、

年長者である彼らなら、的確な助言を与えてくれるだろう。

特に自分と同様に軍人が不向きであろうアーサーなら、

今後の雇用に不安な自分の気持ちをわかってくれるのではないか。

 

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「私はどうなるんでしょうか?」

「私にだってわからないわよ!」

(ダメだこりゃ……)

 

そこには自分以上に困惑しているアーサーの姿が。

艦長達もこの事態を完全に飲み込めていないようです。

ここにいても、アーサーに延々と愚痴を聞かされるだけ。

ルナマリアさんは諦めてシンが部屋から出てくるのを待ちます。

 

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「オーブの理念、何としても守り抜く!」

 

突然のデスティニープランの提示に揺れる各国。

そんな中でオーブの首長であるカガリは、早々に拒否を表明します。

もしプランに従うとならば、第二第三のユウナと結婚することになる。

それだけは絶対に嫌だ。私はアスランと結婚するんだもん。

 

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「思った通り、世界の反応は緩慢なものだな」

「思った以上に、じゃない?」

 

ついに議長の計画が明らかになった。

アークエンジェルはエターナルの虎と通信を繋ぎ、

これからどうするべきかを話し合います。

 

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「それで……隣の男は?」

「……運命だったのよ」

 

少し前までは、二人一緒の屋敷に暮らしていて、

内縁の夫婦みたいになっていた虎とマリューさんですが、

過去の恋人であるムウが、実は生きていたとわかった途端、

虎に一言も告げることなく、あっさりと元の鞘に収まりました。

ここ最近の慌ただしさのどさくさに紛れてスルーされていますが、

虎が仮面を被った復讐鬼になってもおかしくないぐらいの酷い仕打ちです。

 

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「人種も国も飛び越えて、いきなり遺伝子じゃあ、誰だって判断困るよ」

「あれだけ聞くと、本当にいいこと尽くめですものね……」

 

遺伝子によって全てが決められるというのは強引ですが、

プランが示しているのは、争いの起きない平和で理想的な世界の実現。

キラ達のように議長に不信感を抱いていない大多数の人々にとっては、

プランの壮大さに戸惑いこそしますが、反対する理由はありません。

 

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「議長は信用ありますしね……僕達と違って……」

「口惜しいですわ……」

 

先日のご本人登場のドッキリで少しは反撃したものの、

未だに議長に対する人々の信頼は絶大なものがあります。

一方、こちらは未だにテロリストのレッテルを剥がせぬまま。

議長の存在がある限り、この立場が逆転することはないでしょう。

 

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「だが、これがプランの提示だけで終わるはずがない」

「導入、実行すると言っているんだからな」

「力押しで来られたら、もう戦うしかないものね……」

 

全人類が従わなければ実現不可能の壮大な計画。

アークエンジェルのような不満分子は計画外の存在です。

彼らを排除するために議長も全力で潰しにかかるでしょう。

ちょうど半澤ブームが起こった直後の艦内、やり返す気満々です。

 

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「戦うしかない、か……」

「キラ?」

「あっ、いや、あっちもそう思っているんだろうなって……」

 

避けられないであろう戦闘を前に緊張が高まる中、

キラはいつものようにセンチメントな感情を吐露します。

 

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「戦うしかない、これじゃあ戦うしかないって、

結局、僕達は戦っていく……」

 

今日も今日とて戦うことの虚しさを痛切に訴えるキラ。

しかし、いくら彼が戦うことの虚しさに心を痛め、涙を流そうとも、

現実は続編が作られ、そこでも再び駆り出されて戦わせられる始末。

挙句の果てには、リマスターされてまで戦い続けなければなりません。

本人としては、ガンプラを作って戦わせるアニメとかに出たいのです。

 

「本当はこんなことも、もう終わりにしたいのに……

でも、仲間に悪いし、これまで費やした時間が無駄になる。

だから、戦う、戦う、戦う、たたかう、たたかう、

タタカウタタカウタタカウタタカウタタカウ……」

 

戦闘の度に様々な感情を表に出していた前作と違って、

悟りを開いたかのように、淡々と戦っていた今作のキラですが、

別に戦闘マシーンと化した訳ではなく、実際は色々な葛藤があったのです。

ただそこを再度描写しちゃうと、時間もかかるし、視聴者も辟易してしまう。

前作の反省を生かした上での、意識的な悟りぶりだったのです。

 

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「でも、私達も今は戦うしかありません」

 

皆の戦意を削ぐようなキラの発言を遮り、

ラクスは改めて戦うことの必要性を皆に説きます。

どんなにキラが戦うことへの苦しみを長尺で吐露しようとも、

彼女の前では「でも」の二文字で一蹴されてしまうのです。

 

「夢を見る。未来を望む。

それは全ての命に与えられた、生きていくための力です。

何を得ようと、夢と未来を封じられてしまったら、

私達は既に滅びたものとして、ただ存在することしかできません」

 

誰もが平等に夢を見る権利がある。

議長への反論として、そう強く訴えるラクス。

そういう意味では、デスティニープランの実現こそが、

何の打算も計算もなく、世界の為を思った純粋な議長の夢なのですが、

それはそれ。物騒な夢や不純な夢はNGなのです。

 

「全ての命は未来を得るために戦うものです。

戦ってよいものです。戦いましょう勝つまでは。

襲いかかる敵の集団を斬って、斬って、斬りまくれ!

「真・ガンダム無双」20131219日発売予定です!」

 

議長が自身の望む未来を実現しようと戦いを挑むなら、

こちらも自身の望む未来の実現のために戦ってよいものなのです。

戦闘の結果、キラが俺TUEEEしているようにしか見えないので、

外野から色々言われますが、お互いに強い覚悟を持っているのだから、

戦ったっていいじゃない。だって未来を得るためだもの。

 

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「だから、私達も戦わねばなりません。今を生きる命として。

私達を滅ぼそうとするもの。議長の示す死の世界と」

 

「戦う」という言葉を連呼することで皆の戦意を高揚させ、

同時に「死の世界」という物々しい言葉を使うことによって、

議長こそが絶対悪であるという印象を皆に与えることができる。

宗教家や占い師になりたい人は必聴の、ラクスの演説テクニックです。

 

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「各国に何か新たな動きは?」

「特にありません」

「あっ、そう?」

 

一方、一世一代のドヤ顔でプランの導入実行を宣言した議長ですが、

反応したのは、早々に拒否を表明したオーブとスカンジナビア王国のみ。

あとは月の方で細々とした動きがあるだけという肩透かしの反応です。

こういうのって事前に各国首脳には通知しているのかと思いましたが、

完全に議長の独断で決めたようです。

 

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「私はちゃんと言ったはずだがな。

これは人類の存亡を賭けた最後の防衛策だと。

なのに、敵対するというのなら、それは人類の敵ということだ!」

 

ラクス同様「人類の敵」という強烈な言葉を使って、

議長は自らのプランの正当性を強く主張します。

もはや、実際に戦場で戦うキラやシンの意思は無視され、

両巨頭による怪獣大決戦の様相を呈してきました。

 

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「さっきのことなら何でもない。持病のようなものだ」

 

ずっと部屋に残っていたシンの心配をよそに、

目を覚ましたレイはいつもの落ち着きを取り戻し、

何事もなかったかのように話の続きを始めます。

ルナマリアさんを待たせていることは二人共忘れています。

 

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「この先、何が起きようと、誰が何を言おうと、

議長を信じろ。正しいのは彼なんだからな」

 

今まで見せたことのない焦燥した表情から一転して、

今まで見せたことのない穏やかな表情でシンに語りかけるレイ。

どんな時も議長を信じれば大丈夫と、議長信者としてのあり方を説きます。

 

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「何でそんなこと言うんだよ、いきなり。

なんかそれじゃあ、ドラマの死んでいく親父みたいだぞ」

 

まるで余命幾許がないようなレイの物言いに怒るシン。

作中で彼らがドラマを見るような描写はありませんでしたが、

人類が宇宙に進出したコズミック・イラにおいても、

ドラマのストーリーの定番は現代と変わっていないのです。

『相棒season252』でも、右京さんがモビルスーツに乗る以外は、

2013年度版と特に話の内容は変わってはいないのです。

 

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「実際、オレにはもう、あまり未来はない……」

「またそんなこと言う」

「テロメアが短いんだ。生まれつき……」

 

シンが注意してもなお、ドラマのような台詞を続けるレイ。

中二病が遅れてやってきたのかとシンが呆れかけた時、

レイは自身が抱えている重大な秘密をぽつりと呟きます。

 

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「ああ、うん、そっか、ヘルニアが……」

(全然わかっていない……)

 

しかし、レイの衝撃の告白もシンにはイマイチ伝わっていない様子。

最新鋭の遺伝子技術によって生まれたコーディネーターのシンですが、

肝心の本人は、遺伝子に関する知識を持ち合わせてはいないのです。

 

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「オレは、クローンだからな」

 

レイはもっと端的な言葉で自らの境遇を告げます。

両親に望まれてこの世に生を享けたシンと違って、

自身は他者の私利私欲のために作られたクローンであり、

死期がもはや目前のところまで迫っている。

彼の若さでそれを達観するまでにどれほどの苦悩があったのか、

その感情は想像するに余りあります。

 

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「くろーん?」

「クローンと言うのは……」

 

視聴者からしたら、とっくの昔にバレバレだった事実ですが、

アニメの声優とか全く気にしないシンには、寝耳に水の告白です。

親友だと思っていた人物が他の誰かのクローンだった。

剛力彩芽の偽ツイッターを本人がやっていると思い込んでいたほど

ピュアなシンにとって、その衝撃は計り知れないものがあります。

 

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「月の裏側に高エネルギー体!

ダイダロス基地、これは……レクイエムです!」

 

シンがレイの告白に衝撃を受けたのと同刻、

ザフトが駐留するダイダロス基地からレクイエムが再発射されます。

先日の戦闘でルナマリアさんが砲のコントロールを破壊しましたが、

それを議長は秘密裏に修理していたのです。

 

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「イザーク!」

「なにぃ!?」

 

これにいち早く反応するリアクション芸人の二人。

「デスティニープランか、大変なことになったな……」

「オレたち、これからどうなっちまうんだ……」

「馬鹿者! 何があってもお前はオレのパートナーだ。それがお前の運命だ!」

「イザーク……」

みたいな甘いやり取りをしていた二人ですが、

ディアッカが軍服のボタンを外し始めたその時、

先日破壊したはずのレクイエムが再起動しました。

 

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「えっ? これで終わり?」

 

標的となったのは、アルザッヘル基地にいたコープランド。

大西洋連邦の大統領という、恵まれたポジションにいながら、

これといった印象を視聴者に与えぬままの退場となりました。

気の毒ですが、完全な無駄死にです。

 

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「こりゃあ、派手にやったなあ……」

 

レクイエムによって、アルザッヘル基地は一瞬で壊滅します。

議長に抵抗する意思を固めたものの、具体的な方法はなく、

これからの行動を考えあぐねていたアークエンジェルですが、

戦闘を行う大義名分を向こうから与えてくれました。

 

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(議長、グッジョブ!)

 

皆が呆然としている中、一人冷静にモニターを見つめるラクス。

このままデスティニープランを地デジ移行のように、

地道に実行されては、こちらも打つ手がありませんでしたが、

いきなりアナログテレビをハンマーで破壊するような強行策。

さすが議長。残り話数が二話しかないのをわかっていらっしゃる。

 

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「ど、どうしよう……」

 

プランに従わないものには、死あるのみ。

一瞬で壊滅したアルザッヘル基地を目の当たりにして、

先程までの強気な態度から一転、不安になるカガリ。

レクイエムの次の標的がオーブとなるのは、時間の問題です。

拒否を表明するにしても、もう少し様子見すべきだったのでは?

うっかり首長の早急すぎた判断に、執務室は重い空気になります。

 

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「艦長、オーブに連絡を。エターナルと合流します。

すぐに発進準備を始めてください」

 

ラクスは今の一撃を議長からの開戦の合図と判断。

もはやこれ以上の話し合いは不要、最終決戦へと臨むべく、

アークエンジェルを発信させるようにマリューさんに命じます。

 

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「ラクス……」

「知らないぞ……」

 

こうなったラクスを止めることは、もはや不可能。

実際に戦場に駆り出される二人は既に諦め顔です。

彼女が満足するまで、ひたすら戦い続けるしかありません。

 

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「従わねば死。従ったら……わかっていますね。

どちらにしても、このままでは世界は終わりです」

「は、はい……」

 

もはや完全にアークエンジェルを掌握しているラクス。

彼女の圧力に艦長であるマリューさんも従うしかありません。

プランに従わねば議長に殺され、従ったらラクスに殺される。

どうせ死ぬのならば、少しでも苦しみが少ない方を選びます。

 

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「ミネルバに連絡を。レイ・ザ・バレルと

シン・アスカをこちらに寄こすように言ってくれ」

 

無論、彼らが動くであろうことは、議長も重々承知。

最終決戦を前にして、シンとレイを呼び寄せます。

当然のことながら、ルナマリアさんは呼ばれません。

 

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「雉も鳴かずば撃たれまい……」

 

迫る決戦を前にして、瞳を爛々と輝かせるラクス。

彼女がこれほどまでに対抗心を剥き出しにしたのは、

中の人の写真集の発売日が平野綾の写真集の発売日と被った時以来です。

 

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「いきなりああ来るとは思わなかった」

「うん、ほんとごめん……」

 

抗議の言葉を山ほど用意していたルナマリアさんですが、

部屋から出てきたシンがしょんぼりとしていたため、

あまり強くも言えず、憤懣やるかたない様子です。

 

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「議長の演説とデスティニープランのこととか話してて……」

「私もその話がしたくて行ったのに、何でレイったら……」

 

まさか「レイがクローンだった」とは言えず、

ルナマリアさんの言葉にも、心ここにあらずに答えるシン。

強化人間にクローンと、次々に現れる彼の常識を超えた存在、

次に宇宙人や未来人が現れてもおかしくありません。

 

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「シン! 大変だ!」

「えっと……誰だっけ? お前」

「ほら、あれよ、え〜っと……」

 

現れたのは凡人。

二人の元に慌てた様子で駆け寄るヴィーノ。

資料を確認するまで管理人も名前を忘れていた彼が現れたのは、

久しぶりに出番が欲しかったからではありません。

 

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「アルザッヘルが撃たれた! 連合のあのレクイエムで!」

「ええっ!?」

「なんですって!?」

 

まさかのレクイエム再発射の報に衝撃を受ける二人。

レクイエムは先日ルナマリアさんが砲のコントロールを破壊して

発射不能にしたはず。まさかあれは彼女の妄想だったのか。

 

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「基地に反攻の動きがあったんだ。

それをローラン隊が撃ったということだ」

「軍はあれを直したの!?」

 

横からレイが説明しますが、ルナマリアさんは気が気ではありません。

ジブリールのシャトルを取り逃がし、結果レクイエムを発射されたのに続き、

破壊したはずのレクイエムが、実は破壊できていなかったのだとしたら、

うっかりミスで間接的に最も多くの人を殺した人物として、

ガンダム史にその名を残すことになってしまいます。

 

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「言った通りだろ、シン。

例え良いことでもスムーズにはいかない」

「軍が直したのよね、私はちゃんと壊したわよね」

 

ルナマリアさんの質問を無視して話し続けるレイ。

その横で必死に自らの無実を訴えるルナマリアさん。

絶対に壊したもん。どかーんって大きな音がしたもん。

 

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「次は奴等が来るぞ。アークエンジェルが」

 

レクイエムの中継点へと向かうアークエンジェル。

世界の命運を決める決戦の直前だというのに、

オペレーションルームは病院の待合室のような雰囲気です。

後ろのガラの悪い方々は宇宙海賊か何かですか?

 

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「今度こそ奴等を討つんだ。オレ達が」

 

動揺するシンに決戦が迫っていることを告げるレイ。

自分に残された寿命も、番組に残された話数も短い。

唯一にして最大の障害であるアークエンジェルを倒せば、

あとはナレーションやテロップでどうとでもハッピーエンドにできます。

 

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「オレがアスランを……」

「フリーダムはオレが……」

「私は?」

 

「オレ達」って言っているのに、シンの方しか見ていないレイ。

当初は仲良し三人組の紅一点として活躍したルナマリアさんですが、

もはや、三人組で一人だけ九州吉本に左遷された我が家の杉山状態です。

『あんなに一緒だったのに』が、実は三人組でハブられた一人の視点の曲だったとは。

 

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「お前の望んだ世界を守るんだ!」

 

シンを真っ直ぐに見据えて決意を促すレイ。

シンが望んだのは、マユちゃんとラブラブで過ごす世界や

ステラさんとのんびりと過ごす世界だったのですが、

レイの言うことに何でも「うんうん」と従った結果、

いつの間にか高い次元の理想を持っていることにされています。

 

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「うん……」

(戦力として数えられていない?)

 

レイの勢いに押されて、戸惑いながらも頷くシン。

ガンダム史上最も低いテンションで最終決戦へと臨みます。

そんな彼を心配そうに見つめるルナマリアさん。

契約の更新を目指して彼女は戦います。

 

 

続く。