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【テキスト】キラ・ヤマトのファン感謝デー

 

2006.8.13

 

前回までのあらすじ

地上でザフトがヘブンズベースを攻略している頃、

私はラクス様の命を受けてコロニー・メンデルを調査していました。

廃棄されたコロニーはまるで幽霊でも出てきそうな不気味な雰囲気。

しかし私は勇気を振り絞って漆黒の闇の中へと突入したのです。

暗闇の恐怖、残り少ないエア、突如襲い来る便意、見つからないトイレ。

幾多もの危機を乗り越えてたどり着いた遺伝子研究所の奥。

そこで私はデュランダル議長に関する重大な秘密を発見したのです。

あっ、申し遅れました。私はダコスタ。マーチン・ダコスタです。

前大戦ではザフトの軍人としてバルトフェルド隊長の副官として仕え、

現在はクライン派の構成員として活躍中のおしゃまなキューティーです。

只今彼女募集中。好みのタイプはツン多めのツンデレです。

 

「ジブリールがいない!?」

「いないって……そんな!?」

「基地が降伏する前に、一人だけこっそり逃げたらしい」

 

ヘブンズベースを陥落させたルナマリアさんたち。

ロゴスを倒してようやくこの戦争も終結すると思ったのも束の間、

拘束したロゴスの中に、ジブリールの姿だけがありませんでした。

サマルトリアの王子並のすれ違いぶりに唖然とするルナマリアさん。

どうやらロゴスとの戦いはもう少し続くことになりそうです。

 

(あっ、タマ置いて来ちゃった……)

 

そのジブリールは一人シャトルで逃走中。

変装するつもりなど毛頭なく、今日もミズノのジャージです。

しかしヘブンズベースを失い、一体どこへ逃げ込むつもりなのか?

今、彼に味方しようものなら世界中を敵に回すことになります。

そんな危険人物を受け入れるバカな国など存在するはずが……

 

「ジブちゃん、お土産は何持ってくるかな?」

 

バカな国がありました。

オーブの空港でジブリールの到着を待つセイラン親子。

首長であるカガリが誘拐されてしまったことで、

オーブの実権は完全に彼らのものとなってしまいました。

と言っても、カガリを誘拐したのはキラたちなので、

彼らに文句は言えません。むしろ自業自得です。

 

「大丈夫? 何か食べれる?」

 

未だに海底で身を潜めるアークエンジェル。

メイリンちゃんの看病はミリアリアが担当しています。

以前アークエンジェルにいたザフトの捕虜とは違い、

非常に優しい対応です。メスで刺したりはしません。

 

「アイスとプリンとケーキが食べたい……」

 

寝汗でぐっしょりのメイリンちゃん。

熱が出ているものの外傷はなく可愛い顔も無事です。

お腹に「健康」と書いておいたのでもう心配ないでしょう。

ああ、その濡れた衣類一式を交換してあげたい。

 

「ミネルバに乗っていた子だよな。管制の」

「ああ……助けてくれたんだ」

 

アスランの容態もようやく落ち着いてきたようなので、

カガリは穏やかな口調で二人の関係を問い詰めます。

どうしてあの子がお前と一緒にいるんだ?

返答次第では怪我人といえどもただじゃおかないぞ。

 

「殺されるぐらいなら行けって……」

 

脱走の経緯を説明するアスラン。

救出の具体的な方法(特に脱衣の部分)については、

いらぬ誤解を生む危険性があるので黙っておきます。

「彼女が下着姿になった」なんて言葉をうっかり口に出そうものなら、

他の部分は聞いてもらえず、そこだけ突っ込まれるのがオチですから。

 

「ほとんど話したこともないのに……」

 

オレが彼女の好意に甘えて巻き込んだ。

無関係のメイリンちゃんを利用してしまったことに、

アスランは自らの無力さを痛感し苦悩している様子。

モテる男も色々と辛いんです。モテない男の方が辛いけど。

 

「お前のこと好きなんだろう……きっと」

「えっ?」

「彼女のことなら心配するな……」

 

しかしどうして彼女はオレを助けてくれたのだろう?

相変わらず色恋に関しての神経が欠如しているアスラン。

メイリンちゃんが自分を助けた理由が未だにわかっていません。

それを聞いてどこか寂しそうな顔になるカガリ。

メイリンちゃんがアスランに抱いている感情が恋心だということは、

いくらそっち方面に疎い彼女でもわかります。

自分もアスランと一緒にどこか遠くに逃げ出したいけど、

自分には守るべき国があるのでそういう訳にもいかない。

 

「ちゃんと私が始末……面倒見るから……」

「なぜ点滴を見る?」

 

最後にぼそりと呟くカガリ。

今はまだ子供だからアスランも意識していないが、

今後、女として目覚められたら、厄介な存在になる。

都合のいいことに彼女は病床。なら殺るしかないじゃないか。

 

「いや〜、もうまいりましたよ」

 

メンデルから帰艦したダコスタ君。

さっそく調査結果をラクスと虎に報告します。

遺伝子研究所の奥で彼は何を見つけたのでしょうか。

 

「こんなものしか……」

「ノート?」

「デ、デスノート……?」

 

何か重大な証拠を掴んだのかと思われましたが、

研究所のデータは何者かの手によって既に処分されており、

ダコスタ君が持ち帰ったのはたった数冊のノートのみ。

予想外の証拠品に反応に困るラクスと怯える虎。

このノートに一体何が? まさか本当にデスノート?

 

「ある意味、デスノートです」

 

それはデュランダル議長の同僚のものと思われるノート。

図やグラフなどがびっしり書かれている中に、

ダコスタ君は気になる一文を発見しました。

といってもダコスタ君は化学の成績はさっぱりなので、

赤ペンで書かれた上にアンダーラインまで引かれているから、

これは重要に違いないと勝手に判断しただけですが。

 

「こ、これは……!」

「ええ……」

「アデニンとかチミンとか懐かしい……」

「……」

「曲線のグラフが上手に書けなかったなあ……」

「いえ、それよりもこれ……」

 

懐かしの学生時代に思いを馳せる虎。

そういえば同窓会の案内が来ていたけどどうしよう。

クラスでも地味だったオレが虎になっているとはまさか思うまい。

でもみんながサラリーマンになっている中にオレなんかが行ったら浮くかな。

でも好きだったあの子に久しぶりに会いたいし。うーん、どうしよう。

 遠くへ行ってしまった虎を制するラクス。それよりも注目すべき箇所があります。

 

「デュランダルのデスティニープラン……」

「これは……?」

「デスティニープラン!」

「二回言った!?」

 

勿体つけて言った割には何も知らない虎。

謎の単語「デスティニープラン」とは一体何なのか?

ちなみに管理人の高校時代の友人の大田君は、

学校帰りにAVを借りに行くのを「V作戦」と言っていたので、

もしかしたら議長たちだけに通じる何かの隠語かもしれません。

 

「偵察型ジン!」

「ちいっ! 尾けられたなダコスタ!」

「ええっ〜!?」

 

さっそくグーグル検索ですわ。

ラクスがPCに向かおうとすると、突如艦内に警報が鳴り響きます。

どうやらダコスタ君のシャトルがザフトに尾けられていたようです。

好きな女の子の後を尾けるのが得意なダコスタ君ですが、

自分が尾けられていたことには全く気づいていませんでした。

 

「メンデルも見張られていたのかもしれません。私が迂闊でした」

「いえ、そんな!」

 

全てはこんなドジっ子に任せてしまった私の責任。

ラクスは申し訳なさそうに顔をうつむかせます。

虎さんの部下って時点で危険な香りに気づくべきでした。

「ダコスタ」って名前からして「タコすけ」みたいですし。

 

「ああ、迂闊なのはお前だ!」

「アッー!」

 

このうっかりさんめ!

ミスを犯したダコスタ君に虎からきつーいお仕置き。

後ろから首を締め上げ、指はしっかり穴に入っています。

 

「艦を出しましょう、虎さん、今すぐに」

 

もはや逃げ切れない。応戦しようにもこちらには戦力がない。

最悪の状況に重苦しい空気に包まれるブリッジ。

その沈黙を打ち破るようにラクスが凛とした声で告げます。

勝つためではなく守るために。エターナルを発進させます。

 

「キラ君、すぐにブリッジへ!」

「エターナルが?」

 

エターナルがザフトに発見され発進した。

突然の報告に騒然となるアークエンジェル。

アスランとの再会で浮かれていたキラの表情も青ざめます。

今の今まで彼女が宇宙にいることをすっかり忘れていました。

 

「ラクス……?」

 

眠っていたアスランもこの騒ぎに目を覚ましました。

みんなが言っているのは本物のラクスのことだろう、

彼女の姿が見えないと思っていたら宇宙にいたのか。

自分の知らない間にそんなことになっていたとは……

 

「うふふふふ……」

 

思い出すのは前の大戦、コンサートホールでの出来事。

自分が銃口を向けても動じずに笑っていた彼女。

あの不敵な微笑みが今も脳裏に焼きついて離れません。

 

「ヒイイイイィィィ〜!」

「お、おい!?」

 

よみがえるトラウマに苦しみだすアスラン。

あの出来事以来、アスランの女性恐怖症は更に深刻化。

ピンク色の物を見るたびに怯えるようになり、

大好きだったラスクも食べられなくなりました。

 

「何か隣の奴がジタバタうるさいんだけど?」

 

見かねたネオはブリッジに通信を繋ぐと、

キラにアスランからのメッセージを伝えます。

キラ、行け、ラクスを守るんだ。

絶対に……彼女を失ったら全てが終わりだ。

(オレは一生トラウマを背負って生きることになる)

 

「カガリ! ルージュ貸して!」

 

アスランの一言に背中を押されたキラ。

救出に向かおうにも乗る機体がないので、

カガリのストライクルージュを借りて出撃します。

オーブの象徴であるストライクルージュですが、

まるでシャーペンの芯でも借りるかのような物言い。

その勢いに押されてカガリも思わず使用を許可します。

 

「ミサイル来ます!」

 

降下軌道まで必死に逃げるエターナル。

追撃するはナスカ級3隻と20機以上のモビルスーツ隊。

いくら足自慢のエターナルといえども、

高機動のモビルスーツから逃げ切るのは不可能。

浴びせられる無数のミサイル。墜とされるのは時間の問題です。

 

「今行くよ、ラクス!」

 

恋人のピンチにキラも久しぶりに熱血モード。

ストライクルージュにブースターを取り付けると、

いつものように出撃前に名乗るのも忘れて急発進。

宇宙にいるラクスの所まで、文字通りぶっ飛んで行きます。

 

「何だかなあ……」

「ねえ……」

 

自分たちを助ける時とのテンションの違いに、

どこか納得がいかない様子のカガリとマリューさん。

気持ちはわかるが、あまりにも差をつけすぎじゃないか。

 

「砂漠の虎の恐ろしさ、見せてやる!」

 

エターナルのピンチに虎は搭載していたガイアに乗り込むと、

ダコスタ君にコスパで買って来させた虎スーツを着て出撃します。

正面から見ると虎に食われている人にしか見えませんが、

こんな格好のまま死ぬわけにはいかないという重圧を与え、

パイロットの集中力を高めるために開発された製品なのです。

でも虎の場合は普通におしゃれ着として着ています。週三はこれです。


「しまった! ガイアは虎じゃなくて犬だワン!」

 

重大な事実に気づいてしまった虎。

そもそも「砂漠の虎」として名を馳せた彼、

重力のない宇宙での戦いは得意ではありません。

 

「使えませんわ」(さっさとしね!)

 

頼みの虎も全く役に立たず。ラクスの表情にも焦りの色が浮かびます。

キラには「オレが命に代えても守る」なんて言っていたのに。

そもそも虎さんは約束したことさえ覚えてないんじゃないかしら。

 

「これで終わりだ!」

「ああっ、いつものパターンですわ!」

 

その時、一機のザクが弾幕を潜り抜けてブリッジの正面に。

構えるはルナマリアさんがよく外すことでお馴染みのオルトロス。

あの極太ビームを食らったら一溜まりもありません。

ラクスたちの戦いはこんなところで終わってしまうのか――

 

「ストライク!?」

 

ということでいつものパターン。

発射寸前のオルトロスの銃口を貫く一条の光。

驚いた虎が視線を向けた先には見覚えのあるモビルスーツが。

キラか? いやシールドがピンクだからカガリ? 二人乗り?

 

「ラクス!」

「キラ!」

 

キラが宇宙まで自分を助けに来てくれた!

今まで凛とした表情を崩さなかったラクスも、

これには恋する乙女の表情になって大喜びです。

このサイトをご覧の女性の方(いるのか?)は、

自分がラクスの立場だったらと想定して萌え死んでください。

もちろん男性の方も同様に萌えていただいて構いません。

 

「じゃまだじゃまだじゃまだあ!」

 

ラクスに危害を加える奴には問答無用。

神速の速さでビームライフルを放つストライク。

ザフトのモビルスーツ隊を次々と撃墜していきます。

久々のストライク搭乗にもその腕は全く衰えていません。

ヤマト名人往年の16連射が今ここに復活しました。

 

「うわっ!」

 

しかし名人も兵器の近代化の波には勝てず、

オルトロスにシールドごと左腕を破壊されてしまいます。

旧型のストライクと量産型とはいえ最新型のザクでは、

キラの腕でもカバーできないほどの性能差があります。

(でもルナマリアさん相手なら普通に勝てそうですが)

 

「バカ! だったら早くエターナルに入れ!」

「えっ?」

「お前の機体を取って来い!」

 

つい勢いでここまで来ちゃったけどどうしよう?

自分が加勢しても不利な状況は変わらずに焦るキラ。

この場は虎さんを囮にして僕たちだけでも逃げようか?

そんなことを思っていると虎が近づいて何やら進言。

どうやらエターナルに自分の機体があるとのこと。

この場は虎に任せて、キラはエターナルへと向かいます。

 

「キラ!」

「ラクス様!?」

 

キラとの再会を待ちきれないラクス。

ダコスタ君をブリッジに残して、自分はキラを迎えに行きます。

結果、ラクスに代わってダコスタ君が艦長代理を務めることに。

ブリッジにいる他のクルーのテンションは凄い勢いで下がっていきます。

 

「緊急着艦システム用意!」

 

キラはカガリが見たら卒倒しそうなほど機体を壊しながらも、

何とかエターナルに着艦成功。急いでラクスの元に向かいます。

 

「キラ!」

「ラクス!」

 

ついに再会を果たしたキラとラクス。

二人はお互いの存在を愛おしむように抱き合います。

しかし今は再会の喜びに浸るより先にやらねばならぬことが、

キラの機体が用意されているという格納庫に急ぎましょう。

 

「ここはオレが食い止める! 急げ、キラ!」

 

虎も最後の力を振り絞って応戦。

お前が来るまでオレが何とか持ちこたえてみせる。

だから出来るだけ早めに来てくれ。お願いだから。

 

「ラクス……」

「キラ……」

「君がここにいる、それが本当に嬉しい」

「私もですわ、キラ……」

 

虎の孤軍奮闘など知ったこっちゃなく、

二人はイチャイチャイチャイチャイチャイチャ。

 

「ぐおおおおおっ!」

 

敵の集中砲火を浴びる虎のガイア。

元の色である黒のカラーリングにしておけば良かったものの、

虎の趣味でバーミリオンなんかに機体を染めてしまったものですから、

目立ちまくりの標的にされまくり。このままバターになるのも時間の問題です。

 

「ラクス……」

「キラ……」

「ラクス……」

「キラ……」

 

虎が敵の攻撃を受けてフラフラになっている頃、

二人は目をキラキラさせながら見つめ合っていました。

まるで戦闘中とは思えないほどの甘いムード。

格納庫ではなくこのまま寝室に向かいそうな勢いです。

 

「オレはアンディ、諦めの悪い男……」

 

絶体絶命のピンチ。何とか根性で乗り切ろうと耐える虎。

しかし実際に根性で装甲が回復するわけありません。

もう限界だ! キラはまだ来ないのか!? 

機体の調整が思った以上に手間取っているのか?

 

「キラ……」

「ラクス……」

「キラ……」

「ラクス……」

 

別角度から見つめあう二人。

もはや虎の存在はおろか、今が戦闘中ということも忘れ、

世界に自分たちしか存在していないような雰囲気です。

 

「ダコスタ君……僕はもう疲れたよ」

「た、隊長!?」

 

ついに生きることを諦めてしまった虎。

天国にいるビビアンの元へと旅立って行きます。

このままデッドエンドでタイガー道場行きか。虎なのに。

 

「これが……僕の新しい機体……」

「ええ……」

 

ようやく格納庫に到着した二人。

ラクスによって開かれる格納庫のハッチ。

そこでキラが目にした物とは――

 

「……微妙だね」

「違います」

 

メイドみたいなフォルムの機体に愕然とするキラ。

主人公が乗るにはなかなか奇抜なデザインだけど、

これに僕とアスランとカガリが乗って戦うの?

たぶん踏み台にされるのはカガリだな。一番似合いそう。

 

「これは……」

 

完璧超人が隠し持っていたのは巨大戦艦だけではありませんでした。

そこにあるのは失われたはずの翼――ストライクの名を宿した新たなフリーダム。

その神々しさすら漂わせる姿にキラも一瞬言葉を失います。

「君はあらかじめフリーダムが墜とされるのを想定していたのかい?」

と突っ込みたいところですが、ラクスの反応が怖いのでやめておきます。

 

「ありがとう……これで僕はまた、ちゃんと戦える」

 

穏やかに笑みを浮かべるキラ。彼の言う「ちゃんと戦う」とは、

圧倒的な力で一方的に敵を殲滅することを指すのか。

何はともあれ、キラとフリーダム、最強コンビの復活です。

 

「待ってて。すぐに戻るから」

「キラ……」

「そして帰ろう、みんなのところへ」

 

嬉しそうなキラをよそにラクスは複雑そうな表情。

以前、屋敷の地下でフリーダムを渡したとき同様、

恋人を戦場に送り出すことに彼女は躊躇っているようです。

しかし彼女の心配をよそにキラはやる気満々。

どちらかという早く乗ってみたくて仕方ありません。

 

「CPG設定完了。ニューラルリンケージ、イオン濃度正常。

メタ運動野パラメータ更新。原子炉臨界。パワーフロー正常。

『ニュータイプ』好きなアニメキャラクターランキング第一位。

『アニメディア』好きなアニメキャラクターランキング第一位。

『アニメージュ』好きな男性キャラクター部門・声優部門第一位。

全システム、オールグリーン。ストライクフリーダム、システム起動」

 

キラはストライクフリーダムのコックピットに乗り込むと、

お馴染みの高速タイピングでシステムを起動させていきます。

 

「キラ・ヤマト、フリーダム行きます!」

 

ラクスのアナウンスに送り出されて、

キラはストライクフリーダムを発進させます。

これまでは流されるままに嫌々戦っていたキラですが、

今の彼の目に宿るのは強い決意の光。こうなった時の彼は強いです。

 

「フリーダム!?」

 

戦場に舞い降りる白い天使(悪魔?)

すでに勝利を確信していたザフトの兵士たちは、

突如戦場に乱入してきた謎のモビルスーツに大混乱。

それが伝説のフリーダムだと視認するもそれだけ。

次の瞬間には武装とメインカメラを撃ち抜かれ戦闘不能に。

自らの甘さからシンにフリーダムを墜とされたキラですが、

相変わらず不殺を貫いているようです。全く懲りていません。

 

「もらった!」

 

いやらしい感じに巻きつくグフのスレイヤーウィップ。

これではストライクフリーダムといえども身動きが取れません。

調子に乗りすぎて油断してしまったのでしょうか?

 

「いけぇ!」

 

否。それは油断ではなく油断を誘うための罠。

直後、一斉に放たれるストライクフリーダムの新たな翼。

スーパードラグーンシステムによるオールレンジ攻撃です。

限りなく降り注ぐ回避不可能の攻撃。逃れる術などありません。

 

「こ…これは!」

「うわあああああっ!」

 

実力差に比例して撃墜時のリアクションが大きくなる本作。

ラクス暗殺部隊隊長の持つ最高記録には及びませんが、

ザフトの兵士たちは心地よい悲鳴を上げながら散っていきます。

 

「ターゲット確認……マルチロック」

 

そして飛び出すキラとフリーダムの十八番。

マルチロックオンシステムによる同時ロックオン。

レーダーに捉えられた段階で既に勝負は決しています。

 

「いっけええええっ!」

 

開放される全砲門。

ドラグーンも射出してのネオハイマットフルバースト。

漆黒の宇宙を鮮やかに染め上げる無数の閃光が、

一瞬のうちにザフトのモビルスーツ隊を全滅させます。

 

「わずか2分で25機のザクとグフが全滅だと?」

 

自慢のモビルスーツ隊がコンスコーンと撃墜され、

A・Rさんの記録を大幅に塗り替える世界新記録を達成。

ありえない展開にザフト艦長も言葉を失います。

 

「全砲門開け! 撃ち落とせ!」

 

ナスカ級3隻はストライクフリーダムに一斉攻撃。

ストライクフリーダムはその攻撃を軽々とかわすと、

腰部レールガン――クスィフィアス3を放って反撃。

直撃を食らったナスカ級は制御を失います。

 

「行け! ドラグーンたち!」

 

続けてドラグーン全基射出。

眩い光を放ちながら宇宙を翔ける蒼龍。

ナスカ級の周囲を取り囲むように拡散します。

 

「当たれええええっ!」

 

絶叫と共に覚醒するニュータイプ能力。

最強のコーディネーターにしてニュータイプという、

シリーズ歴代最強のパイロット論争に終止符を打つ、

人類最強の存在が今ここに誕生しました。

 

「スラスター大破! 航行不能です!」

「そんなバカな!」

 

ドラグーンから一斉に放たれるビームは、

ナスカ級3隻の武装と動力部のみを貫きます。

ザフト圧倒的優位な状況からのまさかの敗北。

そりゃあ「そんなバカな!」とも言いたくなります。

 

圧勝。

 

颯爽と戦場を後にするストライクフリーダム。

「反則」という言葉を具現化したらこうなります。

 

 

続く。

 

 


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