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【テキスト】Heavens Fall

 

2006.7.4

 

前回までのあらすじ

いよいよ始まるヘブンズベース攻略戦。

宇宙のイザークも作戦会議を開いて対策を練ます。

(会議に呼ばれなかったディアッカは部屋でふて寝)

着々と進行するザフトと同盟軍による攻撃準備。

はたしてロゴスと地球軍はどう出るのでしょうか?

降伏勧告への回答期限まで、残り2時間――

 

「えっと、このスイッチは?」

 

出撃に備えて機体を整備するルナマリアさん。

シンがデスティニーに乗ることになったため、

お下がりで彼女がインパルスに乗ることになりました。

 

「フン、調子に乗っていられるのもここまでだにゃ」

「にゃあ」

 

迎え撃つジブリールと他のロゴスメンバーたち。

もはや袋のねずみと化したはずの彼らですが、

その表情からはどこか余裕が伺えます。

一体何故? 秘密兵器でも用意しているのでしょうか?

 

「頼みますよ、スカンクさん」

「スティングだ」

 

彼らの秘密兵器――それは意外な人物でした。

先日の爆発から奇跡の生還を果たしたスティングです。

あの絶望的な状況からどうやって助かったのか? 理由は簡単。

ギャグキャラは爆発しても髪がアフロになるだけで死なないのです。

 

「インパルス、やっぱりすごいね。扱えるかな……」

 

出撃を待つシンとルナマリアさん。

ようやくガンダムのパイロットになれたというのに、

ルナマリアさんの表情は暗く沈みこんでいます。

ザクは十字キーとABボタンだけで簡単に操作していましたが、

インパルスはXYLRボタンやスーパースコープなど様々な装置を使用します。

PS2もGCもDSも全部「ファミコン」って言っちゃうようなルナマリアさん。

複雑な操作が覚えられずに苦労しているようです。

 

「でもあいつらが……ロゴスが狂わせたんでしょ。アスランもメイリンも」

 

でも落ち込んでばかりはいられない。

二人の大切な人を変えてしまったロゴス。

その悲しみを怒りに変えて、彼女はこの戦いに挑みます。

(実際のところ、彼らとロゴスは全然関係ないのですが)

 

「そんな子じゃなかった……」

 

今は亡き妹を想うルナマリアさん。

蜂の巣を突いて遊ぶような無邪気な子だった。

泣き虫で、甘えん坊で、私がいなきゃ何もできない。

あの子が軍を裏切って脱走なんてできるはずがない。

 

「アスランもきっと……オーブになんか行かなかったら……」

 

妹に続いてルナマリアさんが想うのは、

尊敬すべき上官であり、片思いの相手でもあったアスラン。

彼女にとってはある意味、妹以上に特別な存在です。

 

「ずるいのよ、アスランって……」

 

思い出すのはディオキアのホテルでの悲劇。

ルンルン気分でアスランを朝食に誘いに行ったら、

そこには勝ち誇った笑みを浮かべるラクス様(ミーア)が。

17歳の乙女のガラスのハートは粉々に砕かれました。

 

「グッバイ……マイラブ……」

「ル、ルナ!?」

 

辛い過去を思い出してしまったのか、

突如泣き出してしまったルナマリアさん。

大丈夫、君は可愛いからすぐに新しい人が見つかるさ。

作中では触れられてないけど、アーサーなんてもっと悲惨だよ。

 

WARNING!

 

これから先は心臓の弱い方は要注意のシーンがあります。

そう、全国のルナマリアファン(かつシンがあまり好きではない方)および、

アスルナでレビューしていたサイトを絶望の底に叩き落したキスシーンです。

管理人的にはシンもルナマリアさんも好きなので、

二人がキスしようが何しようが特に問題はないのですが、

そういったシーンは書くのが恥ずかしい。

 

「でも……負けないからっ!」

 

これ以上シンに心配をかけさせるわけにはいかない。

ルナマリアさんはそう言って笑って見せますが、

その声は震えていて、虚勢を張っているのが丸分かりです。

 

「だからシンも……ねっ?」

「ルナ……」

 

それでも泣きながらシンを元気づけるルナマリアさん。

自分よりも彼女の方がずっと辛いはずなのに……

その健気さにシンも我慢していた感情を堪えることができません。

 

「ほら、泣かないの……」

 

男の子なんだから泣いちゃダメでしょ。

半ベソのシンを優しくあやすルナマリアさん。

メイリンちゃんが子供の頃もよくこうやってあやしていました。

その頃から育まれた根っからのお姉さん気質です。

 

「ぐひん……」

「コラ、泣くな!」

 

しかし泣き虫大国オーブ出身のシンちゃん。

そんな彼女の優しさが余計に胸に突き刺さります。

 

「ルナっ!」

「えっ!?」

 

感極まったのか、突然ルナマリアさんに抱きつくシン。

予想外の行動にルナマリアさんもびっくりです。

 

「ルナ……ルナぁ……」

「シン……?」

 

どさくさ紛れに胸でも触ってきたら張り倒そうと思っていましたが、

シンは彼女を抱きしめながら、子供のように泣きじゃくるだけ。

普段は生意気なシンが見せる弱さにルナマリアさんの母性本能が大爆発。

震えるシンの体を何も言わずに優しく抱きしめます。

 

「シン……」

 

シンと一緒になって涙を流すルナマリアさん。

どうしてこんなことになってしまったのだろう。

彼らを取り巻く状況は一瞬にして全てが変わってしまいました。

残されたのは二人だけ(レイの存在は忘れられています)。

ならばせめて腕の中にある存在だけは守りたいと彼女は思います。

君が死ぬ時が私が死ぬ時、君と私は……

 

(一心同体だーーー…)

 

ついに運命の相手を見つけたルナマリアさん。

彼女の戦いはこれからも続いていきます。

長い間、応援ありがとうございました。

 

 

ルナマリア様がみてる(完)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【新連載】ルナマリア様からみくる

                                                                                                                       

「いつになったら、大人になれるのかなぁ?」

 

すっかりガンダムサイトとして認識されている当サイトですが、

いつまでも一年前に放送されたアニメを紹介していては、

激動するテキストサイト界の荒波に取り残されてしまいます。

ということで新たにレビューするのが「涼宮ハルヒの憂鬱」です。

原作小説や主題歌CDなども含めて春アニメの話題を独占している本作。

例によって管理人は小説を数冊読んだだけでアニメは見ていないのですが、

テキストサイトの管理人として、このブームに乗らない手はありますまい。

放送は既に最終回を迎えており、乗り遅れてしまった感は否めませんが、

ファーストガンダムやエヴァなどは放送終了後から更に盛り上がったので、

そうなることを信じて、これからはハルヒサイトとして邁進していきます。

 

「今日は活きの良い白菜が大量入荷で〜す」

 

ここはとある商店街の八百屋さんの店頭。

あられもないバニーガール姿で白菜の宣伝をする少女。

彼女の名前は朝比奈みくる。県立北高校の二年生です。

ごく普通の健気で可愛らしい少女に見えますが、

実は未来からやって来た戦うウェイトレスなのです。

これまで25年連続でトップだったドラえもんを抑えて、

未来から来て欲しいキャラクター第一位に選ばれた彼女。

このサイトでは彼女を中心にレビューしていくことにします。

 

「少ないけどこれ、取っといて」

「そ、そんなっ、全然ですっ!」

 

こんな子がバニーガールの衣装を着てくれるのなら、

個人的にはいくらでも出せますが、そこはあくまで商店街。

彼女に支払われるのはわずかながらの給料です。

そんな薄い給料袋を大事そうに胸元にしまい込むみくる。

給料袋になりたいと思ったのは生まれて初めてです。

 

「ううっ〜……」

 

いつも元気なみくるですが、そこはやはり年頃の女の子。

同じ高校の謎の転校生、古泉一樹の存在が気になる様子。

仕事中に彼の姿を発見して、思わず物影に隠れてしまいます。

俯き頬を赤らめた表情が何ともいえず可愛らしい。

それがたとえ水虫の旗の後ろであろうとも。

 

「……」

 

しかしそんな平穏な日常は長く続きませんでした。

突如現れた怪しげな魔法使い。同じ高校の長門有希です。

一見すると何を考えているかわからない不思議少女に見えますが、

実際にその通りです。というか人間ですらありません。

彼女の正体は情報統合思念体によって造られた、

対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。

平たく言えば宇宙人なのです。

 

「どきどき……」

「……」

 

そんな二人が早くも激突します。

戦うことになった詳しい経緯はわかりませんが、

どうやら先ほどの古泉を巡って一悶着あるようです。

 

「一樹君を貴女のおもりどおりにはさまさせせん!」

 

戦いを前に決めポーズと決め台詞を炸裂させるみくる。

台詞の後半部分が怪しい感じですが、噛んでなどいない。

むしろ言い直すことで相手に強烈な印象を与えることに成功しています。

 

「……」

 

しかし長門は無反応。

これは余裕なのか、元から無口で無表情なだけなのか。

この二人の対決、アニメ史上に残る激闘になりそうな予感です。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん……」

「ううん……」

 

上記の新連載は当然ながらネタなのですが、

これ以上続けると本気で勘違いされそうなので本編に戻ります。

深い絶望の中で互いを求め合った二人。

それがたとえ傷を舐め合うだけの関係であっても、

今の彼らには守るべき相手が、戦う理由が必要なのです。

 

「インパルスは絶対、オレが守るから」

「えっ……」

 

シンの一言に戦慄を覚えるルナマリアさん。

守る――男なら好きな女の子に一度は言ってみたいセリフですが、

この作品では言われた方に死亡フラグが立てられる死の宣告。

私のことを思ってくれるシンには悪いけど、そんな約束はいらない。

 

「……………」

 

アスランの死に悲しんでいる女の子がここにもいました。

彼の死後、ミーアは自室に引きこもり沈みこんでいます。

彼女の脳裏に浮かぶのは、あの雨の日の出来事。

差し出された手。それを掴めなかった自分。戸惑う彼の表情。

思い出すたびに胸が締め付けられるように痛みます。

あの時、私は一体どうすればよかったの?

しかしいくら悩んでも彼女は一人。答えは出ません。

 

「すやすや……」

「かわいいね」

「かわいいな」

 

そんな死んでしまったはずのアスランですが、

キサカたちによってアークエンジェルに搬送され、

今はキラとカガリに見守られながらすやすやと熟睡中です。

キラとカガリ、どちらか一人が部屋を離れたら、

もう一人がアスランの寝込みを襲いかねないので、

室内は見た目以上の緊張状態にあります。

 

「敵軍ミサイル発射!」

「ええっ〜!?」

「何だと!?」

 

一方、こちらは長らく続いた緊張状態から急展開。

連合が何の返答もないまま、突然ミサイルを放ってきたのです。

今回の作戦では議長がミネルバに同乗しているので、

冷静なところを見せて評価を上げたかったアーサーですが、

早くも今日一発目の面白リアクションを見せてしまいます。

 

「むにゃ……」

「アスラン……」

 

両軍による戦闘の火蓋が切られた頃、

ようやくアスランが長い眠りから目を覚ましました。

朦朧とした意識の中、目に映るのは見知らぬ天井。

ここはどこだ……?

 

「アスラン」

「……キ……ラ……?」

 

自分の名前を呼ぶ懐かしい声に気づいたアスラン。

見上げた先には、以前と変わらぬ柔らかな笑みを浮かべる親友の顔が。

ダーダネルスで決別し、クレタでセイバーをバラバラに斬り刻まれて以来の再会。

本来ならば気まずい対面となるはずでしたが、この状況では関係ありません。

ケンカ別れした友人と仲直りしたい時は、相手が入院するのを待ちましょう。

 

「天国……?」

「大丈夫だよ、君、ちゃんと生きてる」

 

どうして死んだはずのキラがここに?

オレも死んで天国に来てしまったのだろうか?

混乱するアスランの顔に優しく触れるキラの手。

その肌の温もりが彼に生きているという実感を与えます。

よく考えたら、オレたちが天国に行けるはずはないな。特にキラは。

 

「うん……こ……」

「あっ、ダメだよ!」

 

意識の回復と同時に便意を催したアスラン。

レビューのセリフは創作と原文のままがありますが、

ここは何度再生しても「うんこ」としか聞こえませんでした。

 

「いや……うんこ……」

「動かないで」

 

起き上がろうとするアスランを強引に寝かしつけるキラ。

まだ目が覚めたばかりなんだから、無理しちゃダメだよ。

ちょっと待ってて。今、尿瓶とオムツ持ってくるから。

 

「さあ、行くぜえええぇっ!」

 

戦場では、モビルスーツ群を引き連れてデストロイが再登場。

驚愕すべきはその数――スティング機を含めてなんと五機。

巨大兵器が登場するたびに叫ばれる「量産の暁」がついに実現です。

ドズルもきっと草葉の陰で喜んでいることでしょう。

 

「あ、あれが五機!?」

 

聞いていないよ!

アーサーも会心の面白リアクションで反応します。

注目すべきはこの表情。まさにプロのリアクション芸人です。

もしアーサーが五人いたら……想像したくもありません。

 

「アヒャヒャヒャヒャ! 最高だぜ、こりゃあ!」

 

五機のデストロイはその圧倒的な火力で一斉攻撃、

海上のザフト艦隊を一瞬のうちに薙ぎ払っていきます。

超気持ちいい! 狂気に顔を歪ませるスティング。

基地のトイレがウォシュレットになった時も同様の反応でした。

 

「直上にザフト軍降下ポット現出」

 

連合の奇襲を受けて劣勢のザフトも反撃を開始。

イザークが立案したモビルスーツ隊の降下作戦です。

何てったってザフトの本拠地は宇宙。

制空権は成層圏の遥か上、初めから彼らの手にあるのです。

 

 

「ニーベルング、発射準備完了」

 

勿論、連合もそれがわからないほどバカではありません。

ザフト軍の降下と同時に山の形に擬装していたシャッターが開き、

中から対空掃射砲「ニーベルング」が姿を現します。

 

「これは……こんな!」

 

それは神に抗う者を冥界へと誘う光。

上空の降下部隊は一瞬にして塵と化します。

作戦の失敗に「お前らの死は無駄にはしないぜ」と涙するイザーク。

宇宙からの援護を諦め、地上のミネルバに全てを託します。

 

「ルナマリア・ホーク、ザ……コアスプレンダー行くわよ!」

 

これ以上の暴挙を許してはいられない!

自軍の危機にルナマリアさんたちが出撃します。

アスランとメイリンの仇――ロゴス。

私たちが絶対に倒してみせる!

 

「メイリン……彼女は……?」

「大丈夫、無事だよ」

 

キラから説明を受け徐々に現状を理解してきたアスラン。

同乗していたメイリンちゃんも無事と聞いて一安心です。

自分たちの弔い合戦が行われているとは知る由もありません。

 

「てえぇぇぇい!」

 

いよいよ戦闘開始。

気合いを込めてトリガーを引くルナマリアさん。

インパルスでのデビュー戦。はたして奇跡は起こるのか?

 

「当たった!」

 

放たれたビームは以前見たような構図で敵に命中。

使いまわしの作画がまさかこんな形で役に立とうとは。

ありがとうシン。ありがとうアニメ製作現場の過密スケジュール。

 

 

「見える……私にもなんとなく敵が見える!」

 

確かな手ごたえを感じるルナマリアさん。

今までは私の射撃が下手だから当たらないんだと思っていたけど、

それは大きな間違いだった。全てはモビルスーツの性能の差だったのよ。

アムロだって偶然乗ったのがザクだったら一話で死んでいたわ。

 

「危ない!」

「えっ?」

 

撃墜の喜びに打ち震えるルナマリアさん。

真下から狙われているのにも全然気づいていません。

彼女のピンチにシンが慌ててかばいます。

 

「迂闊だルナマリア。飛んでんだから下からも撃たれるぞ」

「ご、ごめん……」

 

不注意をシンに怒鳴られてルナマリアさんも反省しきり。

ザクでの地上戦(2D)とインパルスでの空中戦(3D)では、

ギャラガとエースコンバットぐらい勝手が違います。

 

「アスラン……」

 

アスランの元に駆けつけたカガリ。

早くもその瞳にはうっすらと涙が滲んでいます。

ヒロインの中では男らしく思われがちなカガリですが、

泣いた回数では他の追随を許さず断然のトップです。

今作では登場するたびに泣いているのではないでしょうか。

 

「お前……その指輪……」

 

頬を撫でるカガリの柔らかな手。

その指に光るのは自分が彼女に送った指輪。

あんなに酷いことを言ったのに、お前、まだオレのことを……。

無言のツンデレアピールにアスランの胸も熱くなります。

どいつもこいつも戦争中にラブコメしやがって。

 

「お前たちなんかがいるから、世界は!」

 

再び目の前に現れたデストロイ。

シンの脳裏に否応なくステラさんのことが浮かび上がり、

湧き上がるロゴスへの怒りによって戦闘力が倍増します。

スティングの乗るデストロイの右腕を一太刀で斬り落とすと、

続けざまに頭部を掌ビームで破壊。圧倒的な強さです。

 

「シン……恐ろしい子」

 

眼前で繰り広げられる光景に絶句する艦長。

インパルスを遥かに凌駕する性能を持つデスティニー。

シンは既にその機体を完全に使いこなしている。

 

「すごい! これはまたすごいですよ! シン」

 

いけいけ、強いぞ、僕らのデスティニー。

シンの活躍にアーサーは拳を握り締め大興奮です。

いやぁ、私も彼らのようにパイロットになれば良かった。

エクスカリバーなんて私のために造られた武器だろうし。

 

「さあ、艦長もご一緒に! ハッスル!ハッスル! ………あれ?」

 

盛り上がるアーサーをよそに、

艦長は戸惑いを感じているようです。

多くの都市を壊滅させた連合の怪物デストロイ。

では、その怪物を軽く蹴散らしているこちらのモビルスーツは何なのか。

 

「どうしてこんな……」

 

久しぶりに再会したアスランの痛ましい姿に号泣するカガリ。

次に会うときはお帰りのキスとかで出迎えようと思っていたのに。

ああ、チューしたい。アスランとチューしてえよぉ。

 

「ニコル……久しぶりだな……」

 

傍らで泣き崩れるカガリをよそに薄れていくアスランの意識。

目の前にあるのは川と「黄泉行き」と書かれた渡し舟。

川の向こうではニコルや西川さんが自分を手招きしています。

 

「そっち行っちゃダメー!」

 

未亡人の危機に泣き叫ぶカガリ。

アスランの体をゆっさゆっさと揺らして、

旅立とうとする魂を何とか現世に留まらせます。

 

「二号機、撃墜されました!」

 

戦況はザフトが優勢――というか圧倒。

三機(おまけの一機含む)の投入から全てが変わりました。

まずはレイのレジェンドがデストロイを撃墜。

今まで戦闘においてはどうにも地味だったレイですが、

レジェンドに乗り換えた途端に大活躍です。

スパロボでは後半まで辛抱して育ててあげましょう。

仲間になるかどうかはわかりませんが。

 

「でやああああああっ!」

 

デスティニーも光の翼を展開させてデストロイに強襲。

アロンダイトを抜き放つと正面から一刀両断。

たった一撃でデストロイを撃墜させます。

 

「まずい……私だけ倒してない……」

 

流れに乗り遅れてしまったルナマリアさん。

一人だけ得点していないフォワードの気分です。

彼らに負けじと何とかしてデストロイを倒したいところですが、

デストロイを倒したのはフリーダムなので作画の使いまわしもできません。

一瞬だけフリーダムに変わっていても、視聴者は気づかないんじゃないかしら。

でも、アニメ(特にガンダム)の視聴者って、そういう細かいところ見てるからなぁ。

 

「議長は……議長は……」

 

苦痛に顔を歪めるアスラン。

それでもキラたちに議長の真の目的を伝えなければと、

声にもならない声で懸命に言葉を紡ごうとします。

 

「うぅ……アスランかわいそう……」

「アスラン、もういい。今は喋らないで」

 

その痛々しい姿にまたも号泣するカガリ。

このままでは彼女の涙で艦が水没してしまう。

キラはアスランに今は無理をせず眠るように訴えます。

こうしてまた出会えた。僕たちはまたいつでも話せる。

これからは二人一緒の部屋で寝よう。温泉にも一緒に入ろうね。

 

「ぐぅ……」

「あっ、本当に寝ちゃった……」

「かわいい……」

 

キラの言うことには素直に従うアスラン。

のび太の持つ世界記録を上回る速さで眠りにつきます。

この後、カメラを持ったミリアリアが呼ばれて、

寝顔撮影会が行われたのは言うまでもありません。

 

「あちょ〜!」

 

デストロイには近距離からの剣による攻撃が有効。

シンの指示でソードシルエットに換装させたルナマリアさん。

デストロイに飛び掛り、エクスカリバーを振り下ろします。

 

「やったあ!」

 

ルナマリアさんが放った渾身の一撃は、

偶然にも整備の人が手抜きをした部分の装甲を直撃。

デストロイは炎を上げながら墜落し大爆発。

あのルナマリアさんが連合最強と名高いデストロイを倒した。

全国のルナマリアファンはクララが立ったとき以来の感動に包まれます。

 

  

「やるなルナマリア、たいしたものじゃないか」

 

普段は彼女に冷たいレイもその活躍を賞賛。

何となく上からの目線なのが気になりますが、

ここは素直にその言葉を受け止めておきましょう。

そうなんです。この子はやればできる子なんです。

 

「忘れてた? 私も赤なのよ!」

 

ふふーん、と誇らしげに笑みを浮かべるルナマリアさん。

一部では「緑服を自分で赤く染めたのではないか?」

というあまり冗談に聞こえない噂も飛び交っていた彼女ですが、

ようやく赤服としての面目躍如。ちなみに現在37話(放送では38話)です。

 

「うおおおおおおっ!」

 

再度激突するシンのデスティニーとスティングのデストロイ。

コックピット目掛けて突撃するデスティニーに対して、

デストロイは胸部の巨大ビーム砲を放って反撃します。

しかしシンは怯まずにデスティニーのシールドを展開して突撃。

両者の気迫がぶつかりあう死闘の末に勝ったのはシン。

アロンダイトがデストロイのコックピットを貫きます。

 

「へへ……」

 

鋼鉄の刃に貫かれる体。鮮血に染まるヘルメット。

いくら頑丈なスティングとはいえ、これではもうダメでしょう。

この鮮血が仮に鼻血だとしても出血多量で死んでいます。

長らくシンたちのライバルとして君臨したエクステンデッド3人組。

最後の生き残りだったスティングもついに退場。お疲れ様でした。

 

「どういうことなのだ!? これは!?」

 

他のロゴスメンバーを基地内に取り残して、

一人だけ脱出用のシャトルに乗り込むジブリール。

その表情は悪夢でも見たかのように青ざめています。

いかに強力な兵器といえども量産してしまったら、

戦闘力のインフレが起こって弱体化してしまうという、

少年マンガ及びアニメの鉄則を知らなかったのが彼の敗因です。

 

「戦闘の方は?」

「どうやら連合の負けのようね」

 

最後の一機のデストロイもデスティニーが撃墜。

攻め手を失った連合の司令部から白旗が掲げられ、

ザフトの大逆転勝利で戦闘は終了しました。

おいしい場面があったら、いつでも乱入しようと考えていた

アークエンジェルの面々ですが、残念ながら出番はありませんでした。

 

「ア、アスラン……あの……その……」

「ぐうぐう……」

 

「今度は私の番だ!」とアスランの看病を交代したカガリ。

隣のベッドで寝ていたネオを追い出して、

アスランと二人きりの甘い時間を過ごそうと思いましたが、

彼はとっくに深い眠りの底。いくら話しかけても無反応です。

 

「僕たちは……何をやっているんだろう?」

 

ホントだよ。

 

 

続く。

 

 


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