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【テキスト】お月様のシャワー

 

2005.2.15

 

新メンバーのアスランを加えたラブワゴン(ミネルバ)は、

インド洋での戦闘を終え、一路ペルシャ湾のマハムール基地へ。

今週は一体どんな恋愛模様が繰り広げられるのでしょうか。

 

一方、すっかり所帯じみているアークエンジェル。

特に行く当てもないので、海の底で貝のように閉じこもっています。

 

「暗いニュースばっかりね……」

「しまじろうもやってない……」

 

海の底に引きこもり、テレビばかり見ながら、

不味いコーヒーを飲んでいれば、自然と気分は陰鬱に。

しかし誘拐犯の言うセリフではありません。

 

その時、画面にはさらに陰鬱な気分にさせる衝撃の映像が。

ミーアが珍妙な音楽とともに酔拳のようなダンスを踊っています。

一瞬、プラントが地球に対して行なった電波攻撃かと思われましたが、

どうやらこれはザフトの兵士たちのために行なわれているライブの様子。

 

「星の降る場所で〜♪」

「ヴオオオ〜!」

 

ユニウスセブンを落とされた地球に

ケンカを売っているようなミーアの歌声に合わせて、

響き渡る野太い声の軍人たちによる大音声のエール。

前座のイザークバンドの静けさがウソのような盛り上がりです。

 

特筆すべきはその乳。

そこだけ何か違う生物のように通常の3倍は揺れています。

生身の女性に飢えた兵士たちにはたまりません。

 

「L・O・V・E・ラヴィ♪」

 

ムッツリなキラも静かに興奮。

齢十八にして、すでに枯れた感のある彼ですが、

豊胸した恋人のそっくりさんを見て何かが目覚めたようです。

 

「Y・M・C・A・ヤングマン♪」

「違いますよ、それ」

 

ちょっと古い虎。

 

「貴方の胸に直撃よ〜!」

「ヴオオオオオオ!!!」

 

観客のボルテージは最高潮。

もはや会場はカルト教団おっぱい教の集会の様相です。

 

「フフフ……皆さん元気で楽しそうですわ……」(いつか殺す)

 

自分がいない間に勝手にキャラを変えられ、

哀川翔が言うところの「沈黙の殺意」を発するラクス。

背中越しにその禍々しいオーラを感じ、青ざめるチャンドラ。

 

プロデューサーのデュランダル議長♂もご満悦。

今まではどうにも辛気臭かったラクスのイメージを、

ミーアの起用によって、元気な巨乳アイドルへと変身させました。

 

「乳のためなら死ねる」を合言葉に団結する兵士たち。

今回のライブによって彼らの士気は激しく鼓舞されました。

 

「でも、みんなを騙している!」

 

そんなデュランダル議長のやり方に異議を唱えるキラ。

自分の恋人の偽者を見ていい気持ちをする彼氏はいません。

 

「キラ……」

 

暗殺未遂に偽者登場と不安な出来事が続いているラクス。

自分のために怒っているキラを見て、そんな不安も静まります。

 

「こんなに胸は大きくないだろ!」

 

誰よりも理解しているからこそ許せない。

 

「………言ったな」

 

 

一方のミネルバはマハムール基地へ到着。

さっそくパイロットたちは機体の整備を始めます。

 

「う〜ん」

 

データをまじまじと見つめるルナマリアさん。

先日は一歩間違えれば死ぬところだったので真剣です。

 

「あっ、ザラ先輩!」

 

今日は呼び方を変えてみたルナマリアさん。

この作戦でアスランも胸キュンでせつなさ炸裂です。

 

「見たか、ラクスのライブ!」

「ああ、すごかったよな!」

 

技術班のモテないブラザーズはアイドルへ逃避。

キャラの変わったラクス(実際変わっている)に大興奮です。

 

「おっぱいが!」「でっかい!」

 

人によって個人差はありますが、

モテない16歳男子の思考の半分はおっぱいでできています。

 

「おっぱいがどうかしたか?」

「うわっ!」「げげっ!」

 

すでにおっぱい期を卒業したアスラン。

知らぬ間にセイバーにおっぱいミサイルを搭載されてはかなわんと、

おっぱいばかりに気持ちが行っている2人を注意します。

 

「ふう、婚約者だもんな、羨ましい……」

「ケーブルの2、3本も引っこ抜いてやろうか」

 

あのおっぱいをどうにかしたアスランに嫉妬する2人。

あっけらかんとアスラン死亡フラグを立てようとしますが、

 

 

「……聞こえてるぞ、2人とも」

 

「びっくりするほど!」「ゆーとぴあ!」

 

シンクロ率100%のリアクションを見せる2人。

ザフトに新たなお笑いコンビがまた一つ誕生しました。

 

「どいつもこいつも、巨乳、巨乳……」

 

夢見がちな男子を冷ややかに見つめるルナマリアさん。

昨今の乳揺れ至上主義に美乳派は肩身の狭い思いをしています。

 

「……………」

 

立ち去るアスランを恨みがましく見つめるシン。

嫌っていながら気になるという複雑な心情のようです。

 

「睨んでばっかいないで、

言いたいことがあるんなら言えば?」

 

そんなシンに苦言を呈するルナマリアさん。

言いたいことを好き勝手に言う彼女にとって、

ウジウジしたシンは見ていてストレスが溜まります。

 

「ばぶ〜!」

「また、すぐそうやって膨れる」

 

 

「ガキっぽすぎるよ、そんなの」

 

シンの幼児性を指摘するルナマリアさん。

ほとんどの視聴者が思っていることを代弁してくれています。

女の子にここまで言われれば、さすがのシンも反省するでしょう。

 

「ば〜ぶ〜!」

 

しかし、ガキはガキであることを指摘されるのが大嫌い。

口を尖らせてますます幼児退行していくシン。 

 

「次からは仲良くしなきゃダメよ」

「ちゃ〜!」

 

 

「……………」

 

シンみたいにガキっぽいのも困りますが、

逆に大人っぽすぎても、それはそれで困るところです。

こいつはこいつで何を考えているのかさっぱりわかりません。

 

「そりゃあ、シンの気持ちもわからなくはないよ」

 

未だに機嫌の直らないシンを見かねたルナマリアさん。

今度はレイと2人でアスランと仲直りするように説得します。

(実際に喋っているのはルナマリアさんだけですが)

 

「いきなり出戻ってくるわ。

先週は2度も殴られるわ。

顔と実力と地位の全部で負けるわ。

あまつさえ、フィギュアの売上げでも負けるわ。」

 

容赦なく非情な現実を突きつけるルナマリアさん。

 

「わかってるよ、もう、うるさいなルナは!」

 

そんなことは言われなくてもわかってる。

しかし今更フレンドリーなキャラに方針転換しても、

「何いきなりキャラ変えてんの?」と批難されるに決まっている。

もう後戻りできないところまで来てしまったのです。

 

「何がわかってんのよ、それで」

 

映画版のジャイアンの例もあるし、

今からでも更生することを勧めるルナマリアさん。

 

「いいからもう黙れよ、ルナには関係ないだろ!」

 

そんなルナマリアさんの助言を拒絶するシン。

 

「…………シン?」

 

 

どいつもこいつも、アスランアスラン。

お前ら全員アスラン村の住人かっつーの!」

 

自分は誰にも媚びずに生きていく。

哀愁漂う背中でそう語りながら去っていくシン。

 

「黙れって……」

 

意外な反応に戸惑うルナマリアさん。

今までシンがルナマリアさんの言うことに、

ここまで露骨に苛立ったことはなかったのですが。

 

「黙ったら私のやることなくなるでしょ!」

 

しかし、ルナマリアさんに黙っていろということは、

ブラックジャックから手術を取り上げるようなものです。

 

「ぷりっきゅあ、ぷりっきゅあ♪」

 

そんなゴタゴタなど知ったこっちゃないメイリンちゃん。

今日も元気にツインテールを結っています。

 

「早く赤服になりた〜い」

 

今の軍服はかわいくないので、

早くルナマリアさんのようなスカートをはきたいです。

 

「このベルトもかわいくない……」

 

 

「むむむっ?」

 

ベルトの感触に違和感を感じたメイリンちゃん。

 

「……なんだ、このプレッシャーは?」

 

腰に小錦が乗っているような感覚に襲われるメイリンちゃん。

 

「……………」

 

再び鏡を見つめるメイリンちゃん。

現実を直視できないとき、人は鏡を覗き込みます。

 

「……重力?」

 

若さゆえの過ちを認めたくないメイリンちゃん。

毎日毎日、椅子に座ってお菓子ばっかり食べていれば、

そりゃあ、自然と体重は増加していきます。

 

艦長たちとアスランはマハムール基地にて作戦会議。

一刻も早くジブラルタルへと向かいたいミネルバですが、

事態はそう簡単には行かないようです。

 

ユーラシア西側地域の地球連合軍占領地区ガルナハン。

ドラクエVの最初の街みたいな名前のこの地区は、

スエズ攻略においての重要拠点、その防衛はとても強固です

 

「ワッショイ!ワッショイ!」

 

先日もザフトの軍勢がお神輿を担いで攻め込んだのですが、

 

そこで待ち受けていた陽電子砲と

リフレクターを搭載するMAの返り討ちに遭いました。

 

「そんな……まるでアレじゃないですか!」

 

思い出し笑いを堪えるアーサー。

 

↑アレ

 

 

「見たい!」

 

新型ザムザザーに興味津々のアスラン。

 

「待ってろよ、ザムザザーMk2(仮)」

 

新たな戦いに胸躍らせるアスラン。

でもその前に、シャワーでも浴びてさっぱりしましょう。(あからさまなフリ)

 

ナマ足、魅惑のマーメイド!

 

だ、誰ですか、このおみ足は!?

ルナマリアさん?メイリンちゃん?ステラさん?

ミーア?ラクス?カガリ?やはり艦長?

 

 

 

……などと盛り上がっておいてなんですが、

どうせ、キラとかアスランとか虎に決まっています。

こんな見え見えの罠に引っかかる我々ではないのですよ。

 

ほら、やっぱり、ルナマリアさんでした。

まったく、そんな手に引っかかるとでも思ったのか。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

「ペルシャワーン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……などと盛り上がっておいてなんですが、

個人的にあまりにあざといのは嫌いなんですよね。

「ホラ、エサやるぞ」っていう製作者側の意図が見え見えで。

 

でも、仕方なく釣られます。

(放送直後に「ルナマリア シャワー」で検索してくる人が急増したため)

 

 

「じゃあ、シンってアスランさんと口聞いてないの?」

「本当にしょうがないわよね」

 

読者サービスも済んだところで再び本編へ。

先ほどのシンの発言によほど腹を立てたのか、

メイリンちゃん相手に愚痴をこぼすルナマリアさん。

 

「シンってば全然子供なんだもん」

「だよね、悪いけどあたしから見てもそう思う」

 

ついにメイリンちゃんにまで匙を投げられたシン。

彼女、外見は子供ですが、中身はちゃっかりしてます。

 

「まあ、この磯野ワカメみたいなスカートもどうかと思うけど」

「ん? 何か言った?」

「ううん、何も言ってないよ」

 

姉の脱いだ衣服を漁るメイリンちゃん。

自然と例の4次元スカートへ手が伸びます。

 

「まあ、そのうち何とかなるとは思うけど、シンの負けで」

「だよね、アスランさんの方が全然大人でカッコいいもん」

 

全国の腐女子を代表するかのような会話をするホーク姉妹。

 

「シンも少しは成長して欲し……ふぬっ!」

「ふぬっ?」

 

 

「……あたしも成長したくない」

 

コアスプレンダー、合体に失敗しました。

 

「えっ、どうして? メイは随分大きくなってるよ」

「……………」

  

 

「この、くびれ星人め!」

 

怒りのままにスカートを叩きつけるメイリンちゃん。

女の子にとって、スタイルの差は戦力の決定的な差なのです。

 

「えっ? えっ? えっ?」

 

メイリンちゃんの怒る理由がわかっていないルナマリアさん。

彼女、乗っている機体はザクですが、その肢体はズゴックの如し。

優れたスタイルを持つ者はそのスタイルを自覚しなくてはなりません。

 

一方、いつも怒ってばかりの男一匹ガキ大将。

沈む夕日を眺めながら、珍しくおセンチな気分に。

 

「どうしたんだ、一人でこんなところで?」

「あっ……」

 

そこにやって来たアスラン。

偶然なのか探していたのかはわかりませんが、

結果的に夕暮れの屋上で2人きりという、

告白するにはもってこいのシチュエーションに。

 

「これはこれは、本当の主人公様ではないですか」

「完全にヤケになっているな……」

 

相変わらずギザギザハート全開のシン。

なぜそんなにもアスランを嫌っているかというと、

昨日はオーブ、今日はザフトと、コロコロと立場を変える

アスランのほりえもん的なやり方が気に食わないようです。

 

自分は正義のために力を振るっていると信じて疑わないシンですが、

その力も使い方を誤ればただの破壊であることをアスランが諭します。

さすが元ジャスティスのパイロット、正義を語らしたらうるさいです。

論点が微妙にすり替えられている気がしますが、シンは気づきません。

 

「それを忘れさえしなければ、君は優秀なパイロットだ」

 

お互いに本音を出し終えた後、

最後に微笑みながら優しい言葉をかけるアスラン。

 

「えっ……」

 

思いもよらぬアスランの言葉に驚くシン。

なんだかんだ言ってもこの人は自分を認めてくれているんだ。

2人の間のわだかまりが緩やかに溶けていきます。

 

「でなけりゃ、ただのバカだがな」

 

なのに、最後の最後で余計な一言を言っちゃったアスラン。

 

(さっさとハゲろ、この野郎!)

 

ついにフェイス公認バカの称号を得たシン。

来週からは「特命パイロット只野馬鹿」が始まります。

 

 

続く。