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【テキスト】セブンソード

 

2007.11.17

 

「ごきげんよう、米よこせ」

 

前回でルイスをメインに据えたレビューが一段落したので、

今回から新たに「マリナ様がみてる」を始めようと思いましたが、

よく考えたら、全然ネタになる要素がありませんでした。

 

「ようやく重い腰を上げやがった。AEUのお偉いさん方がな」

 

ここは南アフリカ地域の鉱物資源採掘現場。

ソレの武力介入を受けて無人となった地に佇む

怪しげなヒゲもじゃ男は、アリー・アル・サーシェス。

自ら「戦争屋」を名乗る、民間軍事会社PMCの傭兵です。

「戦争根絶」というソレの目標が達成されてしまっては、

商売あがったりですが、今はむしろソレによる特需で一儲け。

今回新たにAEUからの要請を受け、次の戦場へと向かいます。

 

「ぶつぶつ……」

 

前回、命令違反を犯して人命救助を行ったアレルヤ。

みんなが拍手で出迎えてくれるものと思っていましたが、

帰艦した彼を待っていたのは、スメラギのビンタ、説教。

クビにこそなりませんでしたが、減俸の末に独房送りとなりました。

本来なら、それに加えて丸坊主にもされるところでしたが、

「中の人が出てきちゃうから!」と断固として拒否しました。

 

「ったく、お前の間抜けでオレまでこんな目に」「ごめんよ、兄さん」

「ごめんで済んだらソレはいらねえよ」「ほんとごめん」

「死ねよ、顔半分だけ死ね!」「それじゃあ、あしゅら男爵だよ」

「二人とも、ケンカはやめなさい」「誰だ、てめえ!」

「私はアネルヤ、生き別れの姉よ(裏声)」「姉さん!」

 

独房での寂しさを紛らわすように、

また新たな人格を誕生させるアレルヤ。

現在確認されているだけで、24の人格が存在。

最終的には108人まで増殖するものと思われます。

 

「まるで反省していない……」

 

このまま永遠に閉じ込めておいてもいいのですが、

生き霊となって夜な夜な艦内をうろつかれても困る。

新たなミッションを前に、アレルヤは独房入りを解除されます。

何かと使い勝手のいいキュリオスがいなくては、

他のガンダムマイスターにかかる負担も大きくなる。

今回も特攻隊長としての役割を果たしてもらいます。

 

「……………」

 

そんなアレルヤとの遭遇で精神崩壊を起こしたソーマ。

そもそも関係性がなさそうな二人がどうして共鳴したのか、

超人機関の研究員によると、彼女の脳量子波に異常を与えたのは、

彼女と同じグリア細胞を強化され、脳量子波を使う者に限定されるとのこと。

アレルヤも強化人間だった?そのような説明は今までありませんでしたが、

そうだとすれば、数々の奇行やどことなく感じる危ない雰囲気も納得できます。

アレルヤとの嫌なフラグが立てられているとは、ソーマは夢にも思っていません。

 

「あ、あの、これ……筑前炊き」

「いらん」

 

一方、煮物を届けに来た沙慈とのフラグを即効で潰す刹那。

こういうのは隣の綺麗なお姉さんと相場が決まっているだろう。

どうして野郎から受け取らなければならないんだ。それに何故照れる。

 

「なぜなにモラリア共和国……」

 

軌道エレベーターで地上に降り立つスメラギ一行。

大人二人がくつろぐ中、端末で何やら調べているフェルト。

今回の作戦の目的地であるモラリア共和国についてです。

とても有名な国ですから、世界史などで学んだ方も多いでしょう。

「知っているから説明は要らない」という方は手を挙げてください。

 

モラリア共和国は、2284年に建国したヨーロッパ南部に位置する小国です。

先ほど知っていると手を挙げた未来人は廊下に立っていてください。

人口は18万と少ないですが、300万を超える外国人労働者が国内に在住。

約4000社ある民間企業の二割がPMCです。

 

PMCとは、傭兵の派遣、兵士の育成、兵器輸送および兵器開発、

軍隊維持、それらをビジネスで請け負う民間軍事会社のこと。

モラリアは誘致したPMCを優遇して国が発展してきました。

世界の戦争が縮小していけば、彼らのビジネスは成り立たなくなるので、

このまま自滅すると思われていましたが、今回AEUと手を組んだことで、

めでたくソレの攻撃対象として認定される運びとなりました。

 

「いよう! AEUのエース、パトリック・コーラサワーだ!」

 

そんなモラリア軍と今回共同戦線を張るのは、

AEU軍のエース(自称)パトリック・コーラサワーです。

こういうキャラはネタにしやすいと思われそうですが、

ネタにする以前から、既にネタになってしまっているため、

下手にいじると逆に本来の面白さを損なってしまうので、

なるべくいじらず、素材そのままでお届けしていこうと思います。

最終的には、名前を見ただけで笑えるようになりますよ。ほら、

パトリック・コーラサワー。

 

「早く来いよガンダム! ギッタギッタにしてやっからよ!」

 

さすがは負けフラグ界の貴公子。

冒頭からクオリティの高い台詞を吐きまくりです。

これで改変なし、オリジナルまんまと言うのが恐ろしい。

今回が初回以来、二度目の登場となるのですが、

そんなブランクを微塵も感じさせない圧倒的な存在感。

これが一流の芸人のみが持つオーラというものでしょうか。

二クールのレギュラーより、一回の伝説です。

 

「モラリアとAEUの合同軍事演習アルか?」

 

前回宇宙にいたかと思ったら再び地上に舞い戻った留美。

今回のミッションには、モラリア軍とAEU軍に加えて、

モラリアの民間軍事会社の軍事共闘組織PMCトラストも参加。

それらのモビルスーツを合計すると、130機は超える最大規模のミッションです。

これだけの大軍勢を相手にも、今まで通り楽に勝ってしまうようですと、

いよいよ世界はソレの存在を注視せざるを得なくなります。

 

「スメラギさん、モラリアへの直行便は明日ですから、

それまでは自由行動でいいですよね?」

 

地上のホテルに到着したスメラギ一行。

そんな最大規模のミッションを前にした彼女たちですが、

クリスティナはスメラギに自由行動を要求。完全に観光気分です。

 

「フェルト、買い物行こっ!」

「ミッションプランの検証がまだ……」

「私たちが活躍すればするほど、物価が上がるんだから、

今のうちに欲しいもの買っておかなきゃ!」

「データの解析が……」

 

そのままクリスティナに拉致されるフェルト。

仕事を理由にスメラギに助けを求めますが、

スメラギはあっさりと彼女の救助要請を無視します。

それにしても、クリスティナのこれは地味に問題発言。

自分たちが世界インフレの原因になることに気付いており、

しかも、それを自分の買い物レベルでしか考えていません。

 

「ブログの更新が……」

「さあ、飲もう、飲もう!」

 

そしてスメラギはいつものように夜の街へと消えて行きます。

以上、決戦を前に緊張するソレのみなさんでした。

 

「おおっ、久しぶりだな、刹那」

 

一方、ガンダムマイスターも続々と現地入り。

いつものジャングルに降り立った刹那を出迎えるのは、

どう見ても整備班、どう見ても日本人のイアン・ヴァスティ。

どうやらソレの武器開発者らしく、早くも追加武装を開発したとのこと。

 

「エクシア専用、GNブレイド」

 

巨大なコンテナの中から現れた巨大な剣。

エクシアの追加武装――GNブレイド。

GNソードと同じ高圧縮した粒子を放出して、

コンニャク以外のあらゆるものを斬ることができます。

オレ専用ガンダムに加えて、オレ専用最強剣。

精神年齢が幼い刹那のテンションは上がりまくりです。

 

「フフ、変わってないのね、ビリー」

「誘ってくれて嬉しかったよ」

 

飲むというからには、一人で焼酎を立ち飲みか、

ビールに焼き鳥かと思われていたがスメラギですが、

彼女がやって来たのは、ユニオン領内にあるホテルの最上階。

そこで彼女を出迎えたのは、グラハムの相方であるビリー・カタギリ。

意外な組み合わせのこの二人ですが、実は大学院時代の同級生。

卒業以来×年ぶり(スメラギに配慮して伏せます)の再会を喜び合います。

ビリーのこの珍妙な髪型も当時から変わっていないようです。

大学時代って人生で一番自由な髪形にする時期なので、

もしかしたら、チョンマゲだったりしたかもしれません。

 

「ああっ、堪能した〜」

「疲れた……」

 

買い物を終えてご満悦のクリスティナと力尽きるフェルト。

どうやっても持ち帰ったのかが分からないぐらいの荷物は、

全てクリスティナの購入物。彼女のような普通の女性が、

どうして武装組織なんかに所属しているのか疑問でしたが、

おそらく純粋に給料が高かったからでしょう。スカウトされたらしいですし。

 

「あのことは?」

「……もう忘れたわ」

「ならいいんだ。こうしてまた会えて嬉しいよ」

「うん……」

 

ホテルの二人は次第に大人な雰囲気の会話に。

スメラギが現在ソレに所属していることをビリーに話す訳はありませんが、

もしかしたら、そもそも彼女がソレに所属するようになったきっかけか、

過去に彼女の予報に纏る何やら暗い事件があるようです。

当時二人はどういう関係だったのかも合わせて、色々気になるところです。

 

「これもいいわね! これもいいかも! 

いや〜ん可愛い〜! むは〜たまら〜ん!」

「ねかせて……」

 

一方、お子様はもうお休みの時間。

普段は21時前には寝ているフェルトですが、

興奮するクリスティナに付き合わされて眠るに眠れず。

ただでさえ低血圧そうな彼女、このままでは、

決戦の日に寝坊という最悪の事態もありえます。

 

「お待ちしていましたアル」

「よろしく」

「ZZZ……」

 

翌日、スメラギ一行がやって来たのは、

モラリア郊外にある留美が所有している別荘。

どうやら作戦中、彼女たちはここで戦況を見守る模様。

睡眠不足が心配されたフェルトですが、しっかり起きられました。

 

「さすが王留美。見事な手配ね」

「恐れ入りますアル」

 

通された部屋は、臨時の司令室のようになっていました。

通信機器一式に加えて、大画面のスクリーンには、

モラリア軍とAEU軍、加えてPMCトラストの配備状況が、

リアルタイムで表示されており、作戦への準備は万端です。

 

「いつの間にハックを?」

「朝食の前に」

 

昨夜そんな時間はなかったはず。そんなフェルトの問いに、

まるでコーヒーを淹れるかのように言ってのけるクリスティナ。

各自が様々な特殊技能を持っているソレのメンバーですが、

ある意味、彼女が最強の能力を持っているのではないでしょうか。

その気になれば、世界中のあらゆるデータにアクセスすることが可能。

コーラサワーの銀行の預金残高を0にすることも可能です。

 

「E332より敵飛行部隊を捕捉」

 

そんな訳でシックススミッションスタート。

まず相手の航空勢力をキュリオスが一掃。

戦闘機にビームライフルで牽制、回避したところに、

無数のホーミングミサイルを叩き込むという、

機動戦士ガンダム vs.シリーズでもお馴染みの戦術です。

いずれ出る「三大大国VSソレスタルビーイング」でも同様でしょう。

 

「敵機編隊を撃破」

 

今回もスメラギの予報通りに動く戦局。

その予報の正確さに留美も感心しきりといった様子。

そんな中、大勢の女子に囲まれて所在のなさそうな紅龍。

お茶の一つも沸かさずに棒立ちと全く役に立っていません。

彼は基本的に、留美以外の女性に興味はありませんので。

 

「フン、狙い撃つまでもねえ」

 

今まで遠距離支援ばかりだったデュナメス。

本格的なモビルスーツ戦は初めてですが、

羽のような二枚のシールドが全身を包み込み、

敵からの攻撃を一切受け付けません。無敵です。

 

「見つけたぜ! 前のと違うタイプだが、お前もガンダムなんだろ?」

 

このまま好き勝手やらせてなるものか。

ガンダムの前に立ちはだかるのは、

AEUのエースであるコーラサワーです。

ガンダムマイスター VS マンダムマイスター。

宿命のライバル同士の戦いの火蓋が今切って落とされます。

 

「J653から、敵面白モビルスーツ急速接近」

「了解」

 

そんなコーラサワーを迎え撃つのは、

よりにもよって一番空気を読めないこの男。

つまらないギャグが何よりも嫌いなティエリアにとって、

コーラサワーは、もはや存在そのものが許せないレベルです。

 

「目標を殲滅する」

 

直後、ヴァーチェの両肩のキャノンが巨大な光を放ち、

迫るAEUの航空部隊を一瞬にして光に変えます。

さらばコーラサワー。全国72人のファンが涙に暮れますが、

先頭だったコーラサワーの機体だけは何とか直撃を免れます。

というか、先頭がコーラサワーのせいで部隊が全滅したような気も。

 

「なんじゃそりゃあ!」

 

再登場の際に使おうと暖めていたネタを披露する間もなく、

コーラサワーの乗った機体は黒煙を上げて墜落します。

はたして生きているのか、安否が気になるところですが、

ギャグキャラは基本的に消滅しなければ死なないので、

どんな高さから落ちても、どんな爆発にあっても大丈夫です。

 

「敵機変態を撃破」

「ご愁傷様アル……」

 

これがガンダムマイスターの力。

初めて間近で感じるその強さに留美も驚きを隠せません。

例えるなら、細かすぎて伝わらないモノマネ選手権で、

芸人がモノマネを披露する前に落とし穴に落とすようなもの。

でも、リアクション芸人としたら、それもそれで美味しいです。

 

「エクシア、フェイズワン終了」

 

最後を締めるのは、例によって刹那のエクシア。

舞うような華麗な剣技で敵をバッサバッサと斬り捨てる様は、

まさにガンダム無双。次回作では是非採用を検討頂きたい。

 

「新型か!?」

 

雑魚キャラを一掃したら、例のようにボスキャラが登場。

エクシアを強襲するのは、サーシェスの乗るPMCの新型モビルスーツ。

相手の動きを読んだ正確な射撃で次々と攻撃を直撃させます。

 

「ああっ! いきなり!」

 

そして例のように押し倒されるエクシア。

ここら辺は既にお約束の域になってきています。

 

「機体は良くても、パイロットはイマイチのようだな!」

 

ヒールらしくマイク越しに刹那を挑発するサーシェス。

図星を指摘されて怒りを覚える刹那ですが、

敵の機体のヘッドに刻まれたマークを見た途端、

彼の頭の中を全く違う感情が支配します。

 

『俺の「美しい未来」だ!』

「この声……」

 

刹那の脳裏に浮かぶ、過去の戦場の風景。

少年兵だった刹那たちが見上げる先、

先頭に立って彼らを指揮する一人の男。

その人物こそ、ヒゲを生やす前のサーシェスでした。

 

「そ、そんな……」

 

まさかの再会に動揺を隠し切れない刹那。

彼がソレに入る前に会っている人物ということは、

刹那が刹那になる前の名前を知っている唯一の人物。

もし彼にエクシアのパイロットが自分であることがバレたら、

自分のもっと恥ずかしい本名、初恋の相手、お漏らし事件など、

知られたくない様々なことが世界中と視聴者に公になってしまいます。

 

 

 


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