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【レビュー】コードギアス(1)

 

2007.5.17

 

常に旬を流したレビューでお馴染みのこのサイト。

今回いじるのは「コードギアス 反逆のルルーシュ」です。

(本来ならばDVD1巻発売の時に更新する予定でした)

ちなみに管理人はテレビ放送を全く見ておらず、

DVDを見ただけの知識で適当に書いていますので、

ファンのみなさんはどうか怒らないでください。

というか、むしろ放送を見ていた方は見ないで頂きたい。

 

物語の舞台は日本。私達が住んでいるこの国です。

しかし今は神聖ブリタニア帝国(要はアメリカ)の属領となり、

その名前を奪われて「エリア11」と呼ばれています。

日本人はブリタニア人に「イレブン」と呼ばれて蔑まれ、

「笑っていいとも」の司会がデーブ・スペクターに変わるなど、

苦渋を舐め続けています。そんな終戦から7年、

ブリタニア人居住区のトウキョウ租界から物語は始まります。

 

彼が物語の主人公、ルルーシュ・ランペルージ。

ブリタニア人の学校アッシュフォード学園の学生です。

頭脳明晰、容姿端麗。しかし素行は少し難有りのようで、

今日も学園を抜け出し、賭けチェスの代打ちとして、

街のバーに繰り出すという、プチアカギ状態です。

彼の後ろに半分だけ映っているのが友人のリヴァル。

おそらく後半に出番がなくなるタイプだと思うので、

キャラクターについての詳しい説明は省略します。

 

「ルルは頭いいのに、使い方おかしいんです」

 

そんなこと女の子。この作品に出てくる女の子も、

最近のアニメの例に漏れることなく美少女揃いです。

不良街道まっしぐらのルルーシュの心配をするのは、

正統派のヒロインっぽい同級生のシャーリーちゃんです。

 

「ウチのルルちゃんは、本当は真面目な子なのに? かわいいねえ〜」

 

そんなシャーリーちゃんをひやかすのが、

この学園の生徒会長でもあるミレイさんです。

本人がいない場でも話題になるモテ男のルルーシュ。

どうやら彼女達には「ルル」と呼ばれているようです。

「ルー」と呼ばれていなくてレアリーにグッドでした。

 

「くそ、やっと盗み出せたってのに……」

 

何事もなく過ぎていく彼らの日常。

しかし混沌の影は確実に忍び寄っていました。

無人の高速道路を走る怪しげなトラック。

どうやらブリタニア軍から逃走中のようで、

上空からヘリコプターが追跡しています。

 

わずか8分32秒でチェスに勝利したルルーシュ。

このまま行けば午後の授業にも間に合いそう。

自身はサイドカーに乗ってパシリに運転を任せます。

 

「げ! 激突!?」

 

後方からの轟音にルルーシュ達が振り向くと、

先ほどのトラックが猛スピードで迫ってきました。

この距離になるまでどちらも気づかなかったのか。

 

「ちぃっ! 呑気に走りやがって!」

「やめろ! そっちは……」

 

逃走中とはいえ轢くわけにはいかず、

慌ててハンドルを切る運転席の永田。

助手席のカレンが制止するも、時既に遅し、

 

「うわああああああっ!」

「永田のバカ〜!」

 

高速を外れたトラックは通行禁止の柵を打ち破ると、

工事中のまま放置されたビルへと突っ込んでいきます。

人がいなかったのは幸いでしたが、かなりの惨事です。

 

白昼からの事故に続々と集まってくる野次馬。

通報もせずに呑気に携帯のカメラで撮影するなど、

誰一人として搭乗者の心配をしていません。

そんな大人たちへの反感と多少の罪悪感からか、

ルルーシュは一人、トラックの元へ救助に向かいます。

 

「見つけた……私の……」

「えっ……?」

 

ルルーシュが運転席に声をかけると、

突然、彼の頭の中に女性の声が響きます。

思春期の青少年にはよく見られる症状ですね。

 

「うおっ!?」

 

「誰かそこにいるのか?」

ルルーシュが荷台の中を覗き込んだその時、

意識の戻った永田がトラックを急発進させます。

突然のことに荷台の中に落ちてしまったルルーシュ。

こうして彼のついていない一日が幕を開けました。

 

「警告する! 今ならば弁護人をつけることが可能である!」

 

ルルーシュを乗せたまま走り出すトラック。

上空から追跡するのはブリタニア軍の戦闘機。

警告と共に機銃が撃ち込まれ、何やら危険な雰囲気です。

 

「軍まで出てきた、どうする!?」

「そのために私がいるんでしょ!」

 

このピンチに帽子を脱いで出撃するカレン。

その素顔はちょっぴり気の強そうな女の子でした。

レジスタンスの女の子って勝気そうな女の子が多いですが、

レジスタンスだから勝気なのか、勝気だからレジスタンスになるのか。

 

(むっ……コート脱ぎます?)

 

まさか他人が乗り込んでいるとも知らず、

ゆっくりと作業着のボタンを外し始めるカレン。

どうやら第1話から男性視聴者の心を掴むべく、

女の子の着替えシーンが投入される模様。

ブラ谷間人のルルーシュは息を潜めて待ちます。

さあ、見せてもらおうか、深夜放送のエロスとやらを!

 

「カレン、ここであれを使ってしまおう!」

「それじゃ虐殺よ!」

(これじゃ生殺しだよ!)

 

しかし視聴者とルルーシュの期待は儚く散ります。

カレンは作業着の下に戦闘服を着込んでいました。

あまりに残酷な仕打ちに落胆するルルーシュ、

何やら重要そうな会話の内容は全く耳に入りません。

 

「ナイトメア!?」

 

トラックの荷台から現れた人型の兵器。

ブリタニア軍の兵器であるナイトメアフレームです。

要は、この世界におけるモビルスーツの総称で、

ブリタニアによる日本占領の主力兵器として活躍しました。

 

「こいつの威力はお前達が良く知ってるだろう!」

 

カレンの乗る「グラスゴー」は旧型なのですが、

それでも特殊武装スラッシュハーケンの威力は絶大。

カレンはまるでトンボ取りでもするかのように、

次々とブリタニア軍の戦闘機を撃ち落としていきます。

 

「お前達は下がれ、私が相手をする」

 

その時、後方から新手が登場します。

盗み出されたものが余程重要な物なのか、

ブリタニアの第二皇子でエリア11の総督でもある

クロヴィスによって出撃を命じられた、

ブリタニア軍のナイトメアフレームです。

 

「旧型のグラスゴーでは、このサザーランドは止められぬ!」

 

ナイトメアフレーム「サザーランド」

グラスゴーより新型の第五世代ナイトフレームで、

全ての性能がグラスゴーを大きく上回っています。

グラスゴーとは違うのです。グラスゴーとは。

 

「ましてや皇帝陛下の情愛を理解できぬイレブン風情にはな!」

 

駆るはブリタニア軍の若手将校ジェレミア。

イレブンを差別している発言からもわかるように、

軍はブリタニア人だけで構成されるべきと考える純血派です。

後に夏帆の存在を知ることで親日派になろうとは、

この時の彼を見た誰が想像したことでしょうか。

 

「くっ……!」

 

圧倒的な性能差を前に、カレンは逃走を余儀なくされます。

しかしそんなことよりも重大な問題が発生しました。

上の画像では、よくわからないと思いますが、

このアニメ、振動しても胸がちっとも揺れないのです。

どういうことだと怒りたいところですが、彼女が着けているのは、

おそらく強固なワイヤーのスポーツブラだと思われます。

そう考えれば、怒りも優しさに変わりますね。

 

「やってらんねえ……」

 

一方、トラックは昔の地下鉄路線に入ってしまい、

誰かに助けを求めようにも携帯も圏外で通じず。

ルルーシュも完全に不貞腐れモードです。

 

「あはぁ〜」

 

ネタを挟む暇もないシリアスな展開が続きますが、

ようやくネタキャラの匂いがプンプンする奴が現れました。

ブリタニア軍のナイトメアフレーム開発者であるロイド。

声は「やめてよね」を言われたことでお馴染みのあの方です。

 

「貴様……なぜそれを!?」

「あっ、当たっちゃいました?」

 

バトレー将軍に嫌味たっぷりの態度で迫るロイド。

顔といい声といい性格といい、

相手をむかつかせる素養がたっぷりです。

 

「それで、何ですか奪われた物って?」

 

バトレー将軍がロイドを殴ってしまう前に、

同じく開発者のセシルさんが将軍に尋ねます。

軍がここまで血眼になって奪還しようとするものとは?

 

「化学兵器、つまりは毒ガスだ……」

 

バトレー将軍が告げる衝撃の事実。

そんな毒ガスの横でくつろぐルルーシュ。

彼の好奇心が働かないことを祈るばかりです。

 

「テロリストは地下鉄構内に潜伏している」

 

地下鉄に逃走したトラック追跡に投入されるのは、

元イレブンである「名誉ブリタニア人」の兵士達。

銃の所持を許されていないなど、その扱いは酷く、

功績を挙げて、少しでも認めてもらおうと皆必死です。

 

「同じ猿の匂いを嗅ぎ分けろ!」

 

彼らを指揮するのは、ブリタニア人の隊長。

イレブンを猿呼ばわりする発言からもわかるように、

かなり差別的で傲慢な人物であると思われます。

でなければ、こんな揉み上げと髭は生やしますまい。

 

「ダ、ダメか……」

 

何とか地下鉄構内まで逃げ込んだ永田。

しかし車体も本人も既に満身創痍のようです。

仲間が発見してくれることを祈って荷台のドアを開くと、

そのまま意識を失ってしまいました。

 

「よし、今のうちに上からよじ登れば……」

 

ようやくトラックが停車してくれた。

早速脱出をしようと行動するルルーシュ。

毒ガス装置を何の疑いもせずに触っています。

 

「うおっ!?」

 

ルルーシュの苦難はまだまだ続きます。

突然、何者かに襲撃されて顔面を思いっきり蹴られ、

そのまま地面に押し付けられてホールドアップ。

 

「ブリタニア軍!?」

「殺すな、これ以上」

「待て、オレは!」

「しかも毒ガスなんて、とぼけようとしても!」

 

襲撃者の正体はブリタニア軍の兵士。

どうやらテロリストの仲間だと思われているようです。

学生服を着たテロリストはあまりいないと思いますが。

 

「どうせその毒ガスだって、ブリタニアが作ったんだろう!」

 

ていうか中身は毒ガスだったのかよ!

知らなかったルルーシュは逆に怒鳴り返します。

もうちょっとで危うく中身を覗き込むところでした。

 

「お前……?」

 

ルルーシュの顔を正面から見るや、驚いた表情のブリタニア兵。

 

「殺すな? だったらブリタニアをぶっ壊せ!」

 

理不尽なこと続きでストレスが溜まっているルルーシュ。

国家の犬である軍人を相手に若者の叫びをぶちまけます。

 

「ルルーシュ……僕だよ、アスラ……スザクだ」

 

ヘルメットを外すブリタニア兵。

その素顔にルルーシュは驚きます。

以前と変わらぬ柔和な顔――幼馴染である枢木スザクでした。

久しぶりに再会した幼馴染が軍に所属していた。

これまでのアニメでは考えられない斬新すぎる展開です。

 

「お前、ブリタニアの軍人になったのか……」

「君は……まさかこれ……」

「何言ってるんだ……」

 

あんなに一緒だったのに。

すっかり変わってしまった関係に、

二人の間に気まずい空気が流れます。

 

「って、おいっ!」

「うわああああっ!」

 

その時、何の前触れもなく、突如毒ガス装置が作動します。

二人のケンカを止めようとしたのでしょうか?

毒ガスなのに、なかなか空気が読めるやつです。

 

「毒ガスじゃ……ない?」

 

慌ててその場に伏せるルルーシュとスザク。

しかし中から現れたのは毒ガスではなく、

全身を拘束具で結ばれた謎の美少女でした。

こんな毒ガスなら大歓迎です。むしろ吸いたい。

 

「答えろよ、スザク。毒ガスか? この子が?」

「しかし、ブリーフィングでは確かに……」

 

これはすぐに服を脱がさないと!そうだな!

鼻息も荒く少女の拘束を解き始める男子二人。

そんな彼らを後ろからライトが照らします。

 

「この猿が、名誉ブリタニア人にそこまでの権利は与えていない」

 

親衛隊を率いて現れたのは、先ほどのヒゲ隊長。

スザクが独断で少女の拘束を解いたことにお怒りの様子です。

 

「だが、その功績を評価し慈悲を与える。

枢木一等兵、これでテロリストを射殺しろ」

 

隊長は銃を差し出してルルーシュの射殺を命じます。

普段は銃を持たせないのに、こういう時のみは許可する。

慈悲を語るだけあって、とっても優しい隊長ですね。

 

「彼は違います! ただの民間人で巻き込まれただけです!」

 

当然のことながらスザクは拒否します。

ルルーシュはテロリストになるような奴じゃない。

何でトラックの荷台にいたのかはよくわからないけど。

 

「これは命令だ、ブリタニアに忠誠を誓ったんだろう?」

 

緊迫した雰囲気に焦るルルーシュ。

どうやら最悪の事態になっているようだ。

俺を処刑する? 何もしていないのに冗談だろ?

ていうか、この女はこんな状況にも関わらず寝ているのかよ。

 

「自分はやりません。民間人を、彼を撃つようなことは」

「スザク……」

 

しかし隊長にいくら命令されても、

スザクは断固として首を縦に振りません。

その友情に深さにルルーシュは感動します。

久しぶりに会ったのに。やはり持つべきものは幼馴染だ。

今まではできれば女の子の幼馴染が良かったなんて思っていたけど、

最後に頼れるのはやはり男。お前となら喜んでホモ同人も受け入れよう。

 

「では死ね」

「……」

 

すると、隊長はその銃をスザクに向けて発砲。

撃たれたスザクは声もなくその場に崩れ落ちていきます。

 

「ええっ〜!?」

 

意外な展開に呆然とするルルーシュ。

スザクって重要人物じゃなかったのか?

何で名もないおっさんにあっさり殺されてるんだよ?

オープニングで活躍していたのは双子の弟か何か?

 

「日本……万歳……」

 

ルルーシュがスザクの死に動揺している中、

誰にも気づかれずに息を引き取ろうとしている永田。

「運転席に幸せそうな家族の写真を飾るのは死亡フラグだ」と

カレンに言われていましたが、その通りになってしまいました。

それでも日本人としての誇りか、ブリタニアに一矢報いようと、

最後の力を振り絞って、自爆スイッチに手を伸ばします。

 

「うおおっ!?」

 

直後、トラックは炎を上げて大爆発。

衝撃により岩盤が崩れて地下鉄構内は崩壊。

この隙に乗じてルルーシュは少女を連れて逃亡します。

 

「シンジュクゲットーを壊滅せよ!」

 

一人の少女をいつまで経っても捕らえられないことに

業を煮やしたクロヴィス。演習を兼ねた区画整理を名目に、

シンジュクゲットーの壊滅指令を発します。

 

「どうだ?」

「イレブンしかいないようです」

「……」

 

ブリタニア軍によって行われるイレブン虐殺。

住民達は老若男女無差別に殺されていきます。

地下道の出口でルルーシュ達を待ち構える親衛隊。

ルルーシュは階段の下に隠れて脱出の隙を伺います。

 

「る〜る〜るるるるる〜♪」(着メロ)

「なっ……!」

 

その時、ルルーシュの携帯電話が、

間抜けな電子音を大音量で鳴らします。

彼は友達が少なく着信もほとんどないので、

マナーモードにする習慣がありませんでした。

 

「あっ! 切っちゃったよ! ルルのやつ〜!」

 

自分からの電話が危機に貶めているとも知らず、

シャーリーちゃんは電話に出ないルルーシュに激怒。

読者のみなさんも今からかけようとしている電話が、

間接的に相手を殺すかもしれないので気をつけてください。

 

「ぐっ……!」

 

一介の学生が軍人の集団相手に敵うはずもなく、

ルルーシュは逃走する間もなくあっさりと捕まります。

特に左手はどう見てもあり得ない方向に曲がっています。

 

「学生にしては、良く頑張ったな」

 

薄ら笑いを浮かべて銃を構える親衛隊長。

彼らと同じブリタニア人であるルルーシュですが、

少女の存在を知ってしまった以上は容赦ありません。

 

「殺すなあっ!」

 

ルルーシュが17年の短い生涯を儚んだ、その時、

これまで黙っていた少女がルルーシュの前に飛び出します。

重要人物らしき彼女が制止すれば、さしもの隊長もあるいは、

 

しかし親衛隊長は躊躇することなく発砲。

この少女の正体がますますわからなくなりました。

軍のお偉いさんの援助交際の相手か何か?

 

「!!!!!」

 

迫り来る弾丸。しかし少女は避けようともせず、

目を大きく見開いて、ルルーシュの前に仁王立ち。

次の瞬間、少女の額に謎の紋章が浮かび上がります。

 

「むっ……」

「これは……」

 

何かが起こりそうな雰囲気にルルーシュも期待。

やはりこの女は只者ではないと思っていた。

さあ、必殺の超能力でこいつらをやっつけてくれ!

 

「いたい……」

「ええっ〜!?」

 

ルルーシュの希望は儚くも打ち砕かれ、

少女はそのまま額を打ち抜かれて絶命します。

美少女は死なないという宇宙の真理が今乱れました。

 

(終わるのか……たった1話で……)

 

さっきまで学園生活をエンジョイしていたはずなのに、

今は軍人に銃を突きつけられて人生が終わろうとしている。

悪夢のような展開に愕然とするルルーシュ。

オレは主人公のはずなのに一体どうなっているんだ?

冒頭で主人公が死ぬ「火垂るの墓」形式のアニメなのか?

 

「……」

「ひいぃっ!」

 

今度こそ終わった。ルルーシュが諦めたその時、

死んだはずの少女の手が伸びて彼の手首を掴みます。

突然の心霊現象にビビりまくりのルルーシュ。

どうせ死ぬなら安らかな気持ちで逝かせてくれよ。

 

「終わりたくないのだな、お前も」

「なんだ!?」

「お前には生きるための理由があるらしい」

「さっきの女か? まさか……!?」

 

ルルーシュの頭の中に先ほどの少女の声が響きます。

トラックを覗いた時に聞こえたのも彼女の声だったのでしょう。

それにしても普段は無口な少女、頭の中だとやたらと饒舌です。

 

「王の力はお前を孤独にする、その覚悟があるのなら……」

「う〜ん、孤独は嫌だな……」

 

少女はルルーシュにある契約を持ちかけます。

「力を与える代わりに私の願いを一つだけ叶えてもらう。

契約すれば、お前は人の世に生きながら、人とは違う理で生きることができる」

抽象的でイマイチよく分かりませんが、とにかく何か力を与えてくれるようです。

 

「とっかえひっかえモテモテ地獄」

「むむっ!」

 

脳裏に浮かぶ楽しそうなイメージ。

王になれば王様ゲームをすることなく、

女の子に好き勝手にエロスな命令し放題です。

 

「いいだろう、結ぶぞ、その契約!」

 

素敵な誘い文句に乗せられたルルーシュ。

どんな見返りを求められるかわからないのに、

その場の勢いであっさりと少女との契約を結びます。

上京した当初は新聞を同時に4誌取ったり、

クレジットカードを十数枚作ったりしていました。

 

「……」

 

契約完了。

といっても特に姿形が変わるわけでもなく、

盛り上がった割にはかなり地味な変化です。

というか本当にそんな契約が行われたのでしょうか?

ルルーシュが現実逃避の末に見た白昼夢だったのでは?

 

「どうした? 撃たないのか?」

 

親衛隊を挑発するルルーシュ。

どうやら内面に大きな変化があったようで、

まるで人が変わったように冷静です。

心臓に核金でも埋め込まれたのでしょうか?

 

「それとも気づいたか?

撃っていいのは、撃たれる覚悟がある奴だけだと」

 

にやりと不敵な笑みを浮かべるルルーシュ。

その顔に浮かぶ僅かな、しかし明らかな怪異。

何と、左右で眼の色が違うのですぅ。

 

「な、何だ……」

「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる」

 

血のように赤いルルーシュの左眼。

その異様な雰囲気に親衛隊も怖気づきます。

彼らに向けて何やら仰々しい名を口にするルルーシュ。

“ブリタニア”という国名が含まれていますが、

“キャプテン・アメリカ”みたいなものでしょうか?

 

「貴様達は……死ね!

 

ルルーシュの瞳の奥に浮かび上がるのは、

先ほど少女の額に浮かんだものと同一の紋章。

開脚した女性を正面から見た風にも見えますが、

今のところは何を意味しているのかわかりません。

 

「イエス、ユア・ハイネス」

 

ルルーシュに命令された親衛隊達。

その目はルルーシュと同じ赤に染まっています。

彼らは狂気に満ちた表情で銃を首筋に持ってくると、

そのまま迷うことなく引き金を引いて一斉に自害しました。

日本人もビックリのハラキリスピリッツです。

 

「……………」

 

そして訪れる静寂。辺りに残ったのは死体の山。

凄惨な光景に放心状態のまま立ちつくすルルーシュ。

何の説明も無いままに手に入れてしまった謎の力。

普通の学生である彼に受け入れられるはずがありません。

 

「手に入れた……力を!」

 

しかし放心状態だったのもほんのわずか、

ルルーシュは手にした力の大きさに打ち震えます。

この力があれば、新世界の神になることさえ可能。

既にスザクが死んだことなどは忘却の彼方です。

 

 

 


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