いよいよ、2人の試合が始まります。
解説の松岡修造も気合十分。
やる気満々の松岡修造ほど怖いものはありませんが。
「この試合のポイントは、学生チャンピオンの竜崎麗華に、
テニス歴2年の岡ひろみが、どのくらい食いついていくか、そこだと思いますよ」
事前にしっかりと情報を調べてきた修造。
ひろみは高1から始めたので、テニス歴はまだ1年だと思うが。
「うわ、修造がひろみの名前言ってるよ〜」
マキちゃんも岡家のこたつに入って一緒に観戦。
西高女子テニス部員も学校で観戦。(マキちゃんは逃げた)
音羽さんはテニス部を辞めたのに、当たり前のように前に座ってます。
後ろの1年生が立ち見している姿に、部活内の年功序列が見てとれます。
もちろん、宗方コーチも観戦。
蘭子は選手なのに会場に行かず、お兄ちゃんといっしょ。
街頭テレビで力道山の試合を見る子供のように、
食い入るようにテレビを見つめる宗方コーチ。
その視線の先は、もちろん……
(頑張れ、岡!)
てか、あんた、男子の試合は見てなかったよね。
(来なさい、ひろみ)
(力を……出し切れますように)
「エースをねらえ!」 ドラマレビュー 最終話・前編
ついに試合開始!
のっけから、ネタにするのを許さないような緊迫した試合展開です。
「うにゃ〜!」
そして、さっそくやられるひろみ。
(いきなり、ひどい……)
何かを訴えるようにお蝶夫人を見つめるひろみ。
しかし、お蝶夫人は、
この表情。
今日のお蝶夫人はガチです。
「負けるもんか!」
気合を入れなおすひろみ。
「とおりゃあ!」
さっきは決められたが、今度はきっちり返す!
宗方コーチの視線も、ひろみの一点に集中します。
↑
(最初のサービスゲーム、絶対に落としたくない!)
最初から全力でぶつかっていくひろみ。
正直しんどいお蝶夫人。
今までは、最初から本気を出す試合なんて1つもありませんでしたので。
「どうだぁ!」
第1ゲームはひろみが先取!
(強くなったわね。ひろみ)
しかし、まだまだ勝負はこれからです。
「勝った!ひろみが勝ったよ!」
まだまだ勝負はこれからです。
(いくわよ、ひろみ)
お蝶夫人のサービスゲーム。
「お受けなさい!」
(はにゃ?何か横を通り過ぎたような……)
(なんだ、ボールか……)
(って、オイ!)
(緑川さんぐらいのサーブなら、私も打てますわ)
いつのまにか、蘭子の弾丸サーブを会得していたお蝶夫人。
テレビで見ている蘭子は、かなり動揺しているでしょう。
さらに激しさを増すお蝶夫人の攻撃。
(すごい、すごい気迫だ、でも負けたくない!)
それに必死に喰らいつくひろみ。
まさに、一瞬たりとも目の離せない展開です。
↑
寝てる
(立ち見は疲れるな……)
でも、お蝶夫人に気づいてもらうため、あえて座らない尾崎。
「くうっ!」
ボールを上げてしまったひろみ。
「チャンス!」
「しまった!」
「指差し確認、よーし!」
嬉しそうにボールに近づくお蝶夫人。
「とぅ!」
(と、飛んだぁ〜!?)
お蝶スマッシュ炸裂!
「蝶のように舞い、蝶のように刺す!」
満足げなお蝶夫人。
「何も飛ばなくても……」
ショックを受けたひろみ。
あっさりと追いつかれてしまいます。
そして、この後もお蝶夫人の猛攻は続き……
6−2であっさりと第1セットを落としてしまいます。
この展開に解説の修造は?
「岡選手心配ですね、このままだとズルズルいってしまいますよ。
セットの後半、竜崎選手に正直気持ちで負けてますから、
このままだと、セット決まっちゃうでしょう」
「そ、そんな…修造ひどい」
もう祈るしかない宗方コーチ。
(……完璧だ、付け入る隙がない)
すっかり弱気になってしまっているひろみ。
修造の言うとおり、このまま終ってしまうのでしょうか?
……だが、その時!
「いいか岡、竜崎から逃げるな!」
(はぅあ!)
試合中に宗方病が再発!
「そうだ、逃げちゃダメだ、最後までお蝶夫人に向かっていくんだ、戦うんだ!」
宗方コーチの言葉を思い出し、ひろみの目に再び闘士が宿る。
ていうか、今まで忘れてたのかよ。
しかし、気合だけで勝てるほど、テニスは甘いものではありません。
第2セットも、お蝶夫人のペースのまま進んでいきます。
気合だけで勝てたら、修造が世界1になってるもん。
このまま、お蝶夫人の前に敗れ去ってしまうのか?
「……落ち着け、ひろみ、まだ追いつける」
そう、勝負に勝つには、熱血に加えて冷静さが必要です。
お蝶夫人の弾丸サーブ!
「取られたら、取り返せ!」
ものすごく当たり前のことを口にするひろみ。
「決められたら……」
「決め返せ!」
でも、その当たり前のことを多く出来た方が勝つのがテニスです。
「よし!」
「諦めないで、今のようなネットプレイを仕掛けていけば、
これ、まだまだチャンスありますよ!」(by修造)
(いいこと言うな、修造!)
修造の指示通り、ネットプレイを仕掛けるひろみ。
この試合、ひろみのコーチは宗方コーチではなく修造です。
(もう、修造ったら、余計なことを!)
ネット際に詰めているひろみに、ロブを上げるお蝶夫人。
尾崎はこれでやられましたが、ひろみはどうでしょうか?
「あたしは尾崎さんとは違う!」
あっさりと打ち返すひろみ。
逆にリターンエースを奪った!
(やはり、尾崎さんはバカだった……)
再認識したお蝶夫人。
ますます白熱する試合。
「ひろみ、そこだ、いけ!」
「邪魔!」
「ニャ〜!」
岡家のテレビの前も戦場に。
「ひろみ、がんばれ!」
マキちゃんも必死の応援。服はなんか変だけど。
「すごい、岡さん……」
すごく久しぶりに登場の島さんも興奮。
(帰ってきたら、またいじめてやらなきゃ!)
テニス部を辞めても、依然としてリーダーの音羽さん。
(何なの、この子は!?)
この試合で、初めて動揺の表情を浮かべるお蝶夫人。
「ちょああー!」
ますます動きが良くなっていくひろみ。
ひろみ、ついにセットポイント!
「岡選手すごい気迫ですよ、気持ちで戦っています!」
熱血が大好きな修造もひろみの応援にまわった。
「まだまだいくよ!」
ひろみ、もうノリノリです。
(しまった!)
ボールを上げてしまったお蝶夫人。
「どうしよ、どうしよ、」
「えぇい、飛んじゃえ!」
「てりゃあぁぁー!」
ひろみのジャンピングスマッシュ!
(マネされた……)
お蝶夫人、一歩も動けず。
「よし!とったぁ!」
ひろみ、ついに追いつきました。
(よくついて来てくれた……)
ひろみの成長に感無量の宗方コーチ。
「……………」
(……よく、ここまで育ってくれた)
別に胸や尻を見て思ったわけではありません。
(追いついた、次のセットも絶対取る!)
最終セットへ向け、闘志をメラメラと燃やすひろみ。
(本当に最後……第3セット)
そして、静かにその時を待つお蝶夫人。
続く。