「エースをねらえ!」 ドラマレビュー8話・後編A

テニスの王子様

 

(今回のレビューは、少年マンガのノリでお読みください)

 

全日本ユース選抜トーナメント決勝、藤堂VS尾崎

お互い1セットずつとって、試合は第3セット、4−4の同点。

 

(ここまで来たな、尾崎!)

 

勝負は息詰まる一進一退の攻防戦。

今までにない、険しい顔の藤堂。

 

(決着だプー、藤堂プー!)

 

今までにない、面白い顔の尾崎。

 

(藤堂さん……)

 

昨晩は寝不足のひろみ。

 

(尾崎さん……)

 

同じく寝不足のお蝶夫人。

 

(どっちにしようかな……)

 

2人の男性の間で揺れる、千葉の乙女心。

 

「行くぞ、尾崎!」

 

 

「お前に俺の球が打てるか!?」

 

 

「打てるさ!ガニ股打法!」

 

 

「うわ、何か変なポーズ!」

 

 

「そして、次は内股!」

 

 

 「クッ、やるっ!」

  

 

「腕を上げたな、尾崎!」

 

 

「まだまだだね」

 

 

「ならば、これならどうだ!?」

 

 

 「なんの!」

 

 

 「今だ!藤堂セクシーフラッシュ!」

 

 

 「うわ、眩しい!」

 

 

「クッ、おへそが気になってしまった!」

 

 

「キミの方こそ……まだまだだね」

 

 

「藤堂さん、カッコイイ……」

 

 

「尾崎さん、カッコ悪い……」

 

 

「うおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」

 

 

「どりゃああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「キャ〜ッ!キャ〜ッ!キャ〜ッ!」

 

 

(1ポイントも渡さない!)

 

 

(させるかぁ!)

 

(テレパシーで会話しております)

人類初のニュータイプ同士の試合は、さらに白熱。

 

「くらえ!ジャンピングボレー!」

 

 

「ケツだけ星人、ぶりぶり〜!」

 

 

「ケツだけ星人している時に打つなんて、卑怯だぞ!」

 

 

「そんなルールねえよ!」

 

「クソッ、藤堂のバカー!」

 

 

「バカって言った奴がバカなんだぞ!」

 

 

「あ、今2回もバカって言った!バカバカバカー!」

 

 

 

「ハァハァ…」

 

ハイレベルな試合に、千葉も写真を撮るのを忘れて見入っています。

 

「これで、どうだ!」

 

 

 

「ウキッ!?」

 

 

「ウッキー!」

 

 

「ウキャー!」

 

 

(そろそろ、アレを使うときか……)

 

 

「くらえ、尾崎!」

 

 

「ウィンブルドンボール1号!」

 

 

 「な、何だ!?今のサーブは!?」

  

 

「ここでサービスエース!?藤堂さんスゴすぎ!」

 

 

「尾崎さん、せめて動いて!」

 

これで、藤堂が5−4とリード。

あと1ゲーム取れば、藤堂の勝利です。

 

「これからだ、藤堂!」

 

だが、尾崎の目はまだ死んでいない。

 

「来い、べジータ!」

 

 

「必殺・腰の入っていないサーブ!」

 

 

 「藤堂セクシーフラッシュ!」

 

  

 「秘打・白鳥の湖!」

 

両者とも必殺技の応酬で、スコアは30−30。

 

その時、尾崎の中の種(シード)が弾けた。(本当にそんな効果音がした)

  

(……何だ、このプレッシャーは?)

 

 

(来る……!)

 

 

「必殺・腰の入っていないサーブ!」

 

 

「&ダッシュ!」

 

一気にネット際に詰める尾崎。

 

 

「どうだ、藤堂。

思わず返したくなるサーブ。

だが、正面に返せばボレーの餌食!

これには、さすがのお前も……」

 

「やぁ!」

 

 

「えっ、横に返すのかよ!?」

 

 

 「ちょ、ちょっとタンマ!」

 

 

 「あぁん!」

 

 

 「俺の最終奥義が……」

 

3秒で返されました。

 

「俺はただ勝負に出ただけだぜ!」

「だから、無茶するのと勝負するのは違うだろ!」

 

 

 

 

(……そういえば、奴はあんなことを言っていた)

 

「わかったようだな尾崎。お前の敗因は、俺より頭が悪いことだ!」

 

 

(……いや、まだ試合続いてるし)

 

 

「終わらねえ、終わらねえぞ!」

 

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉ!」

 

 

 「そして、ダッシュ!」

 

またも、一気にネット際に詰める尾崎。

 

「最後まで、前に出るのか!?」

 

 

「俺には前に出るしかできねえ!

前に出るのが俺の生きる道なんだよ!

さあ、藤堂、ネット際の打ち合いを楽しもうぜ!」

 

 「やだっ!」

 

 

 「えっ、ここでロブ!?」

 

 

「ま、待って〜!」

 

 

「あー!」

 

 

 「・・・・・・・・・・・・」

 

 

「ゲームセット&マッチ藤堂!」

 

 

「……今のは練習で、これから本番ってダメ?」

 

 

「ダメ」

 

 

「藤堂……」

 

千葉の相手は藤堂に決まりました。

 

試合終了。

 

負けたけれど、尾崎もよく頑張りました。

落ち込まずに、これからも頑張っていってほしいですね。

 

がっくし。

 

すごい落ち込んでました。

 

そこにお蝶夫人が。

 

(……みじめな俺を笑ってください)

 

 

「アメリカ行きのチケットは取り損ねました。情けないですよね…」

 

「あんだけ偉そうな事言って負けた。俺はいつもあいつに負ける!

……何一つ手に入れることも出来ない」

 

 

(夜中に人の家の前に立っていましたしね)

 

 

(しばらく、お遍路に行ってきます……)

 

お蝶夫人に別れを告げるように去っていく尾崎。

 

 

 

 

「待って、尾崎さん!」

 

そんな尾崎をお蝶夫人が呼び止める。

 

 

 

 

「……私の試合、見ていってください」

  

 

「えん?」

 

ものすごく間の抜けた返事で答える尾崎。

 

「……あなたに、見ていてほしいのです」

 

 

(それって、どういう……)

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

(ぽっ……)

  

 

まさか、お蝶夫人も尾崎のことを?

 

もし、お蝶夫人と結婚することが出来たら、

逆玉の輿で、藤堂を一気に逆転できるぞ、ガンバレ尾崎。

  

「あたしゃ1人だよ……」

 

2人が青春を謳歌している頃、

ひろみは無人のロッカールームで寂しそうに座っていました。

 

そういえば、初めての試合の前も、こんな風に緊張していました。

その緊張をほぐしてくれたのは、今から試合をするお蝶夫人です。

 

「差し上げるわ、やる以上はしっかりおやりなさい」

 

試合前にラケットが壊された時、お蝶夫人がラケットをくれた。(犯人は音羽さん)

 

(お蝶夫人、ずっとあたしの憧れだった人……)

 

 

「誰です、私のパートナーを動揺させるようなことを言うのは」

 

試合中のヤジを止めてくれた。(犯人は音羽さん)

 

お蝶夫人と組んだダブルスで優勝した。(その後、音羽さんが退部)

なんか、全ての思い出に音羽さんが絡んでますね。

 

(そのあなたに、あたしは今、本気で向かっていきます)

 

お蝶夫人と戦う決意を固めたひろみ。

 

(ひろみ、最後よ。どれほど力がついたのか、私に見せてごらんなさい)

 

それを真っ向から受け止めるお蝶夫人。

 

 (お蝶夫人がなんぼのもんじゃい!)

 

 

(お蝶夫人がなんぼのもんじゃい!)

 

 

(お蝶夫人が……)

 

 

ずーん!

 

 

(……スミマセンでした)

 

やっぱり怖い。

 

いよいよ、女子の決勝戦が始まります。

 

選手一同と、カップル(藤堂×尾崎)も観戦。

 

役員一同、ここだけオヤジ臭がすごいです。

 

「麗華……」

 

すっかり恋人気取りの尾崎。

 

(来なさい、全てをかけて……)

 

 

(あなたに向かっていくことは、あなたに背くことではないんですね。感謝します)

 

 

(ベストを……尽くします!)

 

いざ、決戦のコートへ。

 

「ザ・ベストオブスリーセットマッチ、岡サービスプレイ!」

 

 

(お蝶夫人……)

 

 

(ひろみ……)

 

「岡ひろみ、いきます!」

 

 

続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……その頃、宗方コーチは、

 

 「病室では、誰もが1人、1人きり〜♪」

 

 

(今回、出番なかったなあ……)

 

 

(最終話に続く……っと)

 

 

 

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