後藤田議員も注目するドラマ

 

「エースをねらえ!」 ドラマレビュー 7話・前編

 

試合に敗れ、お蝶夫人に罵倒され、

蘭子にビンタされ、宗方コーチに無視されたひろみ。

 

もはや、ひろみを助けてくれる人は誰もいないのか?

 

 

そして、次にひろみが向かった場所は……

 

「確か、このあたりだと思うんだけど……」

 

ここは?

 

「藤堂」の表札。

 

どうやら、藤堂のマンションのようです。

今まで一度も行ったことがないのに、何で住所を知っているのか?

(第1話で途中まで一緒に帰ったけど)

 

はたして、藤堂はいるのでしょうか?

 

「ごめんなさいね、せっかく来ていただいたのに、弟ったら戻ってなくて」

「いえ、こちらこそ突然、すみません」

 

藤堂はまだ帰って来ていないようです。

代わりに藤堂のお姉さんが出てくれました。

 

きれいなお姉さん!

 

なるほど。藤堂がモテるのに彼女がいなかったのは、

どうやら、このお姉さんに原因があるようです。

 

こんなお姉さんと一緒に住んでいては、

女子高生などに興味を持たないのも仕方ありません。

 

「貴之から、よく話を聞いてるわ、あなたのこと」

 

(そんな、美人のひろみちゃんだなんて……)

 

 

 

「うちの学校の1年生に、面白い1年生がいるって」

 

「……面白い?」

 

ひろみは女芸人として、見られていたのか?

 

「ああ、そう言う意味じゃなくて、不器用だけど、ガッツがあって、

どんな辛いことにも負けないって、あの子が女の子の話するなんて初めてよ」

 

あわててフォローするお姉さん。

 

「藤堂さんが……」

 

 

「この写真って?」

「ああ、そう、小さい頃の貴之は体が弱かったものだから、

 両親に無理矢理テニスをやらされてね、そしたら、すぐに夢中になっちゃった」

 

「そうだったんですか……」

 

「あの子、ああ見えてすごく負けず嫌いだから、

 きっと、岡さんのこと見て、自分に似てるって思ったんじゃないかしら?

  岡さん、あなたも一次選考通過したんでしょ?」

 

「ええ、まあ……」

 

今日の試合に負けたので、ダメなのかと思いましたが、通過したようです。

 

「がんばってね、貴之、あなたのことずいぶん応援してるみたいだから」

「はあ……」

 

「いつか、一緒に世界に行けるって、信じてるって」

 

(新婚旅行!?)

 

一気に飛躍する発想。

 

「一緒に行こう、ずっと(ハワイあたりへ)」

 

「ごめんなさいね、なんのおかまいもしないで」

「いえいえ、あたしこそ、突然おじゃましてすみませんでした」

 

「それじゃあ、失礼し……

 

ひろみが帰ろうとした、その時、

 

ふと、目に飛び込んできたのは……

 

藤堂のラケット。

 

(なぜ、藤堂さんのラケットがここに?)

 

今日は藤堂も試合があったので、藤堂が素手で試合をしたか、

ラケットがひとりでに帰ってきた以外に、ここにあるはずはないのですが。

 

残る可能性としては……

 

 

「貴之に何か伝言でもある?」

 

「いえ、失礼しました。ありがとうございました」

 

(帰ったわね……)

 

「岡君は?」

 

やっぱり居留守でした。

 

 

「帰ったわ、結構カワイイ子じゃない。

でも良かったの?せっかく来てくれたのに、出てあげないで」

 

「今は会わない方がいいような気がしてね」

 

「無理しちゃって」

 

何だ、このドラマみたいなセリフは?(ドラマです)

 

「なあ、姉貴!」

 

「ん〜?」

 

「女の成長を妨げないような

愛し方ってどんなのだと思う?」

 

「え?」

 

突然、何を言い出す?

 

「い、いや、何でもない」

 

恥ずかしくなって、あわててごまかす藤堂。

 

「ひょっとして、誰かにそう言われたとか?

でも、その人、よほど信頼してるのね」

 

「岡君のこと?」

「いえ、貴之のこと」

 

(宗方コーチがオレを信頼?)

 

「じゃなきゃ、そんな風に言えないわ」

「そんなもんかなあ……」

「ええ。だから、貴之もそれに応えられるような男になりなさい」

 

勝手に期待をかけられる藤堂。

 

頼みの綱の藤堂にまで居留守を使われたひろみ。

もう、ひろみに残された人はたった1人しかいません。

 

そう、親友の……

 

音羽さん。

なんだかんだで、最近仲良しです、この2人。 

 

「あたしね、初めてあの子達のコーチ頼まれた時、

 正直、断ろうかと思ったの」

 

「子供相手にテニスなんか教えられるか、ってね」

 

「それに、西高の選手だったっていうプライドもあったし……

 

でも、見て。

あの子達、あんなに泥だらけになるまで夢中になって」

 

一生懸命ラケットを振る子供、カワイイですね。

 

このガキは股間にグリップを当てて、何をしてるんでしょう?

 

「こら〜 よしのり〜

何度言ったらわかるの!」

 

また、よしのりか!

 

 

「ホラ、胸張って!」

 

音羽さんの指導に対して、

 

さからうよしのり。

 

 (いいぞ、よしのり!)

 

一転、音羽さんの前で張り切るよしのり。

もしかしたら、よしのりは音羽さんのことが好きなのかもしれません。

このぐらいの子供は、好きな子の前で、ワザとふざけたりするし。

 

(よしのりも大変だぁ……)

 

「ね、笑っちゃうぐらい下手くそでしょ」

 

「でもね、あの子達真剣よ。真剣にテニスを愛してる」

 

 !!

 

「私に勝った頃のあなたと同じ。

あなたもあの子達と同じ顔してた」

 

 

(あんな顔か……)

 

ショックを受けるひろみ。

 

その時、

 

「握手してぇ」

 

突然、ひろみに握手を求めるよしのり。

 

どうやら、よしのりは、音羽さんからひろみに乗り換えたようです。

 

(よしのりめ〜!)

 

選手の座ばかりか、よしのりまでもひろみに奪われる音羽さん。

 

「女の子を見る目あるな、よしのりは!」

 

「あたしもこの子達みたいに、純粋な気持ちに戻りたい……」

 

 

 

そんな気持ちを抱いたひろみが取った行動は……

 

キャプテン翼よろしく、道端で素振り。

正直、迷惑です。

 

そして、練習をしようとテニスコートに着いた時……

 

 

「練習するなら、来る場所間違えてるわよ」

 

!?

 

弾丸ビンタのお蘭!

 

「ここじゃなくて、仁のところに行けば?」

 

「でも、いまさら、コーチのところに戻るなんて……」

 

 

「ふざけないで!」

 

!!

 

「まさか、仁があの程度のことで、あなたを見捨てると思った?

あなた、自分だけが辛いような顔してるけど、

あなたの苦しみなんて、仁の抱える苦しみと比べたら、

なんてことないわ!」

  

(また、ビンタか……?)

 

覚悟するひろみ。

 

「あなた、一度でも仁がプレイしてるの見たことある?」

 

「はい?」

 

ビンタじゃなかった。

 

「仁は、私の兄は、

もう、一生プレイできない体なのよ!」

 

(そんなこと知らなかった……)

 

「誰よりもテニスを愛しながら、テニスを失った苦しみ、

あなた、そんな仁の気持ちを一度でも考えた事ある!?」

 

(いや、今初めて知ったんだから無理!)

 

「わかったら行きなさい、仁のところへ。

そして、もう一度鍛えなおしてもらいなさい。

そしたら、あたしが証明してあげる」

 

「仁があなたを選んだのは、間違いだったってこと!」

 

(怖い……)

  

そのまま歩いて帰っていく蘭子。

 

呆然と見送るひろみ。

 

しかし、どうして毎回、蘭子はひろみのいる場所がわかるのか?

 

会場からずっと後をつけてきたのか?

ひろみに発信機でもつけているのか?

 

女性同士だと、ストーカーで訴えるのも難しそうです。

 

宗方コーチの体のことを知ってしまったひろみ。

昨日、宗方コーチに言ってしまった言葉を思い出す。

 

 

 

「そんなに世界に行きたければ、コーチが自分でやればいい!」

 

(お、岡が不良になっちまっただ!)

 

あの時の宗方コーチの寂しそうな表情。

 

(あたし、なんてこと言っちゃったんだろ……) 

 

 

 

 悩んだ末に、ひろみが向かったのは、

 

宗方邸。

 

(うぅ、やっぱり緊張するなぁ……)

 

(ピンポンダッシュしちゃおうかな……)

 

 

「こんな時間に何してる?」

 

!?

 

「コーチ!」

 

「……………」

「……………」

 

しばしの沈黙の後、

 

黒い家に連れて行かれるひろみ。

 

「すみません、あたし、なんにも知らないで、

 あんな酷いこと言ったりして……」

「謝ることはない」

「でも……」

 

「かつて、オレは忘れたいことがあって、

 憎しみをぶつけるようにテニスをしてた。

 

だが、ある日……」

 

「痛い!痛い!」

 

「オレは、失ってはじめて気づいた、

 テニスは、憎しみのはけ口ではないということを」

 

「そして、そのテニスを

いかに愛していたということを」

 

 (この長い前フリは、もしや……)

 

「座れ」

「はい」(やっぱり……)

 

 

全国6千万人の宗方ファンの皆様、

大変長らくお待たせいたしました。

 

これから、宗方コーチの独演会・第2弾が始まります。

PCを縁側に持っていって、お聞きください。

 

講師:宗方 仁

お題:「テニスとは、人生とは」

 

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

 

あれ?何も喋らないぞ。

まだ、二日酔いが残っているのか?

 

「この1球は、絶対無二の1球なり

されば、心身をあげて一打すべし」 

 

「この1球は、絶対無二の1球なり

されば、心身をあげて一打すべし

この一打に、技をみがき、体力をきたえ

精神力を、やしなうべきなり

この一打に、いまの自己を発掘すべし

これを、庭球する心という」

                

福田雅之助という、有名なテニス選手の言葉です。

 

(何を言ってるんだろう?)

 

 しかし、もちろんひろみはそんな人知りません。

 

「人生において、1日と同じ日がないように、

テニスにもまた、1球として同じ球はない」

 

「わかるか、岡?」

 

わかってない顔です。

 

「お願いです、コーチ!

あたしにもう一度チャンスをください!」

 

「……………」

 

考えこむ宗方コーチ。

 

自分の期待を裏切り続けるひろみを、

宗方コーチは許してくれるのでしょうか?

 

 

 

そして、宗方コーチの返事は……

 

「選手を見捨てるコーチが何処にいる?」

 

!!

 

「オレは、この世に耐えられぬほどの苦しみも、

悲しみもないと信じている。

確かに、テニスを失った時、俺は苦しみ、悲しんだ」

 

(コーチにもそんな時が……)

 

盗んだバイクで走り出したりする宗方コーチを想像するひろみ。

 

「だが、その時があったからこそ、岡、」

 

「お前という人間に出会えた」

  

「コーチ……」

 

傍から見ると、口説いているようにしか見えませんが、

「人間」という言葉を使っているので、

性別などを越えて、ひろみのことが好きなんでしょう。

 

 「あたし頑張ります、コーチのためにも」

 

「オレのために。などと言うな、

お前は、お前のためにやれ。いいな?」

 

「はい……」

 

(でも、ホントは嬉しい)

 

こうして、2人は仲直り(?)しました。

 

 

 そして、2次選考の日がやってきた。

 

「我々テニス連盟は、当初の予定を変更し、

 今回の選考会をもって、全日本ユース選抜の最終審査とします」

 

「な……」

 

「なんだってー!!」

 

「各自、4戦4勝。全勝した者のみを、

全日本ユース選抜のメンバーとして認定します。

全力を持って戦ってください」

 

突然の決定、宗方コーチは知っていたのでしょうか?

 

(な、なんだってー!!)

  

「そんな、一つも負けられないなんて……」

 

(オレも知らなかった!)

 

さっそく、掲示板を見に行く。

 

(前回はしょぼい組だったから、今回も……)

  

 !?

 

どうやら、最悪の組に入ってしまったようです。

 

続く。

 

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