二日酔いに効くドラマ

 

「エースをねらえ!」 ドラマレビュー第6話・後編A

 

練習を抜け出し、一人で帰るひろみ。

 

そんなひろみの足元に、テニスボールが転がってきた。

 

「すみませ〜ん」

 

どうやら、あの女性のボールのようです。

 

女性を見て、驚くひろみ。

どうやら、見覚えのある人物のようです。

 

「一度はテニスをやめようと思ったんだけどね……」

 

ひろみと親しげに会話をする女性の正体は?

 

お、音羽さん!?

 

どうして、こんな所に?

 

「無理だったみたい。

だから、こうして子供達にテニスを教えている訳」

 

なんだか、すっかり丸くなったみたいです。

 

「よしのりー、もう、あんたはー

そういうイタズラばっかりしないの!」

 

(音羽さんも、すっかりお母さんだな……)

 

まだ高校生です。

 

「聞いたわよ。

選抜代表メンバーの候補に選ばれたんですって、大活躍ね」

 

(そ、その話題は……

「なによ、やけに元気ないじゃない。嬉しくないの?」

 

「わかんないんです、あたし

正直、何でテニスやってるんだろうって……

 

優しくなった音羽さんに、悩みを相談するひろみだが、

 

「は?何よそれ!」

 

「だって、あたしは一度も世界なんて

考えた事ないのに、勝手にいろんな事が……」

 

「だから何?」

(うわぁ、やっぱりキツイよ。音羽さん)

 

「あなた、自分がどれだけ幸せかわかってる?

 

あなたは私をはじめ、いろんな人を踏みつけて、

そこまでのし上がって行ったのよ。

 

悔しかった……苦しかった……

そんな私達の気持ち、あなた、踏みにじるつもり?」

 

「でも……」

 

「世の中には、いくら上を目指したくても、

そのチャンスを与えてもらえない人間だっているのよ」

 

「そんな事もわからないのなら、今すぐテニスをやめなさい!」

 

「今のあなたに、ラケットを持つ資格なんて無い!

 

昔、自分のラケットを壊したり、隠したりした人から、

そんな事を言われて、ショックを受けるひろみ。

 

その夜、宗方宅では……

 

「え、岡がそんな事を?」

 

「正直、何て言えばいいのか、わからなかった……」

 

思春期の娘を持つ父親は、どこも大変です。

 

「お前のケガの事、岡は知らないのか?」

「ああ……言って何になる」

 

「今は、あいつを信じるしかないんだ」

 

酒を注ぐ宗方コーチ。

 

(……入ってない!)

 

「どうだ?もう一杯!」

 

「少し飲みすぎじゃないか?」

「いいから、付き合え!」

 

珍しく悪酔いしている宗方コーチ。

 

よろめく宗方コーチ。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「大丈夫だ、少し酔っただけだ……

 

どうやら酔っただけのようです。

 

ヨロヨロと廊下を歩く宗方コーチ。

 

なんか、様子がヘンです。

本当に酔っただけなんでしょうか?

 

でも、こういう人、よく居酒屋のトイレにいますね。

多分、大丈夫でしょう。

 

 

 

 

……その頃、ひろみは、

 

(やっぱり似てない……)

マキちゃんの人形に文句を言ってました。

 

 

 

――――翌日

 

ひろみの予選第2試合・相手は中尾さん。

 

お蝶夫人も見守る。

 

蘭子も目をギラギラさせて観戦。

 

カメラ小僧も撮影準備OK。

 

コーチは二日酔い。

 

中尾さんのサーブ!

 

ひろみのレシーブ!

 

しかし、ネット。

 

今日のひろみ、調子が悪いようです。

 

コーチ……)

 

「…………………」

 

(無視するなよ……)

 

宗方コーチは、大会スタッフという立場から、

ひろみにアドバイスをする事が出来ないのです(多分)

 

 

その頃、他のコートでは、

 

「藤堂レシーブ!」

 

「藤堂ボレー!」

 

「藤堂スマッシュ!」

 

「ゲームセット&マッチ藤堂!」

 

 

 

おお!珍しく(初めて?)カッコいい藤堂。

こんなに気合の入った藤堂の試合を見るのは初めてです。

 

さては、観客に恋人でも来ているのでしょうか?

 

「君のために勝ったよ!」

 

「尾崎!」

 

ついに藤堂もBLの世界に?

 

「さすがだな、ラブゲーム」

 

2人の関係もラブなのか?

そんな不安を感じえませんでしたが、

 

「気になってんだろ、岡君の試合。行こうぜ!」

 

そう、藤堂はひろみの試合を見るために、この試合を早く終わらせたかったのです。

 

 

……そんな理由で、あっさりとやられた対戦相手が不憫です。

 

ひろみのコートに駆けつけた2人。

だが、スコアを見て唖然。

 

すごい大差で負けてる。

 

カラスコが先発でもしたのか?

  

コートには、虚ろな表情のひろみ。

 

「おい、どういう事だよ?相手そんなに強いのか?」

「いや、そうじゃなくて」

 

「岡君がおかしいんだ!」

「何、知っているのか藤堂!」

 

 

おかしい

 

(あたし、おかしくないですよね?)

 

「…………………」

 

「おかしくないもん!」

 

だが、ひろみのサーブは、

 

「フォルト、ゲームセット&マッチ、中尾!」

 

結局、1セットも取れずにひろみ完敗。

 

(あたし、おかしいですか?)

 

「…………………」

 

(もういい……)

 

 「ひろみ……」

 

「お蝶夫人……」

 

「何なの、今の試合?

何かに捕われた心のままコートに立つなんて、テニスへの冒涜よ!」

 

「恥を知りなさい!」

 

お蝶夫人に「恥を知れ!」と言われた人は、音羽さん以来です。

 

試合に完敗し、お蝶夫人には罵倒され、落ち込むひろみ。

 

 

そんなひろみを待ち受けるのは……

 

 

殺し屋。

 

(ターゲット確認!)

 

「み、緑川さん!?」

 

「行くぞぉー!」

 

「バカヤロー!」

 

(い、猪木?)

 

「岡さん、今度あんなプレイをしたら、

私はあなたを絶対に許さない!」

 

それだけ言って、立ち去る蘭子。

 

 

 

 

 

 

「いや、何でビンタなの?」

 

ひろみ、やられ損。

 

試合に完敗し、お蝶夫人には罵倒され、

蘭子には意味もわからずにビンタされ、落ち込むひろみ。

 

そんなひろみの前に、最後に現れたのは……

 

宗方コーチ。

 

コーチ……)

 

 「…………………」

 

 (怒られるのかな……)

 

「…………………」

 

(もしかして、励ましてくれるのかな……)

 

「…………………」

 

 

そして、宗方コーチがとった行動は?

 

(えぇ〜!?)

 

何も言わずに立ち去る宗方コーチ。

 

(なんか言えよ!)

 

 

結局、この日は一言も喋らなかった宗方コーチ。

本当に二日酔いだったのかもしれません。

 

 

ついに2/3まで終了しました、物語もそろそろ終盤です。

 

 

7話に続く。

 

 

 

 

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