劇団美咲のショートコント

 

「エースをねらえ!」 ドラマレビュー 第6話・中編

 

 

全日本ユース選抜選考会予選、ひろみの初戦。

 

 

対戦相手は美咲さん

 

 (落ちついてる、強そう……)

  

この美咲さん、プロの大会にも出場経験がある(自称)ほどの選手。

 

ひろみにとって、厳しい試合になる事は間違いないでしょう。

 

 

 

……いざ、試合開始!

 

 

 

 

 

あれ、楽勝ペース?

 

 美咲さんのレシーブ!

 

 ひろみ、スルー!

 

「アウト、デュース!」

 

 ひろみ、相手のボールが良く見えています。

 

(たいした事ないな……)

 

少し余裕を持ったひろみ、その時!

 

 

 

 

 

「待ってよ!」

 

!?

 

「何で、今のがアウトなのよ!入ってたじゃない!」

 

いきなり、審判にクレームをつける美咲さん。

 

「え?」

 

突然の抗議に審判もポカーン。

  

「アウトです!」

 

審判が当然の対応をすると、

 

「嘘よ!」

 

(アイタタタタタ……)

 

かなり香ばしい人が出てきましたよ。

 

「何で!?さっきから、

あの子に有利な判定ばっかり!」

 

(うわ〜 こりゃあ本物だ……)

 

あまりにアレな美咲さんに、ひろみもしょんぼり。

 

 だが、このまま終わる美咲さんではない。

 

ボールになにやら邪気を込める美咲さん

 

「必殺、美咲サーブ!」

 

「フォルト!」

 

「今のがフォルト!?」

 

(もう、勘弁してください……)

 

「もう一回、美咲サーブ!」

 

 

 

 

だが……

 

 「ダブルフォルト! アドバンテージ、岡!」

 

これもアウト。

 

(あと1点……)

 

 

ひろみが勝利を確信した、その時、

 

 

 

 

 

伝説が生まれた……

 

 

ドンガラガッシャーン!

 

 !?

 

「冗談じゃないわよ!」

 

「やってらんないわよ、こんな試合!」

 

「こんな不公平な試合、やってられるか!」

 

(えええぇぇぇぇぇ!?)

 

試合中なのに帰っちゃう美咲さん。

 

 呆然と見送るひろみ

  

審判団も唖然

 

冴子もただ見送……

 

った後でおちょくる

 

(うわぁ………)

 

見てはいけない人を見てしまい、動揺するひろみ。

 

「美咲選手の試合放棄により、勝者、岡選手!」

 

審判だけ冷静。

 

実感の沸かない勝利に困惑するひろみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、美咲伝説はこれで終わらない……

 

「再試合?」

「当然でしょう。あんな不公平なジャッジで勝ったなんて、

あなただって、後味が良くないんじゃないの?」

 

何やらおかしな会話をしていますよ。

 

「あの〜 さっきのジャッジの

どこが不公平だったんでしょうか?」

 

「何もかもに決まってるじゃない!」

 

(誰だよ、このオバサン!?)

 

「でも、勝ちは勝ちです。

それに試合を投げて負けたのは、

美咲さんの責任じゃないんですか?」

 

ひろみ、勇気を出してオバサンに反論。

 

「この子は、ウチの優子ちゃんは、

プロの公式戦にも出場した事のある選手なのよ」

 

どうやらこのオバサン、美咲さんのお母さんみたいです。

 

「あなたのような素人に負けるわけないじゃない!」

 

 

この親にして、この娘あり!

 

 2人のアレな方々を相手に、ひろみに勝ち目はありません。

 

「いくらなんでも、

ちょっと言い過ぎなんじゃないですか?」

 

そこに藤堂が助太刀にやって来た!

 

「ナイスタイミング、藤堂さん!」

 

「何なのよ、あなたは?」

 

「無理矢理、再試合をさせようなんて、

フェアプレイの精神に反しませんか?」

 

「だ、誰も無理矢理なんてしてませんわ」

 

シラを切る美咲ママ、どう見ても無理矢理だったが。

 

「だったら、理事側に直接訴えれば済む事だ。

彼女に言うのは筋違いでしょう!」

 

(おお、今日は頼もしいぞ!藤堂さん)

 

「ただし、審判のジャッジを素直に受け入れようとしない

あなた方の訴えを理事会の面々が受け入れるとは思いません」

 

「まるでお話にならないわ!

行きましょう、優子ちゃん!」

 

 退散する美咲一族

 

(勝った……)

 

満足げな藤堂。

 

「大丈夫?」

 

「はい……」

 

「あのぉ……ありがとうございました」

 

ひろみのピンチを救って、藤堂、好感度UPです。

 

(フッ、決まったな……)

 

やたらとカッコつける藤堂、

オバサンを追い払っただけなのに。

 

「ピーンポーンパーンポーン

藤堂選手、至急、Lコートまでお願いします」

 

放送で呼び出される藤堂、カッコわる〜!

 

  (……し、しまったぁ!)

 

「じ、じゃあ!」

 

そそくさと逃げていく藤堂。

 

「あの!」

 

「頑張ってください……」

「君もね」

 

(……頑張った結果が、アレだったんだけど)

 

 

 その晩の岡家

 

「そうか、勝ったか!」

 

「一応……」

 

「何よ、それにしちゃあ、ずいぶん元気ないじゃない」

 

「だって毎日、毎日、

テニス、テニス、テニス。

おなかいっぱいになっちゃう!」

 

「何言ってんのよ。

打ち込めるものがあるだけ良いじゃない」

 

 しゃもじでテニスをするお母さん。

 

「そうは言ってもさあ、世界なんて一度も考えた事ないんだよ。

なのに、急にこんなことになっちゃってさ」

 

「あ〜あ、私、普通の女子高生に戻りたい!」

 

 

宗方コーチが聞いたら、泣くぞ。

 

「なにキャンディーズみたいなこと言ってんだよ」

 

「あたしたち、普通の女の子に戻ります」

 

お父さん、顔は真似しなくていいから。

 

「何それ?」

 

「え、キャンディーズ知らないの?」 

 

「年下の男の子♪」

 

踊りだす父。

  

「ランちゃんもスーちゃんも、

結局、カムバックしたからな。

とりあえず、目の前にある事を、

一歩一歩やっていけばいいんじゃないかな」

 

 

最後まで、キャンディーズに例える父。

 

 「お父さん……」

 

「古いのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――翌朝

 

 

「もう10時よ、起きなさい!」

「うぅ、たまには寝かせてよ、今日は練習ないんだから〜」

 

布団にしがみ付くひろみ。

 

「仕方ないでしょう、お客さん来てるんだから」

 

布団から剥がされるひろみ。

 

 (……お客さん?)

 

(まさか、藤堂さん?)

 

「ホリデー!サンデー!」

 

1階に降りると、父のあやしい声が!

 

そこにいたのは……

 

「宝力さん!?

こんな所で何してんの?」

 

「何してんのって、遊びに来たに決まってんじゃない♪

私、横浜って一度も来た事なかったの、

だから、岡さんに案内してもらおうと思って」

 

「はあ?」

 

 

 

次回の「朝だ!生です旅サラダ」は、

「ひろみと冴子の横浜グルメツアー」をお送りします。

 

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