爽やか恋愛ドラマ
「エースをねらえ!」レビュー 第5話・中編
前回、いきなりの急接近で、いい感じのひろみと藤堂。
(岡君……)
(藤堂さん……)
もう、2人の関係はラブラブ。キックオフ状態。
だが、そんな2人の前に立ちはだかる障壁が……
その障壁とは……
「何、ボーっとしてんだ。始めるぞ」
このおっさんです。
(せっかく、いい雰囲気だったのに……)
しぶしぶ、コートに向かったひろみですが、
「ラケットは?」
「へ?」
「ラケットはどうした!?」
「あ!すみません」
もはや、テニスの事など上の空。
頭の中は、藤堂の事でいっぱいのひろみです。
「ほわたぁぁぁぁ!!」
気合を込めてサーブを放つ宗方コーチだが、
ひろみはやる気なし。
「なんだそのサーブは?」
せっかく、宗方コーチが必死な表情で打っているのに。
「はい、すみません!」
口では謝っていますが、全然気持ちがこもっていません。
(岡、一体どうしたんだ?)
ひろみの様子を疑問に思う宗方コーチ。
しかし、ひろみが集中できないのも仕方ありません。
ひろみの見つめる先には……
藤堂さん♥
(むむっ、あの野郎!)
(オレの岡に!)
(許せん!)
「ぶっ殺して(以下略)」
―――練習後
「コーチ、あの〜今日の特訓は……」
(藤堂さんと一緒に居たいんで休みたいんですけど)
ひろみが宗方コーチに言おうとすると……
「中止だ。夕食の後、大広間に来い」
(……なんだろう?)
夕食後、言われた通りに大広間に向かうひろみ。
「……失礼しま〜す」
恐る恐る部屋に入ると、そこにいたのは……
(……帰りたい)
「……座れ」
「……はい」
え〜ご来場の皆様方、
大変長らくお待たせいたしました。
これから、宗方コーチの独演会が始まります。
モニターの前で、正座をしながらお聞きください。
講師:宗方 仁
お題:「女がテニスをするという事」
「自分のテニスを目指すという事が
どういう事か、お前にわかるか?」
「女は一つの道を貫こうとした時、
どうしなければならないか、お前にもわかるか?」
「いえ……」
激しく興味なしのひろみ。
近づいてキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
どうするんだ?どうされるんだ?
浴衣の模様も蜘蛛の巣。
「お前を逃がさない」という無言のアピールです。
「女である事を超えなければならない。
恋をしても溺れるな。一気に燃え上がり、
燃え尽きるような恋は決してするな」
「はぁ……」
恋愛の真っ最中に、こんな事を言われても冷めますよね。
ですが、そんな事はお構い無しに、宗方コーチの暴走は続きます。
「出来れば忘れろ!」
!!!!!!!!
「お前は、もう、オレの手を取った。
同時に2人の男の手を取るな。
両方から引き寄せられて、引き裂かれる」
「オレは離さない!」
「他の誰よりも、お前を選んだんだ!」
「離さない!」
(冗談みたいな会話ですが、原文のままです)
_| ̄|○
突然の中年男性からの告白に泣き出すひろみ。
可哀想に……すごく怖かったんでしょう。
高校1年生の女の子には、ショックが大きすぎますよ。
「離さない!」
その言葉通り、翌日から、
今まで以上に、特訓が激しさを増していきます。
大リーグボールの特訓をするひろみ。
「はぁはぁ……」
「ワンと泣け!」
「わん!」
まさに、完全なる飼育。
ひろみと宗方コーチの2人の世界です。
ていうか、これ合宿だよね、他の部員もいるんだよね?
その様子を、熱心にビデオで撮影する千葉。
こんな場面をビデオに撮って何をするつもりなのか……
ネットの向こうでは、藤堂が恨めしそうに眺めています。
今、ひろみを巡って、宗方コーチ、藤堂、千葉、
この3人が争うという、四角関係が誕生しました。
(私にはあそこまでやってくれなかった……)
蘭子もいたので五角関係でした。
この女、どうして他校の合宿先に来ているんでしょうか?
嫉妬に燃える目、ストーカーの目です。
練習が終了して、夕食の時間。
今日の夕食はカレー、部員は大喜びです。
しかし、この2人にはカレーなど関係ありません。
「そんなタイミングで、
ライジングショットが打てるか!」
どうやら、ライジングショットの練習をしているようです。
大リーグボールじゃなかったんですね。
「あぁ……」
練習の厳しさに、ついに倒れこんでしまうひろみ。
それを見ていた千葉が、ひろみの元に駆け寄る。
「大丈夫?」
どさくさまぎれに、ひろみの体に触る千葉。
「邪魔するな!」
お楽しみを邪魔され、ご不満の宗方コーチ。
「少しやりすぎじゃないですか!
ここまでやる必要があるんですか?」
「部外者は口を出すな!」
痛い所を突く宗方コーチ。
確かに、新聞部に言われる筋合いはない。
「出します!」
(何だと、コラ)
(メガネをなめんなよ)
宗方コーチ VS 千葉
男同士の血で血を洗う戦いが、今始まる……
「千葉、よせ」
と思ったら、藤堂が止めに入りました。
つまんないの、宗方コーチのパンチを見たかったのに。
「藤堂、よく平気で見ていられるな!」
止めに入ってくれたのに、いきなり怒鳴り散らすメガネ。
「そんな事はコーチ自身が一番よくわかってる。
猛特訓はさせる方とする方、どちらが辛いと思う?
よほどの気持ちがなければ、こんな事はできない」
宗方コーチの気持ちを察する藤堂、大人ですなぁ。
(お前、よくわかってるな。カレー大盛りでいいぞ!)
宗方コーチも、藤堂の物わかりの良さに関心。
これ見よがしにひろみを抱く宗方コーチ
「……………」
「これでもか!」とひろみに密着する宗方コーチ
キスでもしそうな勢いです。
「……………」
藤堂は黙って見過ごすしかなかった。
(本当は千葉と一緒に、殴りたかったと思いますが)
夕食後、宗方コーチが、藤堂を呼び出しました。
「藤堂、ちょっといいか」
宗方コーチが藤堂に何の話があるんでしょうか。
ひろみの事か、テニスの事か、いずれしろ、重大な話に違いない。
「岡を好きなのか?」
30を超えたおっさんの第一声がこれですか。
中学生の修学旅行の夜じゃないんだから……
宗方コーチの問いかけに、藤堂は……
「好きです!」
「そうか、では、同じ相手に打ち込むものとして言う。
男なら、女の成長を妨げるような愛しかたはするな。それだけだ」
そう言い残し、宗方コーチは去っていった。
……え〜と、何が言いたかったの?
一方、ひろみの部屋では……
「ねえ、マキ……」
「ん?」
「私、藤堂さんが好き!」
ここでも中2ナイトか!
「でもね、今はテニス上手くなりたいの。自分のテニス、見つけたい」
「両立できないの?」(二股しなよ)
マキちゃん、意外と悪女。
「無理だよ、片想いだもん……」
ああん、違うのよひろみ、両想いなのよ!
翌朝、いつものように、素振り1000回を終えたひろみ
すると、向こうから藤堂が……
「冷えるね……」
「そうですね……」
すれ違う2人
これから、2人の関係はどうなってしまうのか?
テニスが関係なくなってきたけど、大丈夫なのか?
「ナゼ…すれ違うの」
大人気バンドヒステリックブルーの詞の一説を引用して、次回に続きます。