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【日記】

 

2005.1.28

 

「ToHeart2」を全キャラクリアした。

 

恋愛ADVはRPGと違って、

クリア後にレベル上げなどができないため、

終わってしまったときの喪失感がすさまじい。

 

何度も繰り返しプレイすることはできるが、

初回プレイ時のようなときめきは感じられない。

一刻も早い人間の記憶の一部を消す装置の開発が待たれる。

 

今日はこの喪失感を埋めるために、

ToHeart2」ごっこをすることにした。

つまりは大学に行くということである。

 

このまま自宅に引き篭もっていても、

ガンダム好きのお嬢様が偶然このサイトを発見し、

「なんて素適なサイト、ここの管理人さんと結婚する!」と執事に命令し、

ある日突然、僕のアパートに謎の黒服の集団が押しかけてくるという

地球滅亡の日を待った方が早いようなイベントしか起こらない。

 

新たな出会いを求め、大学の図書館に向かうことにした。

ToHeart2」では、高校の図書室の本をバーコード化する

という作業を通じて女の子と仲良くなるのである。

 

だが、一歩遅かった。

大学の書籍は既にバーコード化されていた。

そもそも僕が入学した時から、既にそうだった気がする。

名前も知らぬ先輩達へ憎しみの感情を抱くだけの結果となった。

 

僕は諦めずに図書館の階段を上り、書籍のある階へと向かった。

まだ図書館でのお約束の出会い第2弾が残っていた。

同時に同じ本を取ろうとして、手が触れ合うというアレである。

 

しかし、現在は期末試験期間中だったため、

皆が殺気だった雰囲気で、普段読まない参考書を片手に、

レポート作成に勤しんでおり、のんびり読書をしている者など皆無であった。

仕方がないので、伊坂幸太郎さんの著作を2冊借りて図書館を出た。

どの作品も面白いのでオススメである。

 

やはり、ゲームのような出会いは実際に起こらないのだ。

突然、見知らぬ美少女から話し掛けられるなんてありえない。

そんな妄想を具現化しているからギャルゲーは売れるのであり、

そうそう簡単に起こったらアクアプラスは潰れている。

 

そんなことを思いながら歩いていると、突然、前方から声をかけられた。

 

「うぉーっす」

 

声のした方を向くと、そこには見知らぬおっさんが立っていた。

大学の教授なのか、聴講生なのか、ただの酔っ払いなのか、

何者なのか全く不明だ。もしかしたら宇宙人かもしれない。

 

ToHeart2」でも宇宙人との恋愛があるので、

僕は相手が宇宙人でも一向に構わないのだが、

それは宇宙人が美少女の姿をしているから恋愛になるのであり、

おっさんの姿をしていたら怪奇ホラーにしかならない。

これでは出会いというより、未知との遭遇である。

微妙な間が空いた後、無視して通り過ぎることにした。

 

このまま何もなかったでは帰れないので、

僕と同じ授業を受けている愛佳さん(仮名)に、

「何か萌えるエピソードはありませんか?」

と相談を持ち掛けたところ、

「私、高校の時、サッカー部のマネージャーでしたよ」

と衝撃の告白をされた。

「女子マネ」という甘美な響きに、僕は胸の高鳴りを覚えた。

 

「そ、それで、そこではどんなイベントが!?」

と興奮した僕がさらに具体的な萌えエピソードを尋ねると、

「大会で田中達也(現レッズ)率いる帝京にチンチンにされました」

と愛佳さんは悲痛な面持ちで答えた。

 

弱小高校相手に鬼神の如き表情で襲い掛かる田中達也を想像し、

僕は自分の胸が熱くなるのを感じた。

 

 

 

2005.1.20

 

エンターブレインから「ToHeart2」が送られてきた。

現実逃避のため、早速プレイすることにする。

 

僕はギャルなゲームはあまりプレイしないのだが、

前作は初めてプレイしたギャルなゲームだったので、

この作品は特別であった。この作品をプレイする以前は、

RPGかアクションしかしないような硬派なゲーマーであった。

ああいったゲームは自分とは縁がないものだと思っていた。

 

だが、初めてプレイしたのが高校1年の3月で、

ゲームも高校1年の3月から始まるのであった。

これはもう、ハマらない理由が見つからなかった。

 

高校とは何と素晴らしい所なのだと実感し、

不登校気味だった高校へも再び通うようになった。

早くイベントが起こらないかと毎日ワクワクしていた。

 

隣の席のマルチさん(仮名)が、学級日誌に、

「今日はヒロさんが休んだので寂しかった」と書いてあるのを見たときには、

「立った!フラグが立った!」と大喜びであった。

だがその後、全くイベントは起こらなかった。どうしてですか。

 

悲しい過去を振り返っても仕方ないので、

6年前には生えていなかった髭を擦りながらゲームを開始した。

 

開始していきなり、隣に住む幼馴染の女の子が主人公を起こしに来た。

どうやら主人公は、毎日彼女と一緒に登校しているらしい。

この世界では、ドラクエの主人公が勇者なのと同様に、

主人公には、必ず幼馴染の女の子がいるのであった。

 

そんな都合のいい話があるかと突っこみたくなるところだが、

かく言う僕にも、隣に住んでいる幼馴染がおり、一緒に学校に通っていた。

 

だが、あろうことに男だった。

「どうして女の子を産んでくれなかったんですか!」

と彼の両親に抗議しに行ったこともあった。

もっとも、彼もそう思っていたかもしれないが。

 

そのままこの世界で一週間ほど過ごした。

くさやを焼かれたり、本を運ぶのを手伝ったり、

自転車に轢かれたりと、色々な出来事があった結果、

「委員長」という女の子に狙いを絞ることにした。

 

この世界では、主人公が狙いをつけた女の子は、

選択肢さえ間違えなければ、必ずゲットできるのであった。

主人公はよほど凄いマニュアル本を持っているに違いない。

 

しかし、主人公が輝かしい青春を謳歌している一方、

平日の昼間からそれを見守っている自分に疑問を抱いた。

日曜日にトイレから出られなくなり困るという

イベントがあったのだが、実際の僕は毎日そんな感じである。

 

 

 

2005.1.5

 

歯医者に予約を入れようとしたら、今日は休診だった。

相手が留守番電話だと気付かず、テープに丁寧語で喋ってしまい、

何ともいえぬ敗北感を味わった。

 

現在、右の歯が使用不可能なため、

左の歯のみで食事を行なっているのだが、

利き腕のように利き歯というものが存在するならば、

僕は完全に右利きであるため、慣れない左の歯での食事は色々と厳しい。

 

食事の度に顔を左に若干傾けながら噛む必要があるため、

あんなに食べやすかったスパゲティですら、今では難敵である。

あの長いパスタがエイリアンの触手のように、右の歯へ侵入を図ってくるのだ。

 

食事によって生きるための栄養を吸収する我々人間にとって、

歯というものの大切さが改めて身に染みた。

このような事態を防ぐためにも、

今後はリスのように前歯だけで噛むようにしたいと思った。

 

 

 

2005.1.3

 

唐揚げを食べたら、歯の詰め物が取れた。

やはり今年もダメそうである。

 

その後、今年の汚れ今年のうちにということで、

大掃除を開始した。今日は押入れに溜まっている

ビデオテープを処分することにした。

 

僕は普段、雑誌やらビデオやらを捨てられない子なのだが、

今日は捨てまくった。もったいないお化けに取り憑かれるぐらい捨てた。

 

だが、ラベルを貼っていないテープは内容確認のため、

再生する必要があった。内容を確認してすぐ捨てるつもりが、

なぜか「カリオストロの城」を最初から最後まで見る。

ルパンに心も時間も盗んでいかれる。

 

その後、ルパン気分を味わおうと、

大掃除を中断し、「メタルギアソリッド3」をプレイした。

100歳のじいさんと山で鬼ごっこをして遊んだ。楽しかった。

 

 

 

2005.1.2

 

今年の初夢は美容師に前髪を多く切られたが、

何も言えずに泣きながら帰ったというものだった。

 

どうやら今年もダメそうだと思いながら、

書店に行き本を購入すると、くじを引くように言われた。

 

こんな物はどうせハズレしか入っていないうえ、

ハズレだった時に生まれる妙な間が苦手なので、

やる気なさげにくじを引くと、千円分の図書カードが当たった。

 

その後は、もう天下を取った気分であった。

「今年はオレの年だ!」と叫びながら街中を走り回った。

たった千円で、これほどまで浮かれたのは初めてだった。

 

一年分の運を早くも使ってしまった感もあるが、

今年の僕は何かが違う。何なのかよくわからないけど。