「追伸」

Poem by ひかり.S

 

 

 

母上ごぶさたしています

そちらではきっと安らかな毎日なんでしょうね

苦労性のあなたのことだから

頼りない息子や世の中の変わりように

頭を痛めているかもしれませんね

 

 

伝言をお願いしてから もう1年になります

そうそう あのあと わすれていた預金の通知がきたり

心の通じる授業ができたり

我が家にはちょっとしたしあわせが訪れたんですよ

伝言のおかげですね どうもありがとう

 

 

あいかわらずこの国は不景気で

僕も貧しいままなんですが

こころのなかは意外にゆたかなんです

こんなに芸術と向きあっているのは学生のとき以来でしょうか

質素にくらすと本当に大切なものが見えてきますね

それに奇跡のようなんですが

生きかたを改めたら

友人ができ そんなに孤独じゃなくなったんです

もちろんつらいことがとつぜん降ってきたりすることもありますが

安心して下さい

以前よりは強くなりましたよ

きっと約束を守っていけると思います

神様によろしくお伝えください

 

 

追伸

昔の手紙を整理していたら

母よりと書かれた手紙がありました

封筒もなくちぎれかけた便せんを

そっとひろげて読みました

 

 

父の工場(こうば)を手伝って

夜なかまで働きながらも

行ったきりの息子を案じる

母上のこころが

あんまりあたたかいので

泣いてしまいました

 

 

ごくろうをかけました

 

 

 

 

 

 

 

 


comment

 

「追伸」

 

「伝言」の続編ですが、「追伸」という言葉の美しさと

母の手紙に心を動かされて作りました。

この手紙はいまだ涙なしには読むことができません。

少しでもそれが伝わればと思うのですが・・・

 

Poem & comment by  ひかり.S

 

 

 

sachi-y@msd.biglobe.ne.jp

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