「未熟な果実」
Poem by ひかり.S
親しき人に今夜も
ひとりごとのようなメールを書いた
忙しい仕事の合間に
ふっと息を抜いてほほえんでもらえれば
それでいい
なんて きどっていたら
「週末の予定はありますか
僕はなんにもありません」
そう書いて落ち込んだ
金木犀の香りのような
ひそかやな約束があるのなら
こころは躍っているのだろうに
嵐の前の雲のような
わきあがる切望があるのなら
仕事の終わりが待ち遠しいのだろうに
ささいなことに
こころみだれる
未熟な中年
万物を司るものよ
冬の冷え込みは早すぎます
果実はまだ熟してはいないのですから
情熱の炎を消さないでください
それでなくても
やっとの思いで 灯しているのですから
たしかな手ざわりを残すことなく
豊穣の秋が
走り去ろうとしている
comment
1998年の秋は短い気がします。
季節と自分の状況をだぶらせて
描いてみました。