「星の湯」

Poem by ひかり.S

 

 

 

星のまたたきがキンコンカンと

きこえてきそうな寒い夜

 

あなたとふたり

ケッシノカクゴででかけた銭湯

 

 

 

せんたくものを頭陀袋につめこんで

二人乗りして行った

 

パトロールの警官に出会わないように

小さな畑さえあるうら道をとおったから

空まで星の畑のようだった

 

 

 

あなたはおぼえていますか

あの銭湯の名前

 

わたしにはちょっとした思い出もあるんです

 

はじめてのひとり暮らし

すこし緊張して湯船に入ったこともありました

 

さわやかな風に吹かれて

友と歩いたこともありました

 

のれんの横の公衆電話から

一方通行のにがい電話をしたこともありました

 

「わたし」という存在自体がつらくって

髪を洗うふりをして涙を流したこともありました

 

あなたと出会う前のはなしです

 

 

 

あなたとふたり

道ばたの敷石に腰掛けて

カシオペア座をさがしながら

のんだ缶おしるこの甘さ

 

カップヌードルみたいにできあがった

せんたくもののほんわりとしたはだざわり

 

あなたは忘れているかもしれないが

わたしにはなんだかなつかしい

 

 

 

まずしくて今よりずっとふべんだったけれど

ふたり寄り添いゆめだけは大きくて

ケッシノオモイで銭湯にかよっていた

あのころ・・・

 

星のまたたきがキンコンカンときこえていた

 

 

 

 

 

 

 

 


comment

 

「星の湯」

 

しあわせって何だろう?と考えたときに浮かんだものが、

「星の湯」でした。それから、ずいぶん時間がかかりましたが

やっと完成しました。男女どちらでもとれるように「わたし」に

しました。作者は男です。



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Poem & comment by  ひかり.S

 

 

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